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2023/11/25@伊勢内宮前おかげ横丁野あそび棚

11/24午前。鎌倉のグッドメローズでハンバーガーをテイクアウトした後、急いでそのまま三重まで直行。(そのわずか数分後にボーズさんがわざわざわたしたちに会いにグッドメローズまで来てくれたことを後に店主からのLINEで知る)

ツアーって、移動日も割と忙しいということを、数年ぶりに思い出した。こんな行程で年間何十本もライブしてたかと思うと、今では本当に信じられないけれど、あの頃はライブが全てだった。自分の体力の限界を超えても、精神的には満たされていたのかもしれない。ただ、若さというだけでは置き換えられない理由がそこにはあったように思う。

今回の三重でのライブを一緒に企画してくれた純れのんさんの経営するお店「acatoki」でなんとしても夕飯を食べたくて、とにかく一直線に伊勢を目指した。
とはいえ、キャンピングカーでの旅は、いつも予定通りに行かない。イレギュラーの連発。むしろそれが普通というように、何かしら事件が起こる。

坂道で排水パイプが引っかかって抜けてしまったり、分離不安症の愛犬が出入り口の網戸を噛みちぎってしまったり、ボイラーの蓋が風で吹っ飛んでしまったり、急に雨漏りしたり。
言い出せばキリがないほど、細かい故障はしょっちゅうある。それに加えて日常生活しながらの旅はそれだけで手一杯。そのうえでライブツアーもやるって、もう本当に笑えるぐらいめちゃくちゃ大変なんだけど、家族が一緒にいてくれる安心感は底知れない。

前置きが長くなった。三重入りの日は、本当にエグいぐらい風が強かった。キャンピングカーは横風に弱い。特にキャブコンスタイル(運転席の上にベッドがあるタイプ)なんかは、高さがあるから本当にすぐに風に煽られる。元々スピードが出ないことも相まって、この日はナビの予定通りに着く気配は全くなかった。

やっとの思いで、acatokiに到着。実は、わたしと純れのんさんは、この日が初対面。普段のお店の営業は17時までなのに、わざわざ閉店後にお店を開けて待ってくれていた。それなのに、またしても遅刻!それでも純れのんさんや家族の皆さんが、笑顔で快く出迎えてくれた。

三重県には、実はいままでに何度も訪れている。理由は、写真家の浅田政志氏率いる浅田家がいるから。それこそもう10年来の友人で、徳島から東京へ車で移動する際は必ずというぐらい三重の浅田家で一泊させてもらい、そこから東京へと向かう。浅田家の居心地が良すぎるのと、三重の美味しい食べ物をいつもご馳走になるうちに、三重のことが本当に好きになった。それで、今回のツアーで是非三重を入れたいと思ったのだ。

その浅田政志氏(通称マー坊)が、地元を盛り上げながら音楽活動している純れのんさんのことを紹介してくれた。さすが、マー坊が紹介してくれただけあって、わたしと純さんはあっという間に打ち解けた。(と、勝手に思っている)

わたしたちより早くacatokiに到着した浅田家とともに、めちゃくちゃに美味しいホルモン丼を食べて、明日の打ち合わせも済ませ、もう準備万端。

ホルモン1個食べちゃった後の写真

さて、本日の宿である浅田家に帰ろうと思ったら、どうやらacatokiからの方が明日のライブ会場が近いらしい。急遽、近所のスーパー銭湯でお風呂に入り、近くのパーキングで車中泊することにした。(こういうことが出来るのはキャンピングカーのめちゃくちゃ良いところ)

本番当日朝。コインランドリーにて、溜まりに溜まった着替えを洗濯する。冬物は分厚くてなかなか乾かないから、乾燥に時間がかかる。
またしても余裕ぶっこいて、気がつけばもうすぐ入り時間。急いで出発。またギリギリだなぁと焦っていたら、なんと車道右後ろに純さんの車が!!(奇跡1)

そのまま純さん号についていき、伊勢内宮前に到着。自分たちだったら絶対に迷っていたであろう駐車場にも難なく停められた。しかも、会場に最も近い駐車スペースが本当にたまたま空いて、そこに駐車(奇跡2)

機材搬入を済ませたあと、純さんと浅田家の案内のもと、おかげ横丁内を散策。歩くだけでこんなにウキウキする街を他に知らない。懐かしい、温かみのある古い街並み。古民家と呼んでいいのか分からないけれど、昔ながらの建物それぞれが商店となっていて、どの店も人々で賑わっている。まるで迷路のようなおかげ横丁は、一瞬で子どもの頃にタイムスリップできる場所だった。

純さんによれば、昔はここまで賑わう土地ではなかったそう。この土地を盛り上げようと、赤福で有名な伊勢福さんが長い時間をかけ、ここまでの観光地にしたのだとか。
どんな土地にも、人の思いや匂いが染み付いている。それを拭い去ることはできないし、完全に上書きすることも出来ない。「調和」という美しい日本語の字の如く、この街は新しさと昔らしさで調和されていた。

この日出会った伊勢(三重)の人たちの関係性は、見る限り縦割りではなく、横の絆が深いようだった。地方ではそれが何より欠かせないマテリアルなのは、徳島にいてよく分かっている。この伊勢という街を含めて、三重県という地域がどのようにしてここまで成り立ってきたのか。この日に集った方々を見て、なんとなくだけど分かった気がした。

いざ、ライブ本番。まずは純れのんさんから。純さんのライブを観るのは初めてだった。音楽そのものが好きなのはもちろん、地元のこと、ひとの繋がり、笑顔、そういうものを同じ線上に繋げていくのが好きな人なんだなと分かる。それは音楽に限らず、食べ物でも、場所でもいい。彼の居るところには、笑顔が咲くことをみんなすでに知っている。わたしもその輪に入れてもらえたことを、心からありがたいと思った。

ライブ中、純さんが「やさしさに包まれたなら」をカバーした。さっきのおかげ横丁散策中、ウキウキのあまりわたしが何かの拍子で「やさしさに包まれてますねぇ」なんて口走っていたので、え?!急遽カバーしてくれたん!?とめちゃくちゃびっくりした。(後で聞くと、ご本人はわたしがそんなこと言うからセットリスト知らんはずやのに、と鳥肌立ったらしい。奇跡3)

そして、わたしの番。江ノ島のときより、はじめましての方々が多い雰囲気。でも、みんなすごく温かくて、ライブ中客席からも話しかけてくれて、めちゃくちゃフレンドリー。はじめましての緊張もどんどん解れて、すごく素敵な時間になった。やっぱりここに集まる人も場所も好きだな。純さんと浅田家のおかげに他ならない。そんなここはおかげ横丁。

アンコールをいただき、純さんとステージに横並びになると、なんと打ち合わせもなしに2人ともほぼリンクコーデ。実は前日のacatokiでもお互いの私服は似た様な色合いだった。(奇跡4)

無事にライブを終え、物販場所にいくと、浅田家の長男アサ坊がわたしのツアーグッズを売り捌いてくれている。売り捌く、という言葉がぴったりすぎるくらい、ものすごい勢いで捌いてくれている。母のわかめちゃんも、自分の子どもの商才に驚いていた。

アサ坊ちゃんお似合いです

すべての片付けを終え、みなさんとお別れの時。それでもなぜか、またすぐにみんなに会えるような気がした。たった2日間だったけど、次にお互いの運命線が交わるのはそう遠くないと思った。

そのまま浅田家へ。わかめちゃんが作ってくれていたおでんをいただきながらプチ打ち上げ。ライブのことや、伊勢のこと、いろいろ話した。

翌朝も、浅田家で朝ごはん。もう、ずっといたれりつくせりのリゾートホテル。朝から仕事で出発するマー坊にいってらっしゃいをして、そのまま昼前までダラダラさせてもらった。ツアー2本を終えた実感とともに、やっとホッとできる時間だった。

さて次は、京都!久しぶりに世武ちゃんに会える。
チケットまだあります。
迷ってる方は是非来ておくれー


accobin

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