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わたしにラヴ・ソングを

慈愛に満ちて

長期休みの帰省ってすごく良い。東京というマテリアルジャングルを抜け出し、本当の自然が生い茂る地元に帰る。何でも欲しいものが手に入る東京は悪くないけれど、時折息の根が切れそうな感覚になるのだ。

休息。休息。休息。

自分に慈愛を与えるってなんて素晴らしいんだろう。

地元に帰った時は、一切家から出ないという「誓約」を自分に掲げている。全ては、心身共に慈愛に満ちた状態にするために。1日中、食べて・寝て・観て・書いてを繰り返す。ヨギボーに寄りかかりながら適当にNetflixの洋画を流し、不意打ちのインスピレーションをネタにエッセイを書く。サイドテーブルには地元産のスイーツとカフェラテも忘れずに。それが、何よりも至福の時である。

田舎すぎる故、近所にスターバックスやクリスピー・クリーム・ドーナツみたいなクールなカフェはない。それもまた、マテリアルジャングルから脱走できた気がしてとても良い。でも、やっぱりスターバックスラテが猛烈に恋しくなる時もある。長くても1度の滞在は5日までと決めているから、もう少しの辛抱だ。

もし、5日以上滞在してしまうとマテリアルジャングルに帰ることに絶望の意しか抱かなくなってしまう。「二度と東京に帰りたくない!」「仕事に行きたくない!」と頑なに感じざるを得ないのだ。5日以上ヨギボーに居座ろうものなら、何かの警報が鳴り響きそうでヒヤヒヤしてしまう。ただただ、重い腰を起こして都会のスターバックスを目指すしかない。

これを書いている今、『天使にラヴ・ソングを…』のシリーズを観ている。デロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)はいつだってハートフルだし、疲れ切った私の心を精一杯癒してくれる。彼女は、私のエナジーを回復させるのに欠かせない存在の1人なのだ。その他には、サラ・ジェシカ・パーカー、メグ・ライアン、ドリュー・バリモアなどラブコメの女王たちがいる。

でも、やっぱり私はウーピーが大好き。大好きすぎて実際にニューヨークまで会いに行った程だ。2019年の平成から令和に切り替わる長いGW期間中に、何か凄いことをしたいと思い、2週間ニューヨークに滞在することを決めた。幸いにも親友のシドニーがマンハッタンに住んでいたこともあり、居候することができた。

そして、ついにその日が来た。ウーピーが出演していたお昼のワイドショーの観覧券が当たったのだ。当日は彼女が登場する直前まで鼓動が止まらず、目の前に現れた頃には自然に涙が溢れていた。彼女がすぐ傍にいるという状況が理解できず、色んなことを頑張ってきて良かったと思った。ウーピーとシドニーのお陰で、とても充実したニューヨーク旅であった。

そんな、5年前のGWに思いを馳せる。ウーピーに感化されて、自分も幾分イイ女になったであろう。色んな意味でね。20代前半からアラサーになったのだから、逆にそうでないと困る。

大きく変わったことは、5年以上長らく続けていた夜の仕事を辞めたこと。そして、ホストクラブに全然行かなくなったこと。300万以上かけて見た目をアップデートさせたこと。それに伴って、中身もちゃんとアップデートしようと努力した。

唯一変わってないところと言えば、持ち前の行動力と正義感。5年前のニューヨーク旅のように、思い立ったら行動せずにはいられない。衝動に衝動を重ね、迷うことよりも先に行動が出るのだ。

正義感の方はデロリスに負けず劣らず。小さい頃から悪とは徹底的に戦い、相手が先生であろうが上司であろうがお構いなしだった。マッチングアプリで出逢った犯罪者を警察に連行したり、弁護士を通じて然るべき罰を与えたこともあった。それ故、自分の居るべき場所が分からなくなったり、孤独を感じたことも少なくはなかった。

5年前と変わったもう1つのこと。「自分だけが嫌な思いをしている」という考えから、「自分にしかできないことをしている」という考えにパラダイムシフトできたこと。自分が思い切って行動に出たから、それ以上の被害者を減らすことができたし、自分が人の役に立つために神様が選んでくれたのだと思えるようになった。

そう気づいた時、私は自分に賛美歌という名のラヴ・ソングを送りたくて仕方なかった。自分自身を決して卑下することなく、もっともっと慈愛で満たしたい。そんな大事なことを、束の間の休息が教えてくれた。

自分が自分であること。

Trust myself. Believe miracles.

私にラヴ・ソングを…

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