やました

よしもと3年目(大阪43期)♀外反母趾

やました

よしもと3年目(大阪43期)♀外反母趾

最近の記事

ふんばり

久しぶりの本降りだったので いつもは自転車で行く道を 歩いて向かった 道路脇の濡れた鉄格子 その上を通ったとき ツルッと滑った 右足が完全に持っていかれ 転けると思った 矢先 左足がいつもより強く地面を掴んだ おかげで 転けずに済んだ なんなら より強く右足を出すことができた そんなもんといえばそんなもんなんかも でもそういうことだ そう簡単に転けてたまるか

    • 椎名林檎を観て夜中でもないのにボロ泣きしている

      椎名林檎ご本人様がYouTubeにアップされているライブ映像。本来手のひらに収まっていいわけのない贅沢。動画はすごい数で、私はそれらを拝見し、何様だという話ではあるが選りすぐりの再生リストを作って楽しんでいる。いや、楽しませていただいている。 無意味だと分かっていながら無意識にやってしまう、インスタグラムとXの無限ループを断ち、己を奮い立たせるために、林檎様の再生リストを開くこともある。やる気を出すためにお世話になる、と言うと少々セクシーになるne。 贅沢にも、見慣れた、

      • サンタさん

        メリークリスマス界隈。 私は、サンタさんを信じている。このことは、過去、違う投稿に書いたことがある。よければ探していただきたい。信じている、という表現これ即ち、サンタさんは信じるか信じないかの存在だということは、分かっている。このことも、先の投稿に書いたことがある。よければ探していただきたい。 これ以上くどくど言うのは、野暮野暮。 今回は、私がなぜ、サンタさんを信じているかを記す。理由は二つある。 一つは、手紙だ。とあるクリスマス、例年のように、朝起きると窓辺にプレゼン

        • 初めて1回戦突破したら準決勝いけた

          THE W 2023 準決勝にいけました。 惜しかったな〜!とか、残念やったな〜!とか、いらないです。優しい気持ちきっかけで掛けてくれる言葉なのは痛いほど分かっています。でもいらないです。なぜなら惜しくも残念でもないから。 芸歴0年目、つまりNSC養成所の頃から出場し始め今年で4回目。Wは1人2枠エントリーが可能なため、ピンと即席ユニットの2つで出続けているが、ユニットだけが2回戦にいけるか、両方初戦敗退かという、何とも惨めな戦績が続いていた。 ただ今年は、まあ具体的な

          偽陰性

          8月8日と9日。 高校生活を共にした大親友2人と、女3人で旅行をする予定だった。がっつり夏休み的な行為をするのは人生初めてと言っていい。貝類が苦手な私でも200%楽しみと思えるほど、魅力的な牡蠣コースの写真だった。 前日は、ドラッグストアでお泊まりグッズを揃えた。スキンケアのトライアルセットを購入すると、レジでそれと同じ商品の試供品がもらえた。うーんと思った。でもそんなことはワクワクでどうでもよくなった。服は何を持っていこうかな。あれもいるなこれもいるな。忘れ物しないように

          貧乏録

          脳の浪費と心の摩耗は 少ない方がいい でも手っ取り早くは違っていて 昔顧問が言っていた 「『音楽』は決して 『音を楽する』んじゃない 『音が苦』があって初めて 『音を楽しめる』んだ」 実感する日々 足りていないのは分かっていて 何が足りていないのか どこにあるのか いくつあるのか 分からない 分からない 分からない 全部ひっくるめて楽しめたらどんなに楽か こうして今日も 寝落ちるときまで 脳と心を無駄に遣う

          なんか違う

          友達とスシローで食べたフォンダンショコラがおいしかったから ひとりでコメダでガトーショコラを頼んだ 当たり前だけど全然違った まず「もの」が違っていた 名前からしてそれは分かってたけど 濃厚なチョコレートの甘さうまさをもってしても だいぶ違った これってあれに似てる 恋人の代わりに 友達かそれ未満の人を呼んでしまう感覚 なんとなく埋められればいいだけだから 本物ではなく代わりを召喚してみるものの やっぱりなんか違うんだ

          なんか違う

          3年目

          3年目らしい。 1年目と2年目はあまり意識していなかった。というのも、1年目が始まるちょうどその日は、コンビ結成に向けてドタバタと動いていたからだ。そしてコンビのままぬるっと2年目に突入し、2年目の6月に解散した。 そこからやっと、NSCの外の世界でピンネタをやり出したので、私はどうしても自分の芸歴をピン歴で捉える傾向にある。しかし今日、自分のスケジュール帳とバイト先のカレンダー、複数回めくる作業をしたことで、今日から3年目だという意識をせざるを得なかった。せっかくだから意識

          クリームパン

          消費期限の切れたクリームパンを食べた。 お腹が痛くなった。 ちゃんとバイキンマンやった。 同じパンを食べた祖母は何ともなかったようで、 私がお腹痛いと言うと、「私は何ともないから大丈夫や!」と返された。 私は私のお腹が痛いって言ってる。おばあちゃんのお腹には微塵も興味ない。私がお腹痛い言うてんねんから私はお腹痛いやろ。 おばあちゃんなりの優しさか何かで、おばあちゃんはお腹痛くないという事実で、私のお腹痛いを包み込んで、無かったことにでもしようとしたんか。なあ。包み込

          クリームパン

          初めての彼氏

          小学6年の頃、割と仲良く遊んでいたグループの中の男の子のことが好きになった。 完全にイケると踏んでいたのか勇敢な私は、友達に頼んでラブレターを渡してもらった。すぐにOKの返事が返ってきた。 ちょうどいいタイミングで修学旅行があり、男女で部屋が分けられている夜にこっそり密会、宿泊施設の非常階段の踊り場で、おそろいのキーホルダーをくれた。ペアになっていて、くっつけるとひとつの形に見える、何とも可愛らしいプレゼントだった。私の宝物になった。 修学旅行から帰ると今度は学校の階段

          初めての彼氏

          なんでなん

          レジで一言も発さへん客、なんでなん。 メニューに値段書いてない店、なんでなん。 せっかく頑張って食べ進めたビッグクレープ、最後の一口で大量のクリームこぼれるのなんでなん。 北川景子、あんな可愛いのなんでなん。 鏡によって、今日調子しええぞって感じに見えるときと、うわクソブスってなるときあるの、なんでなん。 いざやるぞってなったら集中出来ひんのなんでなん。 末端冷え性、なんでなん。 外反母趾、なんでなん。 なんでこんな金ないねん。

          なんでなん

          学び

          5歳 歩いていると 母に言われた あんた 手振るの忘れてるで え いや 歩くときに 手振るなんて 教えてもらってない わたしは 多少不貞腐れながら さらに歩いた 母のように手を振って歩くと なるほど さっきより幾分歩きやすい 5歳 見て学ぶを覚えた

          【急募】口の潤し方

          水は飲んでる。 先に言わないと、水を飲めってアドバイスばかりもらえそうだから。 自分の2組前ぐらい、結構ギリギリで舞台袖に行くようにしている。緊張するからだ。 あまりにも自分の出番直前だと、今度は落ち着きが足りないまま舞台に出ることになる。だから2組ぐらいがちょうどいい。この時間私は、予想外にウケる想像や、帰りたくなるほどスベる想像、とにかく色んな状況を想像する。なるべく緊張をせず挑めるように、想定しまくる。 でもやっぱりまずはお腹が痛くなって、次に手が冷たく汗ばんでき

          【急募】口の潤し方

          目立ちたがり屋の素

          中学生になり、吹奏楽部に入った。 パーカッション(打楽器)パートになった。 そこで、いわゆる鬼コーチに出会った。髪はベリーショートで、レッスン前は毎回机の上に、お茶と鉛筆と「しばき棒」と呼ばれる5本の棒を準備しなければならない、20代にも50代にも見える超小柄な女性の講師だった。 中1の私は本当に芋臭くて垢抜けなくて、しっかりメガネもかけていて、自他共に認めるどんくささも持ち合わせていた。ただ不器用ではなかったので細かいことは得意だった。渡される担当パートはどれも優先順位で

          目立ちたがり屋の素

          なんで爆発してんの

          百均バイトレジ中、おじいさんと、小さい男の子が会計に来た。男の子が手にしていたのはボーリングセット。厚紙の台紙に10本のピンとビー玉ひとつが貼り付けられ、プラスチックの薄い蓋を被せただけでパッケージが完了されている、極小タイプだ。 ピッと打ってそれを男の子に返すと、"Bowling Set"の字を指差して「なんて書いてるん」と尋ねてきた。私が「ボーリングセット」と答えると、また同じところを指差して「なんで爆発してんの」と尋ねてきた。爆発?と思い改めてパッケージを見つめてみて、

          なんで爆発してんの

          応援

          ワールドカップ。M-1。 みんな同じ話をしている。 なんだか気分が下がる。 どうして私は、ワールドカップの話や、高校野球夏の甲子園の話、M-1グランプリ決勝の話をされると、苦笑いしか出来なくなるんだろう。 考えてみた。 その時の私は、むすっとしている。ということは、拗ねているということだ。承認欲求がむくむくと肥大してくる。そうか。悔しいのだ。私は、すごいと賞賛される人たちのことが心の底から羨ましく、妬ましい。才能だけを羨んでいるのではない。その裏に血の滲む努力がある