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『理由なき反抗』青年期の息苦しさ

 ジェームス・ディーンの演技を見つめていると、こちらまで息苦しくなってくる。彼のような演技スタイルは当時革新的だったという話を聞くが、現在においても独自のものであり、彼が映画史のなかで、特別な存在だということに納得がいく。
 また、本作が映画史のなかで、変化のときだったのは、音楽にも表れているのではないだろうか。ハリウッド黄金期の音楽に、ヌーヴェルヴァーグの『気狂いピエロ』の音楽をまぶしたような劇伴は、不穏で美しい。
 映画の文法も、過渡期なためか、今観ても新鮮で、見応えのある作品だった。

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