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ADAKENのアニメガタリ

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最近気になったアニメの話題を独自目線で語ります。
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「700,000,000,000,000,000,000,000」の思いがこもった、アニメ「ラピスリライツ』の魅力。

「700,000,000,000,000,000,000,000」の思いがこもった、アニメ「ラピスリライツ』の魅力。

コロナ禍の煽りを受けて厳しい状況に置かれているのはアニメ業界も例外ではない。4〜6月期は複数の作品が放送途中で長期延期をよぎなくされたり、放送予定の時期が先送りになったりと、大きな影響が表面化した。7月期に入り、放送中断のようなケースはさすがになくなったが、放送開始自体を10月以降に変更した作品は結構多く、その結果、穴埋めがてら再放送アニメがやけに目立っている。

そんな中でも、少数精鋭というべき

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どうなってしまうんだこれからのアニメ。

どうなってしまうんだこれからのアニメ。

久しぶりにアニメの話をしよう。

今期(2020年4〜6月)のアニメ界は、世のご多分に漏れず最悪の状況に見舞われた。その予兆は前期(1〜3月)の半ば頃から見え始め、4月下旬にもなると死んっ昨アニメの制作現場はどこもかしこも完全にストップしてしまった。

放送開始前に全話の制作がほぼ終了していたアニメはいくつかあり、「かくしごと」や「新サクラ大戦」「プリンセスコネクト・リダイブ」など、優れた作品が最

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アニメ「アズールレーン」の空母はなぜ空を飛べるのか。

アニメ「アズールレーン」の空母はなぜ空を飛べるのか。

10月も下旬に差し掛かり、秋スタートの深夜アニメも概ね把握できてきた。大豊作だった今夏に比べると再放送ものが目立つなどの弱さはあるが、それでも粒ぞろいな布陣といって良さそうだ。そんな中で筆者がまず注目したのは「アズールレーン」だ。

ちょうど2年前から運用が始まった艦隊擬人化ゲームが原案で、先行していた「艦隊これくしょん〜艦これ」と何かと比較されることでも知名度が高いタイトルだ。ゲームは艦これのよ

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「ハイジ」っぽい「なつぞら」劇中アニメとあの頃のテレビ風景。

「ハイジ」っぽい「なつぞら」劇中アニメとあの頃のテレビ風景。

NHK連続テレビ小説「なつぞら」が佳境を迎えている。今週は、東洋動画からマコプロダクションに移ったヒロイン・なつが、夫の坂場一久や昔なじみの同僚たちと新しいテレビアニメの製作に加わり、第1話が放映されるまでが描かれた。

「大草原の小さな家」をモチーフに描いた劇中アニメ「大草原の少女ソラ」は、「アルプスの少女ハイジ」がベースにあるのは異論のないところだろう。「ハイジ」の放送開始は1974年1月から

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サブスク動画配信時代だから、お願いしたいこと。

サブスク動画配信時代だから、お願いしたいこと。

映画やテレビドラマやアニメが月額数千円単位で思う存分楽しめる動画サブスクリプション配信サービスが拡大を続けている。映像作品マニアにとっては我が世の春が訪れた気分ではないだろうか。筆者も複数のサービスに加入しており、古いテレビドラマやアニメの記事を書く際に、生の映像を気軽に引き出せる手段として大いに重宝している。

きょうも、新たなサービス開始のニュースが目に入ってきた。

かつてのレンタルビデオ隆

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「まちカドまぞく」の面白さを引き出す、やる気のない魔法少女の存在感

「まちカドまぞく」の面白さを引き出す、やる気のない魔法少女の存在感

放送中のテレビアニメ「まちカドまぞく」がめちゃくちゃ面白い。

ごく平凡な女子高生、吉田優子が、ある朝突然、頭にツノが、お尻からしっぽが生え、魔族の力が覚醒し、ご先祖様から宿敵の魔法少女を倒しその生き血を捧げるよう命じられ、悪戦苦闘するという、かなりぶっ飛んだ日常系ギャグアニメである。

文字だけで説明を読むとシリアスめいたものを思い起こしがちだが、それとは全く正反対の、「まんがタイムきらら」掲載

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伝統芸能としてのアニメ声優世代交代を考える

伝統芸能としてのアニメ声優世代交代を考える

日本のテレビアニメが誕生してからすでに半世紀以上が経過している。これだけ続いているエンタメジャンルともなれば、そろそろ歌舞伎や落語などに準じた伝統芸能としての扱いがなされても何ら不思議ではないのではないだろうか。そんな中で、こんな記事が目についた。

最長寿の「サザエさん」を筆頭に、「ドラえもん」「ルパン三世」「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」など、長く語り継がれこれからも続いていくであろうい

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「仮面ライダーゼロワン」に見る、人類とAIの古くて新しい関係性

「仮面ライダーゼロワン」に見る、人類とAIの古くて新しい関係性

仮面ライダーシリーズの最新作「仮面ライダーゼロワン」の放送がスタートした。いわゆる令和ライダー第1作である。

ちなみに、「仮面ライダークウガ」から始まった平成シリーズ以降で数えると21作目、1971年に始まった昭和第1作の「仮面ライダー」から数えると第28作になる(TVシリーズに限定)。時代が改まり、主役のスーツアクターもバトンタッチし、これまでの平成ライダーとは違うものを求める冒険が始まったと

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朝ドラで話題騒然!?謎のアニメ「キックジャガー」にある伝説のアニメーターの影を見た。

朝ドラで話題騒然!?謎のアニメ「キックジャガー」にある伝説のアニメーターの影を見た。

NHKの朝ドラ「なつぞら」に、「キックジャガー」なるアニメが登場して話題になっている。

「なつぞら」は御存知の通り、昭和30〜40年代のアニメ制作現場を描くテレビドラマで、広瀬すずが演じるヒロイン・奥原なつは所属する大手アニメ制作会社で敏腕アニメーターとして活躍しているという設定だ。

そのモデルとされるのが、奥山玲子。東映動画で原画マンとなったのを出発点に、劇場アニメ、テレビアニメを問わず数々

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アニメ映画「二ノ国」は、一人の個性派声優の魅力を満喫するためなら意義ある一本だ。

アニメ映画「二ノ国」は、一人の個性派声優の魅力を満喫するためなら意義ある一本だ。

先日公開されたアニメ映画「二ノ国」。ジブリ物に代表されるこの手の作品は個人的はあまり興味がわかないのだが、「ねとらぼ」で何本か関連記事を書いた絡みもあって、どんな映画に仕上がっているかが気になり、初日に見てきた(1100円で見られる日だったので)。

すでに何人かの映画ライターが書いたレビューをご覧になった方も多いと思うが、自分もその類にもれず、本作に対する評価は高いとは言えないというのが率直な感

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劇場版アニメラッシュの今、声優について考えてみる。

劇場版アニメラッシュの今、声優について考えてみる。

新海誠監督の最新アニメ映画「天気の子」が先日公開された。筆者も初日の昼間に無事観賞。前作「君の名は。」の大ヒットが決してフェイクでも偶然の賜物でもないことを改めて認識させるに十分すぎる秀作と言っていいだろう。

それにしても今年、2019年は劇場版アニメのラッシュが続く。2月に「シティーハンター」を見たのがはるか昔に思えてしまうほどだ。どれもじっくり時間をかけて作られた作品であり、程度の差こそあれ

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空前の筋肉アニメ「ダンベル何キロ持てる?」がいきなり2019夏アニメ注目度No.1になった理由とは?

空前の筋肉アニメ「ダンベル何キロ持てる?」がいきなり2019夏アニメ注目度No.1になった理由とは?

この7月から放送が始まった夏アニメは、久々の豊作だ。概ね3〜4話までが放送された7月下旬時点で、自分がリアル視聴を続けている作品は20本前後を維持している。そんな佳作揃いの中にあって、断然イキがいいと言えるのが「ダンベル何キロもてる?」だ。原作は「マンガワン」「裏サンデー」など配信媒体で連載されているものの、それほど知名度があるわけではなかったようだ。しかし、第1話のインパクトがあまりに強かったせ

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イマサラなはずのアイドルアニメ「Re:ステージ! ドリームデイズ♪」がブレイクした理由

イマサラなはずのアイドルアニメ「Re:ステージ! ドリームデイズ♪」がブレイクした理由

2019年の夏アニメもそろそろ佳境に差し掛かりつつあるが、ここに来て1本、気になって仕方がない作品があるので語っておきたい。そのタイトルは「Re:ステージ! ドリームデイズ♪」だ。

中学生の女の子たちがアイドルグループを結成し、全国大会出場に向け奮戦するという、きわめて王道的なアイドルアニメだ。簡単に言えば「ラブライブ!」の焼き直しといって差し支えないかもしれない。

劇場版も作られ紅白歌合戦出

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