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【オススメゆに映画まとめ】#11 パンチライン!すごいセリフ特集 5選【あらすじ・レビュー】

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オススメ映画5作品のまとめ
基本情報・あらすじ・レビュー


『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)

【自滅的なロマンチストのろくでなし】

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監督 ジム・ジャームッシュ
123分
アメリカ・イギリス・ドイツ

あらすじ

吸血鬼でありながら、どんな弦楽器でも弾くことができるミュージシャンとして活動中のアダム(トム・ヒドルストン)。アンダーグラウンドな音楽シーンに身を置いて人間たちと共存しているが、何かと自己破壊的な言動を取る彼らに対して複雑な思いを抱いていた。そんな中、何世紀も恋人として愛し合ってきた同じ吸血鬼のイヴ(ティルダ・スウィントン)が、アダムが暮らすデトロイトへとやって来る。久々の再会を楽しもうとする二人だが、イヴの妹エヴァ(ミア・ワシコウスカ)が現われる。

レビュー

このセリフ、初めて聞いた(というか字幕なんで見た、になるんですけど)時びりびりっときました。

しっくりきた好きなフレーズです。

何世紀もの時の流れの中のほんの一部分を描いているので、
生き急がない優雅な彼らの「普段の時間感覚」と、会話の中で何世紀も前の名前や出来事が出てくることによって私たちが感じる「光速の時間感覚」
という脳内(人によっては身体にまで感覚が届く)タイムトラベルが楽しめる作品だなと。

人間にはうんざりだ、とする、遊牧に法外に生きる得体の知れないエイリアン的存在。

社会不適合者なんです〜っていうのは、まさにそういう「エイリアン的な存在」
弱く劣る(って表現してるけども、普通の人ってことかな)部分のある存在が、皆均一で統制の取れた生きるのに安全な場所を確保していくのが社会。
それはヴァンパイアやエイリアンにとっては生き辛いんですね。
そこに合わせるのは大変な努力がいるし、そもそもそんなところにいなくたって生きていけるんです。

でもヴァンパイアのアダムとイヴは人間社会になんとか溶け込んで生きている。慢性的に足りない高貴な血液は頂戴しなくちゃならない。

ここで面白いのはイヴの妹のエヴァは割と人間社会で楽しくやっちゃってる、適合してるってところ。「お前らマジでクソつまんねーカップル!!」みたいな捨て台詞吐いてた気がします笑。彼女は普通のギャルっぽい。ふむー、だからこそ、溶け込めるのかも知れません。
(余談だけど、私ミア・ワシコウスカもめっちゃ好き!)

まぁ、そんな生活に疲れ果ててやってらんねぇ!っていじけちゃう天才カリスマ・アダム(自滅的なロマンチストのろくでなし)には彼のことをちゃんと分かってる年上の恋人イヴがいるわけですね。

2人は助け合って、これからも時々人知れず人間をぶち殺してなんとか生きていくのでしょう。

人間にも、ヴァンパイアにも、社会不適合者にも、やはり共通するのは愛なんですね。愛を見つけなくちゃいけません。


filmarks
https://filmarks.com/movies/55350


『500ページの夢の束』(2017)

【ママは死んだ、だからもう何も望んでない】

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監督 ベン・リューイン
93分
アメリカ

あらすじ

『スター・トレック』が大好きで、その知識では誰にも負けないウェンディの趣味は、自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くこと。自閉症を抱える彼女は、ワケあって唯一の肉親である姉と離れて暮らしている。ある日、『スター・トレック』脚本コンテストが開催されることを知った彼女は、渾身の作を書き上げるが、もう郵送では締切に間に合わないと気付き、愛犬ピートと一緒にハリウッドまで数百キロの旅に出ることを決意する。500ページの脚本と、胸に秘めた“ある願い”を携えて―

レビュー

泣いたよね。
私にも妹がいるんですけど、私はもう、妹が頑張る物語全部泣いちゃう。お姉ちゃんとの絆みたいなのでてきたら、もうどんなにゴミな物語でもその箇所だけは泣いちゃう。泣いちゃう。

はんっ泣 ってなる。

この映画はとっても素敵な映画でした。

このセリフ、
ずっと気になってたことがある、亡き母は何を望んだんだろう、と姉がうち明けたことに、自閉症を抱える妹が答えたシーンなんですが。

私がとてもこのセリフに感動したのは、これこそが「死」を受け入れるってことだ!と思ったからです。

これは突き放した言葉でもなんでもなくて、生きていた頃の母とちゃんとコミュニケーションをとってて、母がどんな風に自分たちを思っていたのか、どんな風に死を迎えたか、分かち合ってたって事実として自覚してるってことですよね。

それは本当に難しいことだと思います。
私も同じ境遇だったら、お姉さんと同じ風に思うと思います。
私と妹を立派に育ててくれたお母さんは今この状況を見てなんと思うだろう、私は上手くやれてるのだろうか、母がここまでせっかく持ち上げてくれたバトンを私はちゃんと繋げられているんだろうか、母は何を望んでいたのだろうか。

この妹の言葉は、その果てのない悩み全てを包み込む、優しい言葉だと思いました。

ちっこい犬(ピート)が出てくるんですが、犬そんな好きじゃない私でも愛しすぎる!ってなったくらい最高なわんころだったので、わんちゃん好きの方にもうってつけの映画だと思います。


filmarks
https://filmarks.com/movies/62510


『青い車』(2004)

【ねぇ、セックスしようよ】

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監督 奥原浩志
90分
日本

あらすじ

リチオは子どもの時に大きな事故に遭い九死に一生を得た。目もとにはその時に出来た傷が今も残っていた。その傷を隠すためいつもサングラスをしているリチオ。中古レコード店で働きながらも、言いようのない苛立ちや孤独感を抱え、周囲に心を閉ざして生きていた。恋人アケミでさえ、そんなリチオに対して埋めようのない溝を感じ始めていた。ある日、リチオは街で偶然アケミの妹このみと出会う。大学受験を控えて漠然とした焦りや不安を抱えるこのみ。彼女はまるで自分に興味を示さないリチオを食事に誘い、そのまま彼のアパートまで足を運ぶのだった。

レビュー

ぜんっぜん内容覚えてないんですけど、このセリフだけ覚えてます。

当時18才だった宮崎あおいですけれども、今の宮崎あおいよりもこの頃の方が遥かに計り知れない色気、危ない、触れてはいけない、ロリータ感があります。

それを最大に表してしまったこのセリフ。

内容はそんなに覚えてないです。
麻生久美子は本当にどこにいてもいつでも最高なんだな…と思ったことは鮮明な記憶です。


filmarks
https://filmarks.com/movies/13872


『女の園』(1954)

【ロマンチック性神経衰弱だ!】

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監督 木下恵介
137分
日本

あらすじ

良妻賢母型女子育成を教育の理想とする京都の全寮制の名門女子大学。そこでは徹底した束縛によって学生の生活に対する干渉が行われていた。恋人との自由な文通さえも許されず、また男友だちとの交際も禁じられ、これに反すると停学処分に。その一方では学校の有力な後援者の子女は特別扱い。その理不尽さに女子学生たちはついに自由を求めて立ち上がる。

レビュー

50年代だと思えないほど、この女学生達とその環境に共感したことを覚えています。

話し方も聞き慣れないし、白黒だって言うのに、親近感と頼もしさと、あるある〜!の塊の映画でした。

門限に遅れて寮にバレないように帰ってくるのを手助けしたりするハラハラドキドキのシーン、セリフのキレ・センスの良さ(思わずくぅー!って言っちゃう)、大勢の女学生がドッ!と動くド派手なシーン、やな奴の顔、不条理、恋愛、全部が詰まった、女学生大青春映画

パニックになっている彼女に彼氏が言うこの、「君はロマンチック性神経衰弱なんだ!」というセリフに1番度肝を抜かれました。
語呂と語感の良さスゴすぎる


他にもいいセリフだらけ。
もう一度見直したいです。
50年代から根本は何ら変わってないから恐ろしい。

「男とか女とかで物事を判断せずに人間として
どうあるべきかを考えないのかしら?」
「女の先生は男性恐怖症、男の先生は結婚恐怖症、精神病院よここは!」


filmarks
https://filmarks.com/movies/28658


『ゼロの未来』(2013)

【遠隔的タントラインターフェイスが
得意なの】

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監督 テリー・ギリアム
107分
アメリカ・ルーマニア

あらすじ

近未来世界。世間になじめない天才コンピューター技師コーエン(ヴァルツ)は、謎の定理を解明する義務を任される。 荒廃した教会に一人で住み、定理の解明と人生の目的を知る為、ある電話を待ち続ける。 ある日、パーティーに連れ出されたコーエンはそこで魅力的な女性ベインスリー(ティエリー)と出会う。 強引なベインスリーに最初は迷惑するコーエンだったが、次第に彼女に惹かれていく。 また同じ頃、会社の社長の息子でコーエンと同じくコンピューターの天才であるボブとも交流が始まる。 閉ざされた世界で恋を知ったコーエンは生きる意味を知るが・・・。

レビュー

ひー!なんだその得意技ー!?

専用のVRスーツを着てる人に、ネットを通じて、遠隔で性的な快楽を与えるのが得意ってことらしいです。

爆笑したセリフです。

いやまぁ身動きが取れないとかね、会えない(まさに今!)とかね、色々な理由があったらとても良い機能なのかもしれないですけれども。それはまぁ分かってるけど。笑

切ねぇ!!!

結局触れ合えないってなんか切ないんですよね。

いつか触れ合うための、カバー機能のようなものは全部切なくて寂しくて悲しい。
AIとか、ヒューマノイドとか。

そんなつもりはなくても、いつか意思疎通が自由にできるようになるのでは。いつか恋愛ができるようになるのでは。いつか、いつか…。

いつか、っていうのはロマンなんですけど、だからこそ同時に切ないのです。

切なさと爆笑を繰り返す映画。

アホみたいなコンピューターでアホみたいな機能に囲まれてアホみたいな世界で真実を探す。

でも大切なのは「世界の真実」を知ることじゃなくて、「私の真実」を見つけ出すこと。


filmarks
https://filmarks.com/movies/57476


いやはや、少しずつ仕事も再開しててちょっと遅れて更新してしまいました。

良きことではある!

でもこういう更新は続けていきたいなと思うので、自分のできる範囲を見つけていきたいと思います。

これからもよろしくお願いします。

読んでて楽しい場所にしたいです。


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