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香港からポルトガルまで、バスとヒッチハイクで行くことに挑戦。その後、自転車で世界を走る…

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香港からポルトガルまで、バスとヒッチハイクで行くことに挑戦。その後、自転車で世界を走る。 プロレスとパンクを愛す旅人です。    SNS全くやってないので、誰もこの記事にたどり着けないだろう。 皆様の「スキ」がモチベーションになっております。

マガジン

  • チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編

    オーストラリア一周した時の日記をまとめたものです。                無料で公開しております。

  • チャリダーアキの自転車世界旅行 カナダ横断編

    カナダ横断時の日記をまとめたものです。 前後編で17000文字くらいのボリュームとなっております。

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自己紹介

 アキと申します。自転車旅の間に書いていた日記を”ぎゅーっ”とまとめて記事にしております。  カナダ横断編(前編)(後編)は有料にしてしまいました。  オーストラリア一周編 は無料にしておりますので、興味があって暇な方がいらっしゃいましたら是非読んでみて下さいませ。  今後、全部無料で読めるように設定しようと思っています。  皆様の「スキ」が記事を書くモチベーションとなっております。

    • チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(25)

      ナラボー11日目    目が覚めた時、既に8時過ぎだった。陽はすっかり高く昇っている。今更ジタバタしてもどうにもならない。お湯を沸かし、紅茶を煎れる。ちょっとだけ砂混じりの熱い紅茶を啜りながら、   (さて、何から始めようか?)    やらなければならないことを頭の中に列べて、うんざりする。紅茶を飲みながらの現状把握に時間を費やしたところで何かが好転する訳でもないことに気が付くと、大きくため息をついて重い腰を上げ作業に取りかかった。    まずは、砂に埋もれた自転車を掘り起こ

      • チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(24)

        ナラボー10日目の夜    夜1時、もの凄い風の音で目が覚めた。テントのフライ(外張り)はバタバタと音をたてていて、今にも飛んでいきそう。噂には聞いていたが、まさか自分がストームに巻き込まれるとは思っていなかった。兎にも角にも急いで飛び起きる。意外なことに頭の中は冷静で、先日リオンが僕に言っていたことを思い出していた。   「ニュージーランドでは頻繁にストームに遭遇して、一晩中眠れなかったことが何度もあったんだよ。アキがストームに巻き込まれたら、テントの一番重要な支柱が折れた

        • チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(23)

          ナラボー10日目    出発して直ぐに悪い予感が的中してしまった。なんと、後輪に使用している古いタイヤの脇からチューブが飛び出している。それは丁度、車に跳ねられたカンガルーの死体から腸が飛び出している状態を思い起こさせるグロテスクなものだった。古いタイヤとホイールがぴったりと合わずに多少のズレが出来ており、その隙間からチューブが歪な形で顔を出している。このまま走るのは無理だと判断し、昨日取り外した変形しているタイヤを再び取り付けて、だましだまし走ることに決めた。  とにかく、

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        • チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(25)

        • チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(24)

        • チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(23)

        マガジン

        • チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編
          25本
        • チャリダーアキの自転車世界旅行 カナダ横断編
          2本
          ¥280

        記事

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(22)

          ナラボー9日目    朝6時に出発。追い風は吹かない。8時過ぎに正面からもの凄いスピードで近づいてきたスイス人のおじいさんチャリダー(60歳)と少しだけ話をした。60歳とは思えないような多量の荷物を積んだ彼に、昨日何km走ったかを聞いてみると驚愕の返事が返ってきた。   「240km。」   (マジか!!東へ向かう僕は、昨日はずっと向かい風。時速10kmくらいで10時間以上走ってどうにか110kmの走行だった。西へ走るおじいさんにとっては天国であったであろうことは想像できる

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(22)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(21)

          ナラボー8日目  朝、売店で4.2ドルもする食パン(いかれてやがる。なんてふざけた値段設定だ!)を購入してからのスタート。ハチミツ、チョコ、バターどれもが明日には無くなってしまいそうであるけれど、ここで買い物をする訳にはいかない。    出発と同時にナラボー・ナショナルパークが始まる。ナラボー・ナショナルパークは実際には、ここから約200km先までしかない。カンガルー、ラクダ、ウォンバットに注意という道路標識を初めて見た。ラクダは何度か目撃したが、車にはねられているところ

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(21)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(20)

          ナラボー7日目  起床時に西から風が吹いていた。昨日に続いての西風に、   (これからは追い風が続くに違いない!)   と、期待したが出発と同時に横風となり、2時間後には向かい風となった。まぁ、そんなもんだ。    本日の朝食でシリアルを食べ尽くし、食パンもすでにない。あれだけ買い込んだ大量の食材が、いよいよ底をつき始めている。だがしかし、実は計算通りだったりするのだ。    以前、ノーザンテリトリー州からウエストオーストラリア州に入る日、荷物チェックがあり、買ったばかりの

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(20)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(19)

          ナラボー5日目  早朝にガソリンスタンドへ立ち寄り、トイレの手洗水を6L拝借。再び走り始めようとした時にパンクしていることに気が付いた。  昨日、野宿する時に道路から離れた場所に自転車を押して行ったのが理由で間違いないだろう。この辺りの道路脇には硬いトゲが付いている草の実が落ちていて気にはしていたのだけれど、見事にトゲがチューブを貫通していた。オーストラリアに来て何回目のパンクなのかは、もはや覚えていない。10から先は数えるのも嫌になってしまった。  この日は92km走った

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(19)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(18)

          ナラボー4日目  ナラボー4日目も強風の向かい風。昨日からオーストラリアで1番長い直線(146.6km)を走っているので、ハンドルを切ることが一切ない。暑いのは暑いが我慢できない程の暑さという訳でもない。ハンドルを切ることがなく、当然信号機などあるはずもなくブレーキをかけることも無い、周囲の風景はナラボー特有の強風のため、膝(ひざ)よりも高く伸びる草木が殆ど無い風景。あまりにも暇で眠くなってきてしまったので、途中からカンガルーの死体がいったい何体あるのかを数えてみることにし

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(18)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(17)

          ナラボー2日目  本日も強い向かい風。ナラボーでは一般的にこの季節、西から東に向って強い風が吹いていると聞いていたのだが……。昨日辺りから余程運の悪い男が西から東に向って走っているということなのであろうか?一説によると、風は2~3日おきに風向きを変えるとも聞いたことがある。この説に期待をしたいものだ。    ただひたすら向かい風の中をゆっくりと進むだけの1日だった。道の両サイドにはまだ背の高い木が沢山生えており、アップダウンもきつい。本格的なナラボーはまだ始まらなかった。1

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(17)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(16)

          ナラボー初日  一般的にナラボーとは、ノースマンから1200km離れたセドゥナまで延々と続く1本道のことを指している。  恐ろしく乾いた気候と夏の暑さのため、民家は殆ど無い。というよりも、全く無いエリアが大部分を占めている。車は走っているので100km~200kmおきにガソリンスタンドはある。大抵の場合、併設されたキャンプ場と小さな売店があるのだが、売店に売られている物の値段は大きな街の2倍以上するという話を聞いている。なるべく途中の売店に近づかないようにして、次にスーパ

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(16)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(15)

          ナラボー前夜2  Munglinup(マングリナップ)からNoseman(ノースマン)までの道のりでは、毎日リオンと顔を合わせていた。一緒に走ったことは一度もない。毎日彼に追い越される時に挨拶をし、そろそろテントを張ろうと思った時には彼のテントがそこにあった。自転車のスピードが速すぎる彼は、他人と一緒に走るのを好まないと言う。この頃の僕も1人の方が気楽だったので丁度良かったし、何よりも彼のスピードが速すぎて全くついていけなかった。    ノースマンの町にキャンプ場は1つしか

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(15)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(14)

          ナラボー前夜  Munglinup(マングリナップ)のフリーキャンプ場で、1人の自転車旅行者に出会った。リオンと名乗るこのオランダ人男性とは、この先にあるナラボー平原で毎日のように顔を合わせることになるのだが、この時はまだ当然何も知らない。たまたま隣にテントを張っている初対面の自転車旅行者に過ぎない関係だ。世界中を走り回っている彼は、とてもフレンドリーで色々なことを話した。キャンプ場は無料とは思えないくらい綺麗に整備されていて、オーナーの人懐っこい賢そうな飼い犬が走り回って

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(14)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(13)

          カリーの森  パースを後にし東へ向かって走り始めてから2日目、雨が激しく降り始めた。前回雨が降ったのは砂漠の真ん中、アリス・スプリングを出発する日だった。バックの奥の方にしまい込んだカッパを取り出し久々に着る。ふと、前方に目を向けると、雨を弾くアスファルトの道を飲み込むように巨木の密生する森がどこまでも続いている。この辺りは地中海性気候で非常に雨が多いという。森の巨木はカリーと呼ばれる木で、高いものでは60mを超えるというから驚きだ。   (雨と森。オーストラリアにもこんな

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(13)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(12)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(12)   パース  パースは西オーストラリアの州都で、オーストラリア全体でも4番目に大きな町だ。この国の人口は一部の大都市に集中しているみたいで、広大なアウトバックには殆ど人が住んでいない。ずっと長いこと無人のアウトバックを走り続けてきた僕にとって、パースはお金さえ出せば欲しい物は何でも手に入る魔法の都市だ。久々に見る信号にあたふたしながら、街の中へと吸い込まれて行った。    この街に宿は無数にあるが、僕が目指すの

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(12)

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(11)

          ハットリバー王国(2)  入国手続きを終えた僕は、おばあさんと一緒に王国の郵便局へと向った。その郵便局では王国のはがきと切手が販売されていた。  “はがき”は分かる。“はがき”は間違いなく使用できるはず。問題は“切手”だ。王国の“切手”が本当に使用できるのか心配だ。そして、郵便局前にあるポストはどうなっているのだろうか?オーストラリア連邦の郵便局員が砂に囲まれた辺境の地まで回収にくるとでもいうのだろうか?色々と気になり試してみたくなった僕は、この国のポストにはがきを投函して

          チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(11)