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サラリーマンが保育士をやってみてわかったこと

—— こちらは2018年6月の社内ブログからの転載です。

はじめまして。コドモンの足立です。
現在は入社したての見習い中で、カスタマーサクセスチームで導入施設様のサポートをしていますが、今後は、幼保施設ICT化の最前線で導入施設を増やすべく、営業に配属予定です。

4歳ともうすぐ2歳になる2人の娘の子育て中で、幼保育・教育に携わりたいという思いもあって「コドモン」でお世話になることになりました。前職から含め20年IT企業で働いてきたサラリーマンですが、実は将来、自分の園を持ちたいという夢を持って働いてます。

今回縁あって、IT企業のサラリーマンである自分が1週間保育士の体験をさせていただきましたので、そちらで感じたことをまとめてみました。保育士のみなさんから見ると、おかしな点もあるかもしれませんがそこは海より広い心でお許しください。

保育士手伝いすることになったきっかけ

「営業たるもの顧客理解が必須!!」という考えからコドモンに転職するにあたり、主なお取引き先である保育園業態の現場理解を深めるため、入社前の有休期間を使って保育士体験をすることにしました。

しかし、ツテがあるわけでもないので、自分がはるか遠い昔に卒園した保育園に思い切って頼んでみることにしました。なんと、1週間保育士見習いのボランティアとして働かせていただけることになったのです。

今回は、1週間でいろんな経験をさせていただくべく、さまざまなクラス、勤務時間(遅番、早番、中番)を体験してきました。本当に貴重な体験となりました!

出勤前に準備したこと

園長から用意を求められたのは、「エプロン」水分補給のための「水筒」、給食時に使う「お箸」の用意でした。職員の昼食はお弁当でも良いとのことでしたが、給食が美味しいと評判の園でしたので一緒にいただくことにしました。

エプロンはamazonで「男性 保育士 エプロン」で検索したものを購入し、男の子の園児と仲良くなれるよう恐竜ワッペンをアイロンで貼り付けました。

着ていく服もアイスクリームのワッペンがついたポロシャツや、うちの子どもが大好きな五味太郎先生作の絵本「きんぎょが にげた」のコラボポロシャツを購入して、園の子に少しでも親近感持ってもらえるような仕掛けをあれこれ講じました。

きんぎょがにげた コラボポロシャツ


また、大まかな保育士の仕事を予習しようと「先輩が教えてくれる! 新人保育士のきほん」と男性保育士はどう過ごしているかをイメージすべく、有名なてぃ先生のコミック「てぃ先生」を読みました。てぃ先生の園児の描写を見てますます早く子どもたちと会ってみたいなと思いました。

漫画「てぃ先生」(一部抜粋)

1日の大まかな流れ

働かせてもらった園では、園児たちの登降園時間がバラバラなため、早番の人が遊戯室と呼ばれる部屋でおもちゃを置きながら子どもたちを順次お迎えし、ある程度、園児、職員が集まったところで全体集会。その後、各年齢のクラスで過ごします。

逆に帰りは、それぞれのクラスで帰りのご挨拶をした後、徐々にお迎えが来て、園児の数が少なくなってきたらまた遊戯室に集められ、遅番の人がお迎え対応するという感じでした。遅番の時間帯には助っ人のママさんパート保育士さんが増えてました。

初日の朝から遊戯室では珍しい男性保育士に興味津々で、ガンガン子供たちに乗っかられまくりでした。そしてエプロンに仕込んだ恐竜ワッペンは狙い通り、最強でした。

恐竜ワッペンをアイロンで貼りました

1日目:5歳児クラス

初日は、年長組に入って保育士体験が始まりました。生まれてはじめて「先生」と呼ばれドキドキでした。ここからは、その時思ったことや感想を箇条書きでざっくばらんに書いていきます。

  • 初日からケンカあり、鼻血あり、いろいろありました

  • 自分も参加させてもらったフルーツバスケットはとても白熱しました

  • 子どもたちの個性の豊かさと1日の中での感情の起伏の激しさに驚くばかり

  • ついさっき気に入ってもらったはずの子に「この人嫌い」と言われ、心折れそうになってたら、しばらく経ったら笑顔で遊ぼって言ってくるとか

  • 年長さんは言葉も達者でよくわかる年齢なので、体のコンプレックスなど傷つきそうなところをグサグサ遠慮なくエグるようにいじられます(笑)

  • 異年齢交流の保育されている園なので、お当番さんが下のクラスの食事の面倒を見に行ったり、昼寝時にトントンしに行くのが、擬似兄弟みたいでとても良いと思いました

  • 子どもたちと仲良くしながら、全体の進行を妨げないバランスが難しく、あっという間に1日が終わりました

寝顔はみんな天使でした

初日で感じたサラリーマンとの違い

  • 働きっぱなし。まとまった休憩時間が取りづらい

  • PC、スマホなどデバイス見る時間はない

  • 他の職員の方とのコミュニケーションがオフィス勤務に比べ極端に少ない

あたりでしょうか。
当然といえば、当然なのですが、子どものペースに合わせるのでそうなってしまうようです。自分のペースで仕事できること、チャットを通じたり、振り向けば同僚や上司に相談できるって「実は恵まれた職場環境なんだな」と思います。

帰宅して、子どもを寝かしつけていたのに、自分が先に寝てしまうほど・・・疲れていたようです。改めて、ハードな仕事だなと実感した初日でした。

2日目:4歳児クラス 初の泥んこ遊び

2日目は、自分の長女と同い年の4-5歳児クラスでした。

  • 遊技室では、常時誰かに乗っかられてる状態が続く

  • 子どもと単に仲良くなるのは簡単だけど、進行の妨げにならないような距離感保つのは難しい

  • 初のどろんこ遊びは、とても良いなと思いまきた。あれだけ気にせず泥だらけになれるのはストレス解消にもなり、とても楽しそうです

  • 泥んこ前には、ハッスルしすぎないようガス抜きでマラソン(園庭をぐるぐる)走りました

  • 泥んこは先生も着替えが必要なくらい容赦なく汚されます。あえなく標的になった新参者の自分は耳にまで泥が侵入→しばらく耳抜けできなく、ようやく取れたらパラパラとした砂になってました

  • 休憩時間にもなる昼寝タイム、部屋で皆、事務作業を行なっているようです

初日は、自分も環境に違いにあまり周りを見る余裕がありませんでしたが、先生方は改めてやることが多いなと実感。タイムリミット付きの事務作業は、ハタから見ていてもなかなかにスリリングでした。

3日目:3歳児クラス

3日目は、3歳児クラスでした。自分も「先生」に少し慣れてきて楽しめました!

  • お庭遊びで蟻に襲われてる青虫を園児が見つける事件が発生。青虫派、蟻さん派に分かれて大騒ぎ

  • 食らいつく蟻を一匹ずつ剥がして、青虫を直接掴んで葉っぱに戻す大役を仰せつかりました。青虫を直で掴んだのは何十年ぶりだったでしょうか

  • 先生への質問コーナーが設けられ、好きな色、好きな食べ物に続き、好きな靴下、好きなキリン、嫌いな消防車という大喜利のような難問を聞かれて、答えを考えるのに一苦労。ちなみに嫌いな消防車は走るのが遅い消防車だよと返しました

  • 遅番初体験でしたが、皆さん想定よりお迎え早く、園児と先生が同じくらいになってしまう展開に。こればっかりは読めないのでシフト組むの大変

  • お迎え時には、どんなに大人ぶったり、ヤンチャな園児も、ホッとした子どもらしい笑顔になってました

  • お迎え遅めで残される子たちが強がって気にしない風にはしゃぐのですが、それが逆にその子たちの寂しいんだろうなと感じさせました

  • 主任から遅番、早番などの不人気シフトはどうしたら良いかと聞かれて、サラリーマン的な発想としては、気持ちだけでも手当を付けるのはどうでしょうかと話しました

3日目で慣れてきたこともあって、子供たちの表情をよく見れた1日でした。保育士目線に立つと、やぱり親御さんには少しでも早く迎えにきてもらいたいと思うものですね。

もちろん私もサラリーマンなので事情が許さないことはわかりますが、多くの時間を一緒に過ごしていたので、子どもたちの思いをとても強く感じました。

4〜5日目:0歳児・1歳児合同クラス

4日目と5日目は、0-1歳の合同クラスで過ごしました。

  • 意思疎通や食事や排泄といった身の回りのことがまだほとんどできない子どもたち相手なので、今までのクラスとは別物の施設といっていいくらい保育内容が違い驚きました

  • 上のクラスでは1人、2人だった保育士も、5、6人いました

  • ごはん、おやつ時の忙しさと先生たちの連携プレーが見事すぎて、自分はおろおろするばかりでした

  • 昨年からの保育指針転換にあるような園児の自主制を重んじていて、とりあえず、なんでも自分でやらせてみる保育をしていました

  • 実際、家庭で過ごしているもうすぐ2歳の次女より、手洗い、コップや着替えを畳んで自分のロッカーに入れるなど、全然いろいろ出来ていてビックリしました。その頑張る姿が可愛いこと、可愛いこと

  • あと午睡時の呼吸、体温、排泄などの記録類が多いのも上の年齢のクラスとは違う感じでした。

お昼寝中は午睡チェックと連絡帳書きで大忙し
  • 年長さんの当番さんが食事時に来るのですが、お世話に手慣れた感じでそれもまた見事でびっくりでした

  • 4日目は親として経験していた午睡の際の寝かしつけ、オムツ替え、子どもたちと遊ぶぐらいしか役に立ってない感じでした

  • このクラスは、とにかく一日中、マルチタスクで走り続ける感じで、頭も体も特に疲れました

  • 一番嬉しかったのは、人見知りで有名なある女の子が初見から馴染んでくれたこと。はじめての人の膝の上に座るなんてと驚かれましたが、何がよかったのかなぁ

  • 最終日には全園でのお誕生日会がありました。先生たちの桃太郎の劇に大爆笑。忙しい中で子どもたちの為に小道具や演習などの準備されているんですね。本当にすごい

とても勉強になった5日間は、あっという間に過ぎてしまい、もう少し長くお世話になればよかったかなという思いでした。

別日:職員会議に特別参加

最終日にお願いして後日、職員会議にオブザーバー参加させていただきました。

  • 紙が配られ、みんなはそれぞれメモを書くという、IT企業ではありえないアナログな状態

  • アジェンダは、連絡事項の共有、保護者参観の振り返り、問題のある子をどうケアするかなどを話されていました

  • 話題の一つに「回覧板がちゃんとまわらない」という話が出てました。これはコドモン屋としては、なんとかしたいと思いました

  • やはり問題のある子のケアについては真剣に熱い議論がされていました

職員会議もお昼寝タイムにやらなければいけないという過密スケジュールで、本当に、時間がないなーとまた実感しました。

体験してみてわかったこと

①子どもは、小さい人。実はよくわかってる

自分が思ってる以上に、子どもはよくわかっていてできることが多いと知りました。わかると思って根気よく伝える、できると信じて待ってあげる、子どもを伸ばすために保育士さんはその辺りをかなり忍耐強く徹底していました。

②子どもはかわいい天使で目が離せない悪魔

個性はさまざま、感情表現も豊かでやっぱりかわいい。でも予測不能なとんでもないことをしたり、気分屋で振り回されっぱなしで目が離せず気力、体力をガッツリ削られます。

③幼稚園と保育園の違い

娘が通ってる幼稚園が規律に厳しい面があるのか、そもそも幼稚園と比べてそういうものなか、娘の参観でみた学校の授業のような幼稚園の過ごし方に比べて、保育園はより生活感がある家庭的で過ごしているかのような感じがしました。

④シフト問題が大変

人手不足でシフト問題が深刻な感じでした。遅番出来る人が少ない。スタッフの不平不満が上がりやすい部分なのでシフトを組む側は頭を悩ましてました。機械的に公平に割り振りたいという心情はよくわかりました。

⑤職員同士のコミュニケーションを取るのが難しい職場

サラリーマンの目で見ると、オフィス働きと比較して、そもそも職員同士が顔合わせる機会が圧倒的に少なく、常に子どもがいる状態なので職員同士のコミュニケーションにも気を使います。

その辺りが原因で、他のクラスはどうなってるの?的なコミュニケーションエラーを生みそうだなと思いました。

⑥保育士さんが神すぎる

現場は子どもが好きな保育士さんたちの奉仕精神に支えられてました。
子どもに心折れるようなことをされたり言われたりしても全力で受け入れて、休憩時間も休憩にならないぐらい体力や、常に気を張って精神力を使い、事務や創作もある、そんな激務を常に笑顔でこなす姿に本当に頭が下がりました。

⑦やはりとにかくアナログ、同じことをなんども書く

デジタル機器が苦手そうな方が多いのも確かですが、そもそもデバイスをみる時間がありません。仕事はじめて以来の20年で、もっともPC、スマホの画面みない1週間でした。

休憩中も事務作業に追われていたので、コドモン屋としては、機械に振ることができる単純作業は機械にふれるようにして、もっと保育士さんの本分である、子どもたちとの触れ合いや、新しい保育への検討や学びに時間を割いてあげられるようにしたいと思いました。

登降園管理、請求計算、連絡帳、指導案・日誌、保護者への緊急連絡、シフト作成、写真販売などの業務をもっと効率よく行って、保育に専念したい!という方はぜひ下記のをご覧いただきお気軽にお問いあわせください
>>>【導入実績no.1】1600園の保育園・幼稚園が使っている「コドモン」」とは?



・・・
いかがでしょうか?
所詮、1週間の体験でしかないので本職の保育士さんから見れば、誤解やわかっていないなーということも多いのではないかと思いつつ、サラリーマンから見るとそうなのかという新鮮な気づきを少しでも感じてもらえると嬉しいです。

社会がより良い未来に向けて、子どもたちをどう育てて行くか?という大きなミッションにとって保育現場は超重要です。

誇りを持って働いている保育士さんたちを尊敬しつつ、何か少しでもより良い環境づくりにお役に立てることを目指して頑張って働こうと思わせていただきました。

最後に貴重な体験をさせていただいた園の保育士・スタッフの皆さん、素人の面倒を見てくださった主任、事務長、また無理難題を笑顔で了承いただいた園長、そしてこんな自分と仲良くしてくれた子どもたちに、にこの場をお借りして御礼を申し上げます。

ありがとうございました!

追記あれから4年経ちました ※2022年6月追記

この元記事を書いてから早4年。当時、園児だった長女は小学3年生になりましたし、次女は年長さんです。

おかげさまでコドモンのご利用施設は当時の1600から11,000を超えるまでに成長しました。少しずつですがこども施設(保育園・幼稚園・学童・学校)などのICT化は進み、着実に変わってきている手応えを感じるようになりました。

今でも、多くの施設の職員の方々、保護者の環境を少しでも良くすることで、子どもたちの取り巻く環境を良くできればという思いは今も代わりませんし、それを実現するために、この体験は今でもとても役立っています。

これからも子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でより良いものにするべく、頑張って参ります

こちらも合わせて読んでいただけると嬉しいです

▼コドモン代表のインタビュー記事

▼保育士業務をサラリーマンに例えたnote

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