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応援上映行ってきた記録

去る3月8日、映画「ゲゲゲの謎」の応援上映に行ってきました。

応援上映
とは、
「映画の上映中に観客が大声を出すことが認められた特別上映回。映画上映中に観客の声援、コスプレ、アフレコなど許される新しい映画鑑賞スタイルであり、映画館では静かに映画を鑑賞するという従来の概念を覆すものである」


応援上映に行くと決めた経緯

長いので要約ver.

・私は映画館に行くことは滅多にない。
・しかし「ゲゲゲの謎」はたいへん面白く、パンフレットを読んでからもう一度観たいと思い、また、字幕版で観たいとも考えた。
・パンフレットが届くのは1月下旬以降、いつまで上映が続くかわからないので、ひとまず字幕版を鑑賞。
・パンフレットが届いたので再び観に行こうと思っていた矢先、スケジュール的に最適な日時での「応援上映開催」の知らせをTwitter(現X)で目撃。
・初の応援上映に行ってみることにした。

経緯詳細(長いぞ)

私は大画面ノンストップ上映の映画館で映画を見ることは滅多にありません。何故なら、私は若干トイレが近く、視界は遠く、光の点滅に弱く、画面酔いもしやすい……
ともかく「映画館に向いてない身体」の持ち主です。

そのため「これは配信を待っていられない!すぐ観たい!」と思わない限り、映画館に向かうことはありません。

映画「ゲゲゲの謎」は、封切り前のポスターを見た瞬間、粗筋もロクに読まずにGoogleカレンダーでスケジュール登録しました。

そのポスターがこちら。

「目つきの悪い童顔系黒髪短髪がスーツで銃をもって斜に構えて血まみれ。白髪長身和装もいる」
今落ち着いて見返すと、よくこんなポスターデザインできたな?!と思うほどにはっちゃけてますよね。

そして封切り後早速映画館へ向かい、大変気に入りました。
とはいえ、映画館に向いてない身体の持ち主ですので、初回鑑賞を終えた時点では「2回目」は考えていませんでした。

しかし。
みんなの映画の感想や解説を見ようとTwitter(現X)を眺めていると、パンフレットを読んでから観るとさらに味わいが増し、字幕で観るもっと味わえるという情報を得たので、
とりあえずパンフレットを買おうとしたところ……
在庫切れ」。

定価は950円です

案の定のメルカリ高額転売が跋扈する事態に、公式である東映はパンフレットの受注販売を宣言。

大喜びで予約を済ませたものの、届くのは1月下旬以降。
「パンフレットを読んでから映画を観る」が1カ月近くお預けとなったため、「字幕で観る」を先行させることに。
そこで、「字幕上映」を探しましたが行動圏内に字幕上映がなく……そこで見つけた「字幕メガネ貸出」!

字幕メガネ貸出とは

字幕メガネとは、
映画進行に合わせて自動的に字幕を表示するメガネ型端末です。 スクリーンに表示する「字幕付き上映」は一部作品で実施」

聴き取りが困難な方でも映画を楽しめるようにというサービスではありますが、利用者資格についての言及がないため、利用させていただきました。

この「字幕メガネ貸出」については、少々狼狽えたので手順を備忘録。
尚、これはあくまで「大阪ステーションシティシネマ」(以下、「大阪ステシネ」と言う。)での流れであって、別の映画館では多少異なるかもしれませんので悪しからず。

字幕メガネ貸出の手順

1:自分の観たい映画を上映している映画館で字幕メガネを貸出しているかを確認(上記リンクからどうぞ)。
2:自分の見たい映画が字幕メガネに対応しているかも確認。
3:映画のチケットを購入
4:字幕メガネを別途予約(数に限りがあるため、予約しても当日利用できない事もありうるので心に余裕をもってください。故障もあるだろうし)。
5:映画館でシアター入場開始したら、入場口で係員に「字幕メガネ予約しています」と伝える(入場開始前にスタッフに「字幕メガネの受け取り方」を念のため確認しておく方が安心です。貸出経験のないスタッフさんだと「え?何?」となる。なった。)
6:メガネ持ってきてくれるのをひたすら入場口で待つ。心と時間に余裕が必要。
7:受取ったら、取説通りに操作して上映開始を待つ。正常動作しているかどうかは、本編開始に連動した字幕表示が始まるかを見るまでわからない。
不具合があれば近くのスタッフに声かけろなどと書かれているが、ぶっちゃけ本編始まってから席を立ってメガネ対応してもらってたら映画冒頭を見逃すことになる。
繰り返しますが、字幕メガネ貸出には心の余裕が必要です。
8:本編開始に連動してメガネに文字が表示されたら一安心。
9:映画が終わったら、その辺にいるスタッフにメガネ返却して終了(返却口が指定されていたらそれに従う)。

ちなみに、メガネのレンズに文字が表示されるので、首を傾けて見る癖のある人は字幕が斜めになります(当たり前)。
私は今回のレンタルで「自分の頭は右に傾いてる」を自覚しました。
(左利きで自分の書く文字や絵を確認するためについた癖と思われる)

字幕メガネを借りたことで、「いやこれ字幕がなかったら初見で気づくの無理じゃない???」みたいな伏線等※に気づくことができ、自分の頭がグラグラ揺れると字幕も揺れて軽い画面酔いになるというデメリットはあるものの、2回目の鑑賞を存分に楽しむことができました。
※あの「咳」に初見で気づいた人いる……?

その後、増刷パンフレットが手元に届き、残すは「パンフレットを読んでから観る」のみ。
そろそろ上映も終わっちゃうんじゃないか、いつ行こうか、土日は混むから嫌だな、でも平日枠は夜9時からしか間に合わない、終電は疲れる……などと考えていた矢先、Twitter(現X)で表示されたのは

「『#鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』水木しげる生誕祭応援上映 開催 3/8(金)19時~全国7劇場で開催」!

なんと仕事帰りに行ける時間枠「19時から」!
その上、素晴らしい記念日じゃないですか、これは行くしかない。

昨年末から数回実施されている応援上映のチケット争奪戦は苛烈だったと聞き及んでいるので、入念な下調べとウォームアップをしてから販売開始とほぼ同時に「私にとっての最善の席」をおさえました!
一番後ろの中央席です。画面が近いと目が疲れるんや……しょぼ…

私が経験した応援上映

到着した映画館のチケット売場周辺は、映画に登場するキャラクターのコスプレをした人々や、自作のグッズを持参している人々で賑わっておりました(コスプレしている人は家からその格好で来たのだろうか)。

しかし薄暗いシアター内で俄然目立つのはコスプレよりも「光る棒」。
私の知っている情報は「キンブレと呼ばれていて、様々な色に変更できる光る棒。コンサートなどで振るやつ」ということのみ。
この際、きちんと調べておきましょう。

キンブレってなんだ?

商品名は「キングブレード」。
株式会社ルイファン・ジャパンが販売している電池式ペンライトだそうです。そして、略称は「キンブレ」で、最近では類似品も同様に「キンブレ」と総称する模様。オッケー、把握した!

使い方は簡単、電池入れてスイッチ入れて色を選んで周りに迷惑をかけぬ範囲で振り回すだけ!

上映開始の前に放映される「NO MORE映画泥棒」に対しては、「赤色」に設定してキンブレを振っている方々もいらっしゃいました。
応援が既に始まってる

そして、映画鑑賞中のマナー映像では「大きな声を出さない」と表示された際「声出すよ~!」と複数人からのツッコミが入り、其処此処から笑いが生じる。
引き続いて「応援上映の説明」が流れ、「皆さ~ん!準備はいいですか~?※」という呼びかけに「は~い!」と元気よく声を出す観客たち。
「おや~?声が小さいですよ~?もう一度~!準備はい〜いですか~?」と煽りまで入れてくる案内音声(録音だよね?)には私も参加して「は~い!」
※尚、このアナウンス等は既にうろ覚えの為、一字一句その通りとは限りません。

応援上映と言っても、阪神タイガースの応援のようにリードしてくれる人もおらず、応援歌や声援の内容、タイミングなどは事前に決まっていません。
恥ずかしがり屋の日本人が、一体どんな感じにスクリーンに向かって応援するのか?実際は静かな観賞で、時々拍手が起きるだけとかじゃないのか?
などと心配していたのですが、それなりに盛り上がりそうな予感。

ついに本編が始まろうとし、誰かが大きな声で叫ぶ
「水木先生お誕生日おめでとうございます!」
それに続いて「おめでとうございます!」「おめでと~!」「はぴば~!」などとみんなが口々に叫ぶ。
これなら私も参加できるぞと思い、「おめでとうございます!」と叫びました。

そして本編が始まりました。
どのタイミングでどんな声援を送るものなのか、まださっぱりわからぬまま鑑賞開始。
そのうち、誰かが「くるぞ……」「準備はいいか?」などと言い始めました。
そう、この映画の主役の1人である「水木」の登場シーンが迫っていたのです(※水木しげるご本人をキャラ化したものではないです。ちなみに、鬼太郎シリーズには「水木」という男性が複数パターン登場しています)
ニコニコ動画世代ならわかっていただけると思うが、それはまるでニコ動コメントの「現実の声バージョン」でした。
シアター内の観客全員が、彼の登場シーンを待つ。何やら一体感を覚える。おぉ、同志たちよ。

画面に「水木」が映る。
その瞬間、アイドルのコンサートさながらの歓声がシアター内に満ちた。
私も叫んだ。多分、「きゃああああああああ!!!!!!」と。
ちなみに私は本件映画をいたく気に入ってはいるが、特定のキャラクターに懸想するに至っておらず、誰推しということもない。
それでも、初登場の瞬間は周囲の歓声もあってか自然と声が出た。

あっ、応援上映、おもしろいぞ
でもこれ最後まで声と体力もつかな?

と思った瞬間だった。尚、これは伏線でもある。

その後、場面に応じて鮮やかに色が変わるキンブレ群を眺めながら、キンブレ買いたい欲を高めつつ、応援上映を存分に楽しみました。
後からわかったことですが、どうやら場面や登場人物ごとにおすすめ色があり、キンブレ持参組は予習をしていた模様。

とはいえ、絶対のルールではないので好きな色で振っていても別に構わないかと思われます。

応援上映での声援(一例)

応援上映の声援もまた「絶対のルールはなく、好きなように各々が声を出して応援すればよい」です。良識の範囲内でね。

実際どんな声援があったかというと
・かわいい
・かっこいい
・好き
・がんばれ
・きゃ~~~!
といったシンプルなものと、

・足元気を付けて!
・どうしてその方法にした?!
といった、場面に応じた声掛けのようなもの、

・正直、この場面が一番えろくて好き!
といった個人的な感想をぶちまけるようなもの、
(尚、この類の声援に対しては「わかる!」といった賛意の声援も上がった)

・怨念がおんねん
といった周囲を笑かしにかかったものなどがありました。

上映終了後は、「もう遅い時間帯だから帰りは気を付けて~!」「は~い!!!」「外は寒いよ!気を付けて~!」「は~い!!!!」といった解散の声の掛け合いが行われ、私も「家に帰るまでが応援上映!」と叫んで「は~い!!!!」を頂いてからシアターを後にしました。

(そのときは、家に帰るまでどころか1週間後の3月15日に至ってもなお何かが終わってない、むしろあれが始まりだったのか何なのかわからぬ状態になるとは思っていませんでしたが……伏線回収を終えてから別の記事で書きます)

応援上映感想まとめ

応援上映初挑戦、とても楽しかったです。
自分でもまだこれだけの声を出せたかと驚きつつ(2時間弱、数十回は大きな声を出したけれども喉はノーダメージで元気!)、キンブレがあったらもっとハッスルできただろうなぁと思いつつ、

「両隣がおひとり様でよかった~♪」

正直、仲良しグループに包囲されたら流石に物悲しくなるかもとビビっていたのですが(私にはオタ友が少ない)、平日金曜19時スタートということもあってか、予定を合わせるのもやや難易度が高くて「一人でも行く」が一定数いた模様。ありがとう、助かった。

それはさておき。
一人でも、コスプレも自作グッズもなしでも、キンブレ無しでも、
同じ映画が好きな人たちが集まり賑わうシアターで観るのは楽しいです。

もし、とても気に入った映画で応援上映が実施されるならば、物は試しとしてお勧めいたします。

以上、ご静読ありがとうございました!

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