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【オススメゆに映画まとめ】#2魍魎の匣/青い春/となりの山田くん/20センチュリー・ウーマン/恋愛睡眠のすすめ/ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール【あらすじ・レビュー】

✐第二週目まとめ

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オススメ映画6作品のまとめ
基本情報・あらすじ・レビュー

魍魎の匣(2007)

監督 原田眞人
133分
日本

あらすじ

美少女連続殺人事件が世間をにぎわせている1952年の東京。私立探偵の榎木津(阿部寛)は、元女優の柚木陽子(黒木瞳)から娘を探してほしいとの依頼を受ける。作家の関口(椎名桔平)と中禅寺敦子(田中麗奈)も別件から事件に関わる。やがてある巨大なハコ型建物が、解決の鍵を握っていると踏んだ彼らは、京極堂(堤真一)と共に乗り込むが……。

レビュー

ずっと誰かが喋っててぱちぱちとカットが変わって忙しい映画です。キャラの特性や時系列もちゃんと観てないと、あれ、これは今何の事件を何のために誰が追ってんだっけ。となります。

原作小説はというと、ぶあっっっついんです。めちゃくちゃ面白いんですけど。映画は色々改変やらカットやらはされているものの、いつも誰かが喋っててなんか変な空気で時系列ぐちゃぐちゃで今どこだ!!!!ってなるのは原作とそう変わりません。というか映画の方が分かりやすいです。

ちなみに私は京極堂シリーズで京極夏彦先生作品好きになった人です。

舞台設定や美術、衣装もめっちゃ好みです。音楽も。とっても豪華で綺麗です。

いーい役者達の素晴らしい会話芝居や、お作法、細かい所作が観られる映画だとも言えます。美しい動きもさることながら、乱暴な動きやぶっ壊したりするシーンもあって、こういうのが正しくでると生活感、リアリティがでてキャラが立つ。上手い役者ってすげぇ…。

ちょっと演劇っぽくて楽しいです!
芝居おばけの芝居見んの楽しすぎ。

難しい内容や言葉がくどくないのは少しポップなカット割りと軽妙な口調のお陰。
これが苦手と言う方も結構いるのですが。(他にもあるんだろうけど)(分からんでもない)

前作の「姑獲鳥の夏」の監督は実相寺昭雄監督、これはまた別の切り口でして、めちゃくちゃ暗い。どんだけってくらい禍々しい。これもまたこれで正解の見せ方。バランス。
どっちもある意味振り切ってて好きです。

主題歌は東京事変の金魚の箱。
大正解すぎて曲かかった瞬間笑っちゃいます。

ミステリー・サスペンス系の日本映画って時々スペシャルドラマで良くねってやつありますが、これは映画じゃないと良くねぇ作品です。

なるほど魍魎はいるんだなあ。


filmarks
https://filmarks.com/movies/12166


青い春(2001)

監督 豊田利晃
83分
日本

あらすじ

男子校・朝日高校。不良グループはいつも屋上に集まっていた。卒業式の日、新3年生になった彼等は柵の外に立って何回手を叩けるかを競う通称「ベランダ・ゲーム」をやっていた。誰よりも多く叩いた者は学校を仕切る事が出来るが、失敗すれば校庭に真っ逆さまという伝説の根性試しゲーム。そしてその日8回という新記録を出したのは物静かな九條という男だった。しかし九條にとっては学校の仕切りもそんなゲームも無意味でどうでもいいことだった…。

レビュー

原作は松本大洋の短編集「青い春」の「しあわせならてをたたこう」
音楽はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT

「ドロップ」が痛々しく完璧に響く映画

なんでこんなにみんな儚くて、カッコよくて、切実なんだろう。あと泣きそうになるんだろう。と思うんですが、松本大洋の漫画の登場人物やお話はそういうものの塊です。

で、その風合いなどの塊をそのまま表すのに成功した映画がこれです。すげぇ。
豊田監督偉大すぎ。

壊れていく人と、無かったことにできる人と、元よりなんともなかった人と、仲間に入れなかった人、本気でウルトラ警備隊になろうとした人。

途中松田龍平がサッカーするだけのシーンがあるのですが、それは幼い頃からやってて上手かったから入れたらしいです。DVDの特典かなんかの副音声で豊田監督が、松田龍平はなんも考えてなくてボーッとしててもなんかすげー考えてるすげーやつみたいに見えるから得なやつだと言ってた(気がします)

集合写真を撮るシーンは世界一のオープニングです。漫画でしまってるシーンは確実に映画でもしまってて心の真ん中に突き刺してきます!

この映画を観ると、私も男の子になりたい!って思います。(同時に女の子で良かったとも思う)しょーもない争いなのに命を落としてしまうくらいに没頭してしまうのが、青い春なんだろうか。ちょっとした喧嘩が巨大な悪魔になる様が描かれているのだけど、その正体がなんなのか、まだ分かりません。誰か知ってる?

ちなみにベランダゲームはやっても2階までにしましょう。普通に落ちるらしいです。(父談)


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https://filmarks.com/movies/2503


ホーホケキョ となりの山田くん(1999)

監督 高畑勲
104分
日本


あらすじ

たかし・まつ子の結婚から、のぼる・のの子の誕生と成長、山田家とそれを取り巻く人々の日常茶飯事やよしなしごとが、折々に松尾芭蕉や与謝蕪村、種田山頭火の俳句を挟んで歳時記としつつ、暖かく緩やかに描かれる。

レビュー

小さい頃から何度も何度も、今に至るまで観ている作品。

笑えるし、なんかあったかいし、セリフも良いし、わかるー!みたいなんもありつつ、普通にホロっとくるところもあって、めっちゃ面白い、ただただ面白い作品。理由などない。

アニメですんで、子どものころから大好きだったんですが、大人になってみると、全然違うところに目がいったりして、その変化も楽しめます
ちっちゃい頃は、子ども達の目線で観てたのが、大人になるにつれて、あ母ちゃんお父ちゃんおばあちゃん先生、とか、そっちに感情移入して観れるんです。

ということはこの作品、全世代の感情をちゃんと表せているということになります。(前提として原作がそうなんだろうけど、私は未読。)

なんにも考えずに観てたのですが、去年高畑勲展に行った時に色々知りました。

前作「平成狸合戦ぽんぽこ」とは随分と画風が変わります。それはもう、今まで描き込みすぎて、「描き込みまくって細かい表現をする」っていうのの限界いったなー、観る人ももういいやってなってるだろうなーってなったから、次は新しいことに挑戦すんぞってなもんで、「描き込まないで細かい表現をする」を極めようとしたみたいです。
(うろ覚えですが多分そのようなことが書いてありました。違ったらごめんなさい…。おい)
観る側は全く飽きてないというより追いついてない。
高畑勲は常に新しいことに無茶してでも挑んでいるイメージ…。研究者、学者、という感じ…ずっと悩んで学んでる…。時代の先端行き過ぎて誰も理解できない的な天才。

「となりの山田くん」があって、「かぐや姫の物語」があったのです。

表現力の鬼。


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https://filmarks.com/movies/21944


20センチュリー・ウーマン(2016)

監督 マイク・ミルズ
119分
アメリカ

あらすじ

舞台は1979年のサンタバーバラ郊外。アネット・ベニング演じるドロシアは、下宿屋を営むシングルマザーだ。ドロシアの下宿には、スケボー好きでますます母親の手に負えなくなる息子のジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)、さまよえるブルーカラーの男・ウィリアム(ビリー・クラダップ)、子宮頸がんであることがわかったばかりのパンク好きの写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)が住んでいる。そして、ドロシアがジェイミーと心を通わすことができないと気づいたとき、彼女はアビーと、近所に住む早くも人生に疲れたティーンエイジャーのジュリー(エル・ファニング)を選び、息子の思春期を支えてくれるように頼む。

レビュー

全部のセリフがさーいこー!なので、書き出して人生のバイブルにしたい。というかしてます。

監督の半自伝的作品でもあるこの作品。
モデルになってるのが、母親と2人のお姉さんだそうです。ジュリーみたいな女の子もいたそう。

ほんとうにこの様な男性(フェミニズムについて触れている、考えているだけでも)はとても貴重。絶滅危惧種
超男子(いわゆるマッチョな思想、男はこうあるべきとか女はこうあるべきとか、そういうザ男、みたいなという意味で超を付けてます)の諸君にこの映画を是非とも観て欲しいと思うのは、そういう女の子のキモチが、男子目線で、優しく、描かれているからなのです。

ある意味で、男女逆転な映画なんです。
「大奥」みたいな意味じゃなくて。
よくある映画だと、主人公ジェレミーは女の子で描かれるし、ジュリーは憧れの男の子で描かれるでしょう。下宿メンバーで言うと、ウィリアムは女性、紅一点で描かれた方が見慣れた映画だと自然です。

「そうじゃない」ウェーブが最高です。
こういう映画が増えて欲しいです。

物語自体は特に何も起こらず、最後までさっぱり終わります。一見地味なお話です。

それは、車が炎上するところから始まって、ぶっ壊れた家や、踊り狂ったり、ちょっとショッキングな言葉が出てきても、カメラはどんどん引いていくし、モノローグはいつも他人事で、この作品はいつまでも寂しいからなのです。

主人公の少年が素晴らしい大人に成長して恋を叶えて結婚して子どもができて幸せになりました!っていう安心材料は1度もくれないまま、この物語は終わってしまいます。

私たちの人生みたいです。

この作品を観ると、いつも私は母を思い出します。


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https://filmarks.com/movies/64092


恋愛睡眠のすすめ(2005)

監督 ミシェル・ゴンドリー
105分
フランス

あらすじ

父の死をきっかけに母の住むフランスへやってきたステファン。マンションの隣の部屋に住むステファニーのことが気になるが、なかなか一歩が踏み出せない。仕事もうまくいかず、自分だけの夢の世界に逃げ込む日々。そして、夢と現実の境目が混乱し始めたある日、彼は夢うつつの状態でステファニーの部屋へラブレターを届けてしまう。彼の運命やいかに...

レビュー

でました。問題作。
私の問題作。この作品はほんとうに私。
(どうでもいい)
そう思ってしまって、バイブルにしたが最後、恋は叶わない!!!!!!!

こんな映画!!!!
皆を悩ませて恋の邪魔をする映画です!!!!!観ない方がいい!!!!!

なんて戯言で。
最高なのが悔しい作品なのです…。

まず妄想や夢を作るのがミシェル・ゴンドリーは上手すぎる。
そしてよれんよれんのほにゃほにゃ男子を描く天才です!こんなやつは本当にいたらキモいんだろうけどいます。私もそうです。

夢と現の境が分からなくなるシーンも素晴らしい。
そして間違えたぁ!って逆ギレするのも素晴らしい。

夢の中のかわいいシーンが多くて騙されてる間に終わっちゃうので、先送りにしてた悲しいのが後から後から追い上げてきます。

この映画自体、恋そのものの様です。

ロマンチックな映画です。


filmarks
https://filmarks.com/movies/34178


ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014)

監督 ステュアート・マードック
111分
イギリス

あらすじ

スコットランドのグラスゴーのとある街。 少女イヴ(エミリー・ブラウニング)は拒食症の治療のため入院していた。ある日、イヴは病院を抜け出しライヴハウスへ行く。そこでイヴはジェームズ(オリー・アレクサンダー)に出会う。さらにジェームズが音楽を教えているキャシー(ハンナ・マリー)を紹介してもらい、3人は一緒に音楽を作り出す。

レビュー

最高の映画。
だーいすき。
カリスマガールが上手く描かれていて、みーんな素敵で可愛くて、音楽がなったら口ずさんで踊り出したくなっちゃう!

それもそのはず、監督はBelle And Sebastianのボーカル
バンドマンが作った映画なのである!!
ジェームズ役のオリー・アレクサンダーはバンドYears&Yearsのボーカルでもあります。

女子版バンドやろうぜ映画
主人公イヴの自由奔放な様や才能に憧れます。物語の締めくくりも良いんです。

「映画やドラマだったら、あなた達もう付き合ってるはずなのに!」ってセリフと

憧れだった恋人に、とある理由でベットから出ながら「ファック、ユー!!」
っていう所が大好きです。

その理由憧れの人にちゃんとブチギレるっていうのが素敵なのです!

恋とファッションとミュージックとダンスと旅立ち。

これを観ると、もっと自由でもいいんだ!って背中を押されます。


filmarks
https://filmarks.com/movies/59099


次の更新は来週の月曜に!!!
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