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eco+チャリティオークション-[Plastic Revives]@ポーラ ミュージアム アネックス(銀座)-12/3

 ポーラ ミュージアム アネックス(銀座)で開催中のチャリティオークション「Plastic Revives」展


ストーリーのある美術展

「仕掛け」に工夫がなされた、楽しい展覧会だった。手短に紹介してみる。

テーマは「再生」

 今回は4回目のチャリティーオークション。19名のアーティストが出品。うち17名が、「再生」をテーマにオリジナル作品を制作し、ドローイングとともに出品している。

材料=化粧品容器の再生プラスチック

 オリジナル作品には、ポーラの化粧品容器から生まれた再生プラスチックが使われている。

 アーティストに研究チームが協力し、幅広いアイデアを生み出しつつ作品を完成させている。

作品の中で再生=Plastic Revives

 プラスチックは作品の中で息を吹き返す。それが、展覧会タイトルでもある「Plastic Revives」。なんとすっきりとするタイトル回収。

展示+ネットオークション&販売

 通常の展覧会のように会場で鑑賞もできるが、ネット上でオークションが開かれるので、作品は購入可能。

ドローイングは均一価格15万円

 ドローイングのほうは、1枚15万円の均一価格で抽選販売。

オリジナルのキーホルダー

  中央通りに面したエントランスから、エレベーターでミュージアムへ。

 会場の前には、「ガチャ」が置かれていた。

 出展アーティスト全員のドローイングをトリミングしたキーホルダーだ。

 グッズ販売の手間暇を考えてのことかもしれないけれど、何が出るかお楽しみのガチャというのも「お祭り」感がある。チャリティということもあるし、2回購入してみた。

 武村京、中島浩子、の作品をデザインしたキーホルダーをゲット。ご覧のとおり、しっかりとした造りだ。

 実際のドローイング作品とともに並べてみる。

武村京作品のキーホルダー

中嶋浩子作品のキーホルダー

展示風景

 展示では、中央通り沿いにもディスプレイされていた2作品が、やはり目を引いた。

中村萌

 作品の「表情」に惹きつけられ(眠っているのだとしたら、そのうちに目を覚ましそうだな、などと)、あまり考えられなくなってしまっていたのだけど、説明を読めば、なるほど、脳をモチーフとしたこの植木鉢からは「想い」が育つのだ。夢の中?で、むくむくと想いが育っているに違いない。

 しかも、木彫りを「お題」の再生プラで再現、というこれだけでも、ストーリー満載だ。

 そして、薄眼を開いているドローイングもキュート。


舘鼻則孝

 どこから観ても隙なく美しい。後ろ姿も、特に。

 本作の存在感は、下の写真のとおりだ。

作品の背景を分厚く

 現代アートは考えながら観るものが多い。文脈を考えていくなかで、エコロジーであるとか企業のCSRやサスティナビリティといった、さまざまな要素が内包可能で、入れれば入れたぶんだけ、背景が分厚くなる。もちろんそれに耐えるだけの頑丈さを備える必要もあるのだろうな、と思う。

 制作に「お題」や「縛り」を与えることで、その作品の持つ意味合いは、範囲を狭く、そして深く意味を掘り下げていくことになると思う。そんなことを考えながら鑑賞するのはとても愉快だ。

チャリティオークションというプラス要素

 加えて、本展は、その気になればオークション参加によって、作品を自分のものにできる可能性もある。

 じっくり鑑賞し、何度も足を運んで鑑賞したくなるアートと、自室でいつも一緒に居たいアートは異なる気がしている。わたしの場合、今回は会場で鑑賞することでかなり満足したが、家に連れ帰りたいアートと出逢ってしまった人は、気が気ではないことだろう。

 ただ鑑賞する愉しさに加えて、仕掛けの妙について考え、再生プラをアートとして活用する方法までもを妄想してみる、密な時間を堪能した。


 






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