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北アルプス大縦走(FIN!)〜9年間の軌跡

毎週1投稿を目指していましたが、残念ながら先週は投稿できませんでした(涙)

というのも…

北海道の我が家にはエアコンがありません。

田舎なので逃げ場といえば、車に乗るかスーパーへ行くか、町民センターや図書館へ避難するくらいしかないのです。

昨日は暑くて暑くて(日本中ですがっ)、疲労の蓄積もあり、noteを書く時間に頭をアイスノンに乗っけて、「どうしよう??起き上がれない」と思いながらnoterさんの記事を読んでいたら、まさにグッドタイミングな記事に出会いまして。

心をスパッと切り替えて、体を休めることにしました。

あやとりりぃさん
ありがとうございます!!

さて、前置きが長くなりました。
今日はやりたてホヤホヤの「北アルプス大縦走(FIN!)〜9年間の軌跡」について書きたいと思います。
長くなりますが、よければお付き合いください。

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2013年に遂行した「インカトレイル」ですが、その時にいろんなトラブルに巻き込まれたAさんという大阪在住の女性と出会いました。

彼女は私より一回り近く上なのですが、高校の山岳部〜地元の山岳会所属という経歴を持つ、大ベテランです。

今でこそ荷物の軽量化が進み、ライトウエイトブームなんてありますが、その時代は皮革のベルトと綿帆布素材で作られたキスリング・ザックが全盛期。
登山靴やウエア、ピッケルにアイゼンetc.
全てにおいて今とは比べものにならないほど重くて、機能性が良いとは言えません。

2017.7 針の木雪渓を下山中に、キスリングザックを背負った方と遭遇!
思わず、パシャリ。
かっこいいなぁ〜〜〜〜

そんなAさんと意気投合し、その後に待ち受けている「世界の高所登山」へ向けたトレーニングにお付き合いしていただくことになりました。

その一つとして計画したのが「北アルプス大縦走」なのです。

北アルプスといえば、「日本の山岳の顔」と言っても過言ではありません。
南北に150km、東西に25kmの広大な山岳地帯で、標高3000Mを越える日本の山21座のうち、10座があります。

一般登山道とはいえ場所によっては、両脇が深く切れ落ちるキレットや鎖場、ハシゴなども多数あり、体力&技術が必要な場面が多々あります。

「よし、北から南へ行きましょう。栂池つがいけから入って、槍ヶ岳を目指す!
ゆっこさんにとっては、最適なトレーニングやね〜」

ということで、全て自分で背負って歩くテント泊での決行となりました。

もちろん一回で完遂できるわけありません。
数年かけて少しずつ歩を進めるのですが、その分、登り降りがあるので、実はえらく大変なことになるのです。

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そのルートが決まったとき、私には一つの目標ができました。

それは、20年ほど前に亡くなった母の想いが眠る「後立山連峰うしろたてやまれんぽう」を、この足で確かな一歩を刻むことです。

この連峰は、富山県から立山を見たとき、その後ろに聳える山々のことを指し、白馬岳〜針の木岳の山域を指します。

その山々のうちのひとつである「五竜岳」が母のお気に入りでした。

というのも、法政大学山岳部だった母にとって、山岳部の小屋がある「五竜岳」が、青春そのものだったからです。

そして何を隠そう、母の遺骨の一部は「五竜岳」に眠っているのです。

どっしりとした山容の五竜岳

母が亡くなったとき、私は登山に目覚めていませんでした。
まさか私が今、大きな荷物を背負って山々を歩いているとは思いもしないことでしょう。

”わたしったらこんなことやってるよ、びっくりでしょ、がんばってるよ”

と言いたいという願いがとともに。

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最初の一歩は、長野県北部にある栂池つがいけからです。
これから始まる旅が一体どうなるのか?何が待ち受けているのか?
ドキドキとワクワクしかありませんでした。
ただ、槍ヶ岳の「や」の字も見えないほど遠くからのスタートだったので、いつ辿り着くのか?皆目見当もつかず。

ケ・セラ・セラ〜
なるようになる〜♩

映えある一座目、乗鞍岳 2015.8.10


しかし今考えると体力もあったし、やる気もあったし、14~5kg程度の荷物なんて、「へっちゃらのへー」だったような。
というか、全てがトレーニングと思っていたので、それが当たり前だったんですよね。

2017.9  針の木雪渓を登っているの図

大きくて重い荷物を背負って、岩場の下りや鎖場の通過は、ドキドキの連続です。これでもか!という集中力が必要なので、その緊張感もたまりません。
バランスを少し崩しただけで、荷物が重いと体が持っていかれちゃうんですよね。


全集中! 多分、爺ヶ岳からの下りかな?2016.8


確かに重い荷物は厄介だけど、全てを自分の力で運び完結するというスタイルは、なんでもすぐに手に入る今の世の中だからこそ、私はやりたかったのです。

それに何より、外界と布一枚だけで隔てられた「テント」という世界に身を置くことで、生きている実感を得ているのかも知れません。

2016.8  冷池テント場


2015.8 初日は決まって生野菜!
手巻き寿司なのだー

今回目標とした「槍ヶ岳」は、その名の通り、遠くからでもすぐわかる山です。
最初は全く姿かたちも見えなかったけど、ようやく遠くに見えたときは、それはそれは小さくて、でもチョンととんがってて、なんだかカッコよく、ただただ「遠いなぁ」と感じていました。

2017.9  第3回でやっと見えた「槍ヶ岳」
中央のチョンが穂先です


しかし「やっと見えた!」と思ったその姿。
歩きを重ね近づいたと思えば、また遠くなり、手が届きそうなのに、なかなか見えない道のり…ふう。


だいぶ近づきましたよね? 2022.8


それもそのはず、何回にも分けているので登っては下山して、また登ってを繰り返しているからです。

全行程を描いてみました。
少し見にくいですが、上から下へ向かって歩いた縦走ルートです。

ココ!と書いてある所が「槍ヶ岳」
③と④は登山道までのアプローチも長いし、えげつなかった〜


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最終回となった2023年夏。
「槍ヶ岳」まで続く一本の道が見えた瞬間、震えがきました。
ああ、本当にここまで自分の力で足で歩いてきたんだと思うと感無量です。

そこにはもちろん一緒に苦楽を共にした仲間や先輩がいたからこそ。

目の前に続く稜線を辿れば、チョンに!
あそこまで一気に行きます!!


チョンまで、あとひと息!



ありがとう!ありがとう!ありがとう!!



2015年から始めた「北アルプス大縦走」ですが、2023年8月23日(水)に目標とした「槍ヶ岳」に登頂し、翌24日に下山し完遂となりました。

当初は4年計画でしたが、Aさんのご事情やコロナがあり途中4年のブランクを経て、全6回の行程となりました。

また間が空いたこともあり、歳を重ねた分、自分に甘くなり、最後の2回はテント泊を止め、身軽な小屋泊というなんとも私らしい結末です(笑)

ご拝読、ありがとうございました!

過去に書いたAさんとの出会い「インカトレイル」と、「昨年の縦走」リンクを貼りますね。
お時間あれば、ぜひご訪問くださいね。



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