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エース2022年新春号「ある日、森のなか」

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特集「ある日、森のなか」から、おすすめの記事を掲載します。
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記事一覧

森の中の子どもたち ~森や里山、海、公園など自然の中で保育をする「森のようちえん」。三重県菰野町の「森の風こども園」でその魅力を探った。

森の中の子どもたち ~森や里山、海、公園など自然の中で保育をする「森のようちえん」。三重県菰野町の「森の風こども園」でその魅力を探った。

野外での自然体験を軸にした子育て・保育、乳児・幼少期教育を総称して「森のようちえん」と呼び、全国にそのネットワークが広がる。(エース2022年新春号「ある日、森のなか」より)

 「自然は忖度(そんたく)しないからいいんです」。そう話してくれたのは、三重県にある森の風こども園の嘉成頼子園長。園長は以前、四日市市内の幼稚園で園長を務めていたが、知識の切り売りのような教育ではいけないと、子どもたちを自

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森林セラピー®を知ってる? ~これまで親しまれてきた森林浴が、科学的にも健康によいことが分かってきました。

森林セラピー®を知ってる? ~これまで親しまれてきた森林浴が、科学的にも健康によいことが分かってきました。

 「森林浴」の効果を科学的に解明して、心と体の健康に活かす「森林セラピー」なるものがあるらしい。森林では都市部に比べてストレスホルモンが減少することや、長く滞在することで免疫力が向上することなどが分かっているという。日本各地には、癒やしの効果や病気の予防効果が認められた、森林セラピーに適した森もある。
 ウェルビーイングと自然。森の力で心身を良好にする。“健康”をキーワードに森林を活用する試みとは

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“ 国民の森林”国有林 ~林野庁を訪ねて教えてもらった、国が管理する森についてのあれこれ。

“ 国民の森林”国有林 ~林野庁を訪ねて教えてもらった、国が管理する森についてのあれこれ。

分かっているようで分からない国有林について、林野庁の眞城英一さん(林野庁国有林野部経営企画課 課長 / 取材時)に解説してもらった。(エース2022年新春号「ある日、森のなか」より)

ーー国有林って何ですか?
 日本の森林面積は約2,500万haで、国土の約7割が森林です。このうちの約3割が「国有林」に当たり、林野庁が管理しています。
 その成立は明治時代初期。かつての藩有林、社寺有林と、所有者

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山伏と森のつながり ~日本文化の原点に興味を持ち山伏になった坂本大三郎さんに、森との関わりについて話を聞いた。

山伏と森のつながり ~日本文化の原点に興味を持ち山伏になった坂本大三郎さんに、森との関わりについて話を聞いた。

山形県で山伏として生活をする坂本大三郎さんが、日本の文化と森について話をしてくれました。(エース2022年新春号特集「ある日、森のなか」より

ーー山伏になろうと思ったきっかけは?

 30歳になったときに山形県の羽黒山というところで、山伏の修行をしているっていう話を聞いて、単純に面白いと思って、好奇心で参加してみたんです。参加してみたら、非常に古めかしいことをやっているんだけれども、何かちょっと

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林業への誘い ~人手不足が叫ばれて久しい林業界において、女性たちによる新しい動きとは。

林業への誘い ~人手不足が叫ばれて久しい林業界において、女性たちによる新しい動きとは。

”林業女子会”を発足した井上有加さん。今では全国にその活動が広がり国内外に26の団体があるといいます。林業と聞いてピンとこない人も、実は身近な産業だということに気づくかもしれません。(エース2022年新春号「ある日、森のなか」より)

林業女子会による植林体験

林業の仕事とは 林業従事者の数は長期的に減少傾向で推移しています。「国勢調査」(総務省)によれば、2015年の林業従事者は全国で4万54

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森の達人に出会った ~故C.W.ニコルさんが「森の達人」と認めた松木信義さんは、
自然と遊び、森と語らう、知恵の塊のような人だった。

森の達人に出会った ~故C.W.ニコルさんが「森の達人」と認めた松木信義さんは、 自然と遊び、森と語らう、知恵の塊のような人だった。

 1986年、C・W・ニコルさんは長野県黒姫で放置されていた森を手に入れ「アファンの森」と名付けて再生を試みます。このとき力を貸したのが松木信義さんでした。ニコルさんとの出会いから森づくりまで、松木さんに当時のことをうかがいました。(エース2022年新春号特集「ある日、森のなか」より)

 アファンの森があるこの辺は、戦後の食糧がないときに国有林を開放して、開墾した場所だよ。だけど、陽気が悪くて作

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