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風が走っている




風には色があります
風には季節があります
季節や吹きかたに応じて
風は多くの名前をもっています

まるで
人生を表すように


梅雨明けを迎え
夏の季節を表す南風(はえ)が吹きはじめています。
今は
追い風なのか、向かい風なのか

追い風のことを時津風(ときつかぜ)、向かい風を仇の風(あたのかぜ)そう呼ぶこともあります。

向かい風は果たして仇なのでしょうか。

人生においては、時に向かい風は試練を与えます。しかし、その分人を強くする時期でもあります。じっと堪えてこそ、時津風の時期は生かされるのです。

仇の風あっての
時津風です


ふと立ち止まり
どちらの方向に行けばよいのか
迷ったとき

風の声を聴きます


まもなく訪れる盛夏

凪の季節がやってきます
ぴたりと流れが留まり
無風の状態

風が死んだ

ぱたりと風が途絶える時期に
人は
風の声が止んでしまった
そう錯覚するでしょう
風の色も感じることができません

しかし

次にくる
一陣の風が吹くのを
見逃してはいけません

野分は疾風を呼び
天狗風を呼び 狂風を呼び
やがて

清風に変わる

風はくるくる変わるのです
音を変え表情を変え
色を変え
あなたの人生に吹きます

風は走っています

一喜一憂せず
風を感じ
風に耳を澄ませます

風の声を聴きます
そして
とらえます
今はどんな風があなたを取り巻いているのでしょうか

人生の荒波に漕ぎ出す
タイミングはいつなのか
仇の風に堪えて
時津風をとらえます

凪の時期を見送り
一陣の風に乗ります

風はどこからともなく来て
どこともなく去ります

風の声を聴きます
そして
漕ぎ出す準備をします 
乗るべき風を見極めます

風に
多くの名前があるように
あなたの人生に吹く風は
ころころ変わるのです

風とともに
人は生き
人は生かされている


風の声は
あなたに届いていますか

風は過ぎ行く
人生の声なり
      徳富蘆花
 

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