マガジンのカバー画像

ヨシムラ本棚

16
ヨシムラの本棚です
運営しているクリエイター

記事一覧

ソラコム『IoTの知識地図』

ソラコム『IoTの知識地図』

3年前、半沢直樹風の営業を想定して入社したら、顧客管理ツールを活用して営業プロセスを可視化・改善するセールス手法を目の当たりにし、「これがDXか」と思い知ったのが懐かしいです。
以来、DXのコアバリューは楽になることよりむしろ、「業務が計測可能になる」ことなのだと理解しています。

最新のGPTと遊んでいると非構造データを構造的に分析することに非常に長けていますし、さまざまな事象を観測できるセンサ

もっとみる
平木恭一『銀行業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』

平木恭一『銀行業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』

Fintechをやっているのに銀行についてよく知らなかったので、理解を深めるために読んでみました。業界について知りたい場合は秀和システムさんの動向とカラクリのシリーズにいつもお世話になってます。

経済に関心を払うようになってはじめて金利上昇局面に直面しており、日々の状況を脳みそに刷り込みながら生きています。

これまで何となく金融機関のビジネスモデルは理解しているつもりでしたが、政策金利の引き上

もっとみる
谷川嘉浩他『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』

谷川嘉浩他『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』

立て続けに読書会をやることになり、今月は一冊にかけるクオリティを高める方向性で読書をしている感じがします。
ゼミの先輩から読書会にお誘い頂いたことがきっかけで読んでみることに。今月末の会が楽しみです。

さて、ネガティヴ・ケイパビリティだなんて言葉、自分は始めた耳にしました。なんだか変な言葉ですよね。
読み終わった後でも、なぜこんなネーミングなのかあまりしっくり来ないのですが、ひとまず定義を引用し

もっとみる
岡真理『ガザとは何か』

岡真理『ガザとは何か』

自分は大学で政治学、政治哲学を専攻していたので曲がりなりにもイスラエルとパレスチナの問題については理解しているものと思っていました。しかし、本書を読んでそれが大きな誤解であったことを知りましたし、こんなに大きな歴史的不正義を知らなかったことを恥ずかしくすら感じました。
僕のブックレビューは下の方に書くのですが、まず本書を手に取っていただいたり、もしくは本書の土台となっている岡先生の動画をご覧いただ

もっとみる
カール・マルクス『ユダヤ人問題によせて/ヘーゲル法哲学批判序説』

カール・マルクス『ユダヤ人問題によせて/ヘーゲル法哲学批判序説』

久しぶりに古典を読みましたが、やはり難しくて良いですね。古典は必ず価値があると前提を置いた上で、読むときには一回で分かるつもりで読まない、繰り返し読む前提で読むことが肝心だと思っています。
何を言ってるのか分からないけど、ところどころに理解ができる金言が眠っていて、「あー、そういうことを言っていたのか」と気づくことが出来るんです。2度目に読んだときには前回線を引いていた金言の論証部分が見つかったり

もっとみる
田中和明・田村直史『信託の理論と実務入門』

田中和明・田村直史『信託の理論と実務入門』

最近はひたすら家族信託について調べています。家族の課題を聞いてマーケットがデカいことを調べていたら先日2社が同日調達をしていました。
気づかぬ間にホットマーケットになってました笑。目の付け所としては悪くないと言うことの裏返しでしょうかね。

さて、こんなニュースを横目に家族信託という制度自体への理解を深めるべく読んでみたのが本書です。

基本的に法律の本でして、信託という行為について定めた信託法に

もっとみる
有吉尚哉『Q&A金融サービス仲介業』

有吉尚哉『Q&A金融サービス仲介業』

最近流行りの金サ仲介についての法律理解に役立つ本です。そもそも金サの制度が20年に成立したものですのでまだ新しい制度で、様々なことが出来る一方でそこまで事例が豊富な訳ではありません。そのため、おそらくこれから徐々に金サ仲介のライセンスを用いたビジネス事例が各Fintech企業から出てくるのではないでしょうか。

金サ協会のHPによると下記の9社が金サ仲介業者として登録されているみたいです。

SC

もっとみる
ジェイソン・フリード『小さなチーム、大きな仕事』

ジェイソン・フリード『小さなチーム、大きな仕事』

ジェイソン・フリードさんは、37signalsというソフトウェアスタートアップの創業者で、37signalsは従業員16人ながら300万以上の顧客を有する未公開大企業です。

37signalsは自己資金のみ、小さなチーム、週休3日の省エネ稼働で大きな仕事を成し遂げている会社ということで名を馳せている会社でして、本書はその秘訣、ベースになる考え方を連ねた啓発本というのが正しいでしょう。

特に緻密

もっとみる
BRUTUS1000号おめでとう

BRUTUS1000号おめでとう

学生時代、たま〜に読んでたBRUTUS、1000号というお祝いに釣られて久々に買ってしまいました。といっても、1000号というだけで買ったわけではなくて「人生最高のお買いもの。」というテーマに惹かれてしまいました。

僕は欲しいモノにあまり出会わないので、あまりお買いものをしませんが、「これ欲しい!」と思ったら、あまり悩まずにすぐ買ってしまいます。そんなビビッと来る瞬間というのは自分にとっては幸せ

もっとみる
ストーン・ブラッド『UPSTARTS』

ストーン・ブラッド『UPSTARTS』

こちらにも書いたとおり、ライドシェアに興味がある吉村です。
先日、GOの上場準備が発表されましたね。23/5期は売上高180億円見込みでした。日本でライドシェアが本格解禁されると少し市場が拡大して、シェアが割れる形になるのだと思います。GO、Uber、SRide、その他という構図になるんだろうと思うのですが、日本でどんな風にライドシェアが発展するのか楽しみです。

本書は、Bloombergのジャ

もっとみる
宮田浩志『はじめての家族信託』

宮田浩志『はじめての家族信託』

こちらでも書いた通りですが、認知症高齢者の資産問題について、関心が高まっているので、ソリューションの一つの家族信託について読んでみました。
普段だったら要約を付け加えるのですが、あまりにも要点が絞られている内容でして家族信託の仕組み、メリットデメリット、費用や実運用について網羅的に解説された本でした。要点しか載ってないので本を読んでみてください。図解なので説明がとにかく平易で、普段本を読むのが好き

もっとみる
立入勝義『ウーバー革命の真実』

立入勝義『ウーバー革命の真実』

米国に住むビジネスアナリストである著者が2018年当時の米国Uberを日本に伝えることを目的とした書物です。
刺激的な考え方とか驚きとかをもたらす本ではありませんが、ライドシェアについての引き出しをひたすら増やしたい今の自分としては、読んでよかった本でした。

特に学びになった点はこのあたり。
・Uber Blackは米国でも二種免許が必要(グレードによって免許区分を分けるという発想が学びになった

もっとみる
熊澤義一『世界のライドシェアとタクシー』

熊澤義一『世界のライドシェアとタクシー』

2つの観点で衝撃の一冊です。
1つは、こんなにも世界のライドシェアについて熱心に視察に行き、レポートしていた人間が2017年の日本にいたんだということ。
本書は、Taxi Japan編集長の熊澤が、サンフランシスコ、NY、ロンドン、上海、ドバイ、シンガポール、香港、ドバイ、ダブリンといった世界有数の都市を周り各地のライドシェアについてレポートしたものの集積です。本当に本当に貴重な資料であると思いま

もっとみる
ロン・アドナー『エコシステム・ディスラプション』

ロン・アドナー『エコシステム・ディスラプション』

マネージャーからの推薦図書で読んでみたのですが、23年Top3に入るスーパー名著でした。

本書の副題"Winning the Right Game"にもある通り、この本は昨今の世の中で企業が生き抜くために必要な正しいゲームの捉え方についての本です。

訳者によるこの画像のまとめ方は正直あまり魅力的ではないですが、本書を読んで振り返ると納得できる内容なはずです。
吉村の言葉であえて雑にまとめると「

もっとみる