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あかね噺-第108席・我慢-感想

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EVOjapan面白かった。スト6発売以降の格ゲー界の盛り上がりは、本当にスゴイ!最近は競争する事が嫌いな人が多いと言われ、対戦ゲームが否定されてきた時代がようやく終わったのかなって感じ。
「負けても勝っても自分の腕」な格闘ゲームの良さがもっと広まると良いなと思うけど、キャラ批判みたいな事が盛り上がってる界隈もあって、こういう闇にどう対応していくかも、業界の今後に繋がっていくと思う。
鉄拳8は、ここをうまく処理できてないように見えるのが気がかり。ユーザーの声を聴くことも大事だけど、聞きすぎて右往左往してしまうと、逆に遊びにくくなったりもする。メーカーにも限界はあるので、コミニティーの協力も必要なんだけど、そこも整備されていないのが心配。原田さんじゃなくて調整の責任者が顔を出した方が良い気がするけど、難しいだろうな。

◆あらすじ


週刊少年ジャンプ 2024年4月30日発売 22・23合併号 

真打昇進試験に挑むまいけるの手伝いを頼まれたあかねは、まいけるの付き人をする。

◆感想


まいけるの真打昇進試験編が本格的に始まった感じがしました。まだまだ分からないことが多い真打昇進試験ですが、この後どんな展開が始まるのか楽しみです。
今回は、真打とは・真打昇進試験とは・マイケルの狙い、について書いていきます。

真打とは
今回、落語協会と阿良川の真打の違いが紹介されました。予想通りに、阿良川の真打は芸を極めし者で、連盟真打は、落語家としてのスタートラインでした。
真打を、スタートラインとしたのが、柳家小さん。芸を極めし者としたのが、三遊亭圓生です。
現在では、真打とは一人前の落語家としてのスタートラインで、ほぼ年功序列で14年前後で真打に昇進します。阿良川のモデルと見られている立川流の落語家も、概ねこの基準で真打になるみたいです。

戦前の落語界では、真打になれずに終わる落語家もそれなりに居たらしいのですが、戦後になって、誰でも真打になれるようになり、落語が上手くない真打が出てきました。

それを問題視したのが、圓生で自身が落語協会の会長になると、本当に上手い落語家以外には、真打に昇進させないとし、かなり厳選した落語家しか真打になれず、従来なら真打になれた二つ目が40人ほど溜まってしまいます。

その後に協会の会長になった小さんは、この真打になれず苦しんでいる二つ目20人を一気に昇進させます。落語が上手い=客が見たい落語という訳でもない、売れるか売れないかは客に任せれば良く、協会が良し悪しを決めずとも良いという考え方で、多くの落語家はこれを支持しており、現在もこの考え方が主流となっています。

これを良しとしなかったのが圓生で、この真打昇進に異議を唱え、【出来の悪い真打ちを乱造するのはけしからん】と思っていた大衆もこの考えに賛同しました。
落語家からすれば厳しくても、客側は真打ちの落語に対してハズレがない目安として機能するので歓迎されたわけです。
これで勝てると思ったかどうかは分からないけど、圓生は新たな団体を作って落語協会、落語芸術協会に並ぶ第三の団体を作ろうとしますが、失敗し真打ちはスタートラインとする形に落ち着くことになります。

これで気づく人もいるかも知れませんが、真打ちというのは、落語協会が認めないとなれません。あかね噺監修の林家けい木さんは現在二つ目ですが、彼が真打ちになるには師匠である林家木久翁が真打ちの力があると認めても落語協会が認めないと真打ちになれず、彼が真打ちたる実力があるかどうかを見極めるのは、師匠や一門のトップではなく、落語協会のメンバーが決めることになっています。

ところが、あかね噺では、落語連盟が真打ちを決めるのではなく、一門のトップが、真打ちを決めるようです。
寄席のトリの権利など、一門だけで済まない事柄も含むので、問題が多そうで、現実の落語界との違いが、今後どう話に絡んでくるかも注目したいです。

真打ち昇進試験とは
圓生がぶち上げたクーデターは失敗に終わるのですが、大衆の支持を集めた【出来の悪い真打ちを乱造するのはけしからん】の部分の火消しは出来ませんでした。

真打ち昇進の最終決定者は協会会長ですが、席亭(寄せの支配人)と幹部数人が合議制で誰を真打ちに上げるかを話し合い、認められた者候の師匠に確認を経て真打ちに決めていたのですが、密室的なやり方ではなくある程度オープンにする事である種の質を担保するようにしました。
これが真打ち昇進試験と言うものです。
試験の形式は一定していないのですが、大体、有識者が真打ちになりたい落語家の噺を聞いて真打ち足り得るかを判断するというものです。
これで、批判が収まり落ち着くかと思ったのですが、これでも大問題が起きてしまいます。

ここの感想でも何度も書いてるんだけど、立川談志が自身の弟子だけが真打ち昇進試験に落ちた事に激怒して、落語協会を飛び出すという事件です。
この真打ち昇進試験というのは悪く言うと、きちんと審査してますというアピールのために作られた物です。
では、それをどうやれば可視化できるのか?
それは受からない人が居ることが、一番わかり易い。足りない人は受からないですよと見せることが良いわけです。
この時の会長は談志の師匠である小さん。不合格にする落語家が自分の孫弟子なら、不合格にしても角が立たないと、1年待ってくれと不合格にした。
真相は不明ですけど、談志は自分の弟子より不出来な真打ちがいるのに、俺の弟子が真打ちにならないのは、こういう理由に違いないと思ったようです。

この事件をきっかけに、真打ち昇進試験は無くなっていきます。無くなっていったのは、結局アリバイ作りのような真打ち昇進試験だったからなのか、落語の腕を判定することの難しさなのか、揉め事が耐えないことに嫌気が差したのが嫌だったのか、理由は定かではありませんが、試験は無くなり元の合議制に近い形でほぼ年功序列で真打ちに昇進するようになりました。

それでも【出来の悪い真打ちを乱造するのはけしからん】問題の根は深く、今もくすぶり続けています。落語家の階級、真打ち・二つ目・前座の3階級の人数は、真打ち>>>二つ目>前座になっていて、真打ちが圧倒的な人数で、前座がほとんど居ないという人数構成で、真打ちの価値が低くなっています。
こういう事態を問題視しているのか、年功序列の順番を何人か飛ばして真打ちにする何人抜きの抜擢真打ちが出てきたのも、こういう声に答える形で出て来たのかなと思います。

あかね噺が始まった時に、この真打ちの価値が下がっている現状の落語界の問題にド正面からぶつかる内容だったことで、落語協会のけい木さんが監修で大丈夫なの?って思っていたんですけど、そこにはあんまり振れない方向で進むかと思ったりした時期もありましたが、これをどう落語協会に喧嘩を売らない形で纏めるのか、それとも喧嘩を売る内容になってしまうのかも楽しみになっています。

阿良川のモデルである立川流の談志は、圓生のような真打ちをゴールという考え方は持っていなかったと思います。
ただ、基準が曖昧ということに対しては、自身の真打ち昇進も含めて明確じゃない事には、問題意識を持っていました。
なので、談志の考える真打ちが備えているべき能力というものを明確にして、真打ちの基準を数字にしました。
これは最低限の基準と考えることも出来るので、一人前の落語家のスタートラインを作ったと言えるのかもしれません。

明確な数字になったことで、真打ちになれるかどうかは、数字を満たして談志が合格と見れば真打ちになれる事になり、真打ち昇進試験というものはありませんでした。
しかし、談志が志らくに真打ち昇進を勧めた時に、志らくから自分の真打ち昇進をプロデュースする為に、真打ち昇進試験をやるので談志に客の前で審査してほしいと願いでます。
この真打ち昇進試験が受けた事で、その後、立川流では真打ち昇進試験というものが出来ます。
しかし興行として始まったからか、人ごとに違いがあって、試験をやる人もいればやらない人もいたり、1年掛けて何回かに分けて審査をやる人もいたりで、明確な基準というものはありません。
ただし、審査そのものはガチなようで、不合格になることもあります。

第一話の真打昇進試験は複数の落語家が同時に審査される形でしたが、立川流のだと一人の落語家が師匠に落語を審査してもらう形式なので、まいけるの真打ち昇進試験が、どのような形式でやるのか楽しみですね。

まいけるの狙い
まいけるは、あえて落語をやらないという戦略を立てているようです。
M1グランプリの霜降り明星やミルクボーイなんかは、毎月ネタライブをやって1年掛けてネタを練り上げたそうですし、吉本とその他の事務所では、ネタを披露する回数が大きく違うことが、吉本の漫才師がM1で強い理由だと語られるなど、客前で見せるということが芸を磨くうえでは重要だという話を聞きます。

落語と漫才は違うのかもしれませんが、あんまり良い作戦だと思いませんでした。落語をしたい気持ちを貯めることで会心の落語ができるみたいな文法は、スポーツ漫画やバトル漫画ではよくある作戦なので、こういう作戦のオマージュなのかなと思います。
しかし、気持ちを貯めないとパフォーマンスが下がるなんてのは、プロとして失格で、それこそ真打ちを目指す落語家としてどうなの?って話もあります。

本当の芸の世界では、あんまり良い作戦な気はしませんが、あかね噺はあくまでジャンプ漫画なので、読者が理解できるような作戦の方がお話的に面白いと思います。
この辺のさじ加減は、こういう業界漫画では難しくあかね噺はここまで上手くやってきていると思うので、この落語をやらない作戦がどういう結果になるのかを楽しみにしたいと思います。

そんな些末なことよりもラストのまいけるがカッコいいことのほうが大事で、いろんな気持ちを背負って、本気のまいけるが出てきました。
普段チャラチャラしている分、本音の部分では深い想いがありそうです。

金髪ロン毛時代のまいけるも久々に出てきました。志ぐま師匠が今からは想像できないと語ったまいけるが、どうやって今のような人物に変わったのか?3歳のあかねを預けれるほど信頼された理由も含めて明らかになることを楽しみにしています。


GWをダラダラ過ごして、次のジャンプ発売の直前に感想を書く体たらくかつ、あんまりあかね噺に関係ない話が多すぎた事、GWにフットボールマネージャーに手を出して、ガッツリ遊びすぎていろいろ後回しにしてしまった事、フォーエバーヤングが3着に負けて悔しすぎたり、井上尚弥に感動したり、いろいろ充電できたので、次回の感想は週末にならないようにしたいと思いつつ感想を終わります。でわでわー。





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