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〈25th. 高槻JAZZ STREET 2023〉と〈高山右近〉

 高槻市で毎年開催されているイベント。今年は、5月3日と4日に開かれました。私は、3年か振りで昨4日に行きました。

 高槻たかつき市は、大坂府の北部にあり、京都市と大阪市の中間に位置します。人口は35万人で府下第7位、人気のベッドタウンです。

 さて、最初は、高槻城公園芸術文化劇場北館3Fで〈こうやままさとトリオfeat.狩谷瑠美〉さんのjazzあり、musicalありの演奏を聴きました。お琴の名手でもあるという瑠美さん、はばひろい音楽の素養におどろきます。

 つぎに、高槻市立第一中学校グランドへ移動して、そこに出ていた屋台で買ったエスプレッソをちびちびしながら、〈Newport Swing Orchestra 2023〉さんのビッグバンド演奏を気分よく聴きました。

 そのつぎは、高槻城内公民館で、〈前田サラSession〉さんのfunkを聴きました。部屋は超満員で部屋の外まで立ち聴きの人気。パフォーマンスも熱くてすっかりはまってしまいました。

 最後にまた、高槻城公園芸術文化劇場北館2Fにもどり、〈Original Herd Jazz Orchestra スペシャルゲスト 五十嵐はるみ〉さんのビッグバンドとボーカルを聴きました。この会場では、私は座れず多数の人に交じって立ち見で楽しみました。

 Original Herd Jazz Orchestra さんの演奏レベルは高く、アルバムで「ウィスキーが、お好きでしょ」をリリースした、ボーカルの五十嵐はるみさんのエンジェルボイスと歌唱には、さすがと感動しました。

〈高槻JAZZ STREET〉は、いまや国内屈指の音楽イベントになりました。今回私が聴けなかった、日本を代表する著名なミュージシャンも多数参加されました。関係者の方々の努力、演奏家の皆さんの音楽愛、そして観客の応援の賜物と思います。

 ワンステージ1時間ごとの枠で、実質40分の持ち時間にアーティストの熱い演奏が繰り広げられます。全会場入場無料というのも素晴らしい。

 この日も、どの会場も盛況でアーティストと観客が一体になって楽しい時間を過ごしました。と言っても60会場あって同時進行していますから、当然プログラムを見て、自分の好きなものを選んで聴くことになります。

 今回、私は時間の都合で滞在時間が短くて上記の4プログラムしか聴くことができませんでしたが、それでも十分と思えるほど堪能しました、

 帰りは、阪急電車の高槻市駅や商店街を経由して、JRの高槻駅まで徒歩で歩きました。といっても近いので大した距離ではありません。ちょっと暑かったですが。

 その途中で立ち寄った場所があります。高槻といえば、その昔キリシタン大名で高槻城主、高山右近のお膝元でした。

〈高山右近像〉

 バチカン市国から寄贈された、高山右近像がひざまづいて祈る視線の先には……

〈カトリック高槻教会〉

 ……そう、カトリック高槻教会が鎮座します。陣内に入ってみたところその静けさに、一種神聖な空気を感じました。ふと、そこに立て札をみつけました。「誰でも自由にお祈りができます」。

 高山右近も数奇な運命を生きた武将。これを機に少し勉強しました。信長、秀吉の信頼篤く重用されましたが、家康の時代になってからはキリシタン禁令のあおりで、とうとうマニラへ追われ、1615年かの地で客死したのでした。享年六十三歳。

 両親も、妻も、さらには妻の両親もキリシタンだったという、生粋のキリシタンともいうべき高山右近でした。とんでもないエピソードも残っています。

 陰謀で父親もろとも暗殺されそうになったのですが、窮地を切り抜けたかと思った次の瞬間、味方の武将の刀が誤って右近に斬りつけたのです。なんせ昔の夜間ですから敵味方の区別も大変でした。

 なんと首の半分も斬られてしまったというのです。死ぬのが普通です。ところが、奇跡的に助かった。このことがあってからは、ますます信仰に傾倒することになりました。

 また、キリシタン大名のおひざ元の高槻市には、お寺自体少ないというのです。右近の時代に廃れたそうです。

 一説では、右近一族の既存寺院に対する弾圧があったといわれます。また一説に、高槻城下に右近一族が善政を布いたことで、多くの領民が彼を慕いキリスト教を信じるようになったため自然と寺院が廃れたといわれます。

 いずれにせよ、誇り高い戦国武将のひとりであったことに間違いはありません。なんせ、細川忠興の妻、細川ガラシャや、何人もの戦国武将をキリシタンに改宗させたというほどの、影響力・人徳をもっていたのですから。

 ゆかりの、高槻城跡周辺にメイン会場を設け開催されるJAZZ STREETの音楽、あの世の高山右近の耳には届いているでしょうか。そうであれば、喜んで聴いていることでしょう。知りたい気持ちがします。






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