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【オススメゆに映画まとめ】#1 過去のない男/ダウンタウン物語/マイ・プライベート・アイダホ/ベニスに死す/転校生/ビッグ・リボウスキ【あらすじ・レビュー】

第一週目まとめ

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オススメ映画6作品のまとめ
基本情報・あらすじ・レビュー


「過去のない男」(2002)

監督 アキ・カウリスマキ
97分
フィンランド


2002年カンヌ国際映画祭グランプリ
2002年カンヌ国際映画祭主演女優賞
🐕パルム・ドッグ賞


あらすじ

ヘルシンキにやってきた男が暴漢に襲われ、記憶喪失に陥ってしまう。彼は港湾のコンテナで生活をはじめ、食事や服の面倒をみてくれる救世軍の女性に恋をするが、銀行強盗に巻き込まれたことから、身元が発覚し…。

レビュー

初カウリスマキに◎
私の初カウリスマキも今作です。
前情報も何も無く観ても楽しめます!

世間や社会に張った心のバリアやしがらみに疲れた方、とにかく笑いたい方

というのも、カウリスマキおじちゃん自身がそういう方みたいなのです。
彼自身、貧困層、労働者、友人たち、日々の生活、そのユーモア、酒とタバコとバカンス、そして映画、それらを常々考え、愛している男だからなのです。(ゆに調べ笑)

金も地位も権力も関係のない、
いつも平等な視点をもつ男が描く映画…!

そんなもの最高に決まってる!し、
優しくなれるに決まってるのです!
人にやさしいってどういうことなのか、
いつも彼の作品が教えてくれます。

意地悪な私はこういう人や作品に本当に憧れます。

今作もまず、主人公がボッコボコにされたあげく金まで奪われ、瀕死状態から始まります。
ここの暴力、容赦ないです。
目を覆いたくなる。
カウリスマキの暴力のシーンはすごく怖いんです。

え、死んだ??死んだ??

めっちゃ怖くて不条理な映画始まった!
観なきゃ良かった…
とピキピキの緊張状態に入った…
とその瞬間から
怒涛のユーモア、急激な緩和!
私たちはそれで、
この映画、もしかして、笑って観てもいいの
ってあとは身を委ねられるのです。
そしたら素直に笑えて、キュンとできて、ちょっと切なくもなれるのです。

包帯はぐるぐる巻きで、金も、記憶まで無くし、いい歳になって全てがゼロの、名前を失った男(過去のない男)が、環境が良いとは嘘でも言えない様な場所から、それでもスタートをする。恋とかする。羨ましくなるほどの生活に変わっていきます。

セリフも、所作も、粋な生き方のお手本だらけ。
好きな子へのキスを成功させる方法あり〼

また、音楽を世界一カッコよく撮る監督でもあります。


▷filmarks
https://filmarks.com/movies/33484


「ダウンタウン物語」(1976)

監督 アラン・パーカー
93分
イギリス


あらすじ

禁酒法時代、書店のバックヤードで闇酒場を経営しているイタリア系の太っちょサムの一派は、敵対するダンディー・ダンの一味としのぎを削っていたが、ダンたちは新型武器「漆喰銃」を入手して優勢に立ちつつある。手元にある武器は旧式のパイ(フィリングにクリームがたっぷり)、それに頼りない子分ばかりで頭を悩ませるサムは、知り合いの文無しボクシング・プロモーターのバグジー・マローンを雇って敵を迎え撃つ算段を進め、その合間に酒場の歌姫・タルーラ(ジョディ・フォスター)や、歌手やダンサーを夢見て闇酒場で働く男女の人間模様も描く。

レビュー

奇跡の天才子役ジョディ・フォスター14歳出演。(タクシードライバー撮影直後らしいです。)

かわいい。

ものすごく可愛い。

かわいいのに綺麗。
触れちゃいけない感じは天使すら思わせます!
丸い手先やぽっこりお腹の体つきは子どもなれど、
落ち着いた所作、身のこなし、目線や目つきなど、もう確実にカリスマ歌姫!!!

14歳に大人の女を学ぶ映画…。

出演役者は全員子ども!
本当に1人も大人が出てきません。
子どもの自由な目線や、動きなどもカットの中で自然に捉えていて、完璧な大人の映画とは一線を画しています

オールドファッション、小道具、美術、ロケーションまでも、映るもの全てに一貫性があり、ぬかり無し。世界観完璧。

拳銃や武器なんかは、素手でパイ投げか、弾がパイになってる銃!パイに当たると死ぬんです。かわいい。
死体とかも、血の海の代わりに、真っ白のパイまみれ。かわいい。

そして驚くのが車!
見た目はバッチリかっこいいあの時代の車ですが、自転車みたいにして漕ぐ仕様になっています。
関西サイクルスポーツセンターにあったようなやつや……。
(誰が分かんねん)

舞台もストーリーも二転三転して超楽しい!
ミュージカルシーンも素晴らしい。
(歌だけ大人の吹き替えらしいです)

ワクワクとキュートの応酬。
夢詰まりまくり。
唯一無二の不思議な感覚を味わえます。
大人も子どもも楽しめる作品!
ちびっ子は絶対好きだと思います。
私は小さい頃、母がDVDを買ってくれて、
妹と一緒に観て、心を鷲掴みにされたのを覚えています。

ラストの乱闘シーンはワクワクの最高潮まで連れて行ってくれます!
パイ投げパーティしたいー!

サントラ欲しくなるに違いない!


▷filmarks
https://filmarks.com/movies/31495


「マイ・プライベート・アイダホ」(1991)

監督 ガス・ヴァン・サント
105分
アメリカ


1991 ヴェネチア国際映画祭 最優秀男優賞
1992年 インディペンデント・スピリット賞 脚本賞


あらすじ

ポートランドで男娼をして暮らす青年、マイク(リバー・フェニックス)とスコット(キアヌ・リーブス)。孤児として育ったマイク、ポートランド市長の息子であるスコット、生い立ちは対照的な2人だが、マイクはスコットに想いを寄せていた。やがて2人は、マイクを子どもの時に捨てた母親を捜す旅に出る。

レビュー

人の視聴覚や夢想を美しくも正しく映像化。

脳内を覗いたようなコラージュ映像が無駄がなく、正しくて唸ってしまいます。

冒頭
絶望的に続くだだっ広く続く道、
そこで発作を起こし、
眠ってしまうナルコプレシーのマイク。

こりゃ絶望のお話が始まる…。

全体的に、関係性はごちゃ混ぜ。
それはもう悲しい関係で、繋がり方は正しくなく、報われないものですが、あまりハッキリとは明言していません。

それに会話のシーンでも、全く関係ない席の別の会話のカットが入ってきたり、カメラアングルが視点っぽくなって関係ない場所を捉えたりします。

あの人が誰と付き合ってるのか、
あの子がどうして悪いことをしているのか、
自分がどこで生まれたのか、
ホントの所、詳しいことは知らない。
大切な話をしてるのに隣の席の女子高生の会話がなんだか聞こえてきてしまう、
それが人ですし、普段の生活。

ホントのことなんて、誰も知らない。
って言われてるようです。

主演2人のキャラ造形が痺れます!

警察が捜査に来た時のキアヌがリバーを触るタイミング
ボブに遠くから話す時の手の動き
ハンスに声をかける時に肩を叩かずに背筋をなぞる
父親を見る時とは言い難いおかしい視線
ラストのボブと話す時の動き
リバーの傷ついた時の表情と顔の動き
テーブルに脚を置いたり
ウソではしゃいでる時と本当にはしゃいでる時の違い

そして何より焚き火のシーンと葬式のシーン

葬式シーンの、
リバーが花を持っている時の、
視点っぽくぐるん!と回るカメラワークは本当に最高です。
イスをぶん投げるらんちき騒ぎ、
やってみたいです。

焚き火のシーンのセリフはリバーが考えたそうです。

好きですの伝え方の正解ここにあり。
「君と話がしたい。本当に。今も話しているけど、そういうことじゃなくて---」
そして好きですって伝えられた時の正解ここにあり。

人生計画のうちの通り道として男娼を選んだスコット
好きな人も進路も選択肢は与えられず一本道を歩くしか無いマイク

の交差した時間が、映画になっただけ。
その寂しさ。

男子の絶頂を、空から家落っこちてきてぶっ壊れるって表したシーンは爆笑しました。
そうなの?


▷filmarks
https://filmarks.com/movies/31538


「ベニスに死す」(1971)

監督 ルキノ・ヴィスコンティ
131分
イタリア/フランス


あらすじ

1911年。ドイツの名だたる作曲家アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、休暇で水の都ベニスを訪れる。ホテルのサロンには世界各国からの観光客が集まっていたが、アシェンバッハはそこで母親(シルヴァーナ・マンガーノ)の隣に座る少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に目を奪われた。透き通るような美貌としなやかな肢体、まるでギリシャの彫像を思わせる少年の姿に心は震え、その時からアシェンバッハはタジオの虜となった。

レビュー

原作の「まるでギリシャの彫像を思わせる美少年」を監督が探し求めてやっとこさ見つけ出したのが、
存在が事件、ビョルン・アンドレセンだったらしいです。

中学生の時祖母に、
「あなたこれは観ておきなさい」と言われ、えーむずそーつまんなそーって思いながら観て、ビョルンが出てきた瞬間本当に、作中のアッシェンバッハのように虜になって、画面から目が離せなくなった、なんて体験はこの映画以来ありません。
1回目は綺麗なものにビックリし過ぎてストーリーを追えず、2回連続で観ました。
その後も何度も観続けました。

という訳でアホな中坊でも観れます!!!

ビョルン・アンドレセンが美しすぎるというのも全くそうなのですが、虜にされている人の視界のように映る映像が麻薬の様な効果を生むというのもあります…。くぅ…。

美しいものに虜になって目で追いかける、
目が合うか合わないかの瞬間、
キラキラの海…、しずくと、ピアノ、はしゃぐ笑顔、微笑み、美しい音楽、ベニスにバカンス…

なんかこういうのって、学生の時の気になるあの子を見つめてる時と同じなんですよね。比べものにならないかも知れませんが、虜になることに、上も下もないのです。
だからみんな経験したことがあるはずなのです。

アッシェンバッハが辿る運命は宿命だったのです。

この映画にも伝染病の描写があります。
自分の観ているかりそめの美しい景色と、
実際に漂う美しいはずの醜い街、
そのコントラストが、更に儚い美少年を美しめたらしめるのでしょう…。


▷filmarks
https://filmarks.com/movies/22974


「転校生」(1982)

監督 大林宣彦
112分
日本


あらすじ

広島の尾道に住む斉藤一夫のクラスに、幼なじみだった、斉藤一美が転校してくる。久しぶりに幼馴染の一夫と再会した一美は大喜びでまとわりつきますが、一夫は恥をかかされ鬱陶しく思います。その帰り道、神社の境内にいた一夫は、階段の上にいた一美めがけて空き缶を蹴飛ばします。驚いた一美は、階段から落ちそうに。一夫は助けようと抱きつくが、2人はそのまま階段をころげ落ちます。やがて、2人は身体が入れ替っていることに気づきます。混乱しつつも、2人はそれぞれの生活をすることにします…。

レビュー

入れ替わった後の、小林聡美さんの胸を見るシーンは本当にすごい…。
大林監督の尾道の坂とか段差とか地形使った尾美としのりさんの、え!今のパルクールやん!!みたいなシーンが私は大好きです。

最初はどうでもよかった一美の体に入ってしまった一夫。
ただの幼馴染だと思っていた一夫ちゃんの体に入ってしまった一美。

お互いがお互いを支え合わなきゃいけなくて、でもその方法は、分厚い本も大人も教えてくれない。2人は秘密を共有して、お互いのプラスもマイナスも知って、教え合わなきゃいけない。
それって、それって、なんか!
恋人同士のようです

そういう誰かを好きになるというか、人を大切に思う過程のような、流れのようなものが自然に描かれています

人の心が移ろいゆく様を、その真実みたいなことが描かれていて、ものすごいネタバレだからなんにも言えないのですが、ラストシーン、大好きです

大林宣彦作品の好きなところは「ロマンチック」を、時々変な冗談を交えながら、映像にもセリフにも何にでも変えてみせてくれる、ファニーでチャーミングなところです。HOUSEや金田一耕助〜もパニック大暴走で大好きです。カタカナの使い方大好きなんだよな〜。

「サヨナラ、オレ!」「サヨナラ、アタシ!」

サヨナラ、です🤟🏻敬


▷filmarks
https://filmarks.com/movies/18656


「ビッグ・リボウスキ」(1998)

監督 ジョエル・コーエン
117分
アメリカ


あらすじ

無職で気ままに暮らす“デュード”こと、ジェフ・リボウスキ。彼の家に突然、2人のチンピラがやって来る。女房の借金を返せと怒鳴るチンピラに、全く身に覚えがなく呆然とするリボウスキ。その後彼は、同姓同名の大金持ちと間違えられたと気づくが・・・。


レビュー

こんなにアホな映画ありません。
メーンとファックとシットとボーリングとベトナム戦争とホワイトロシアンばっかり出てきます。
めちゃくちゃアホなのにストーリー構成ちゃんとしてて、起こった事件はちゃんと解決…(解決?あれは解決なのか?いや、解決だ)解決してます。
とっちらかって誰が誰を狙ってて誰の何の為の行動だこれは!!一体何が起こってるんだ!!って狂いそうなくらいストーリーに事件を起こしまくって、でも知らない内にそれが終わってるみたいなのはコーエン兄弟の得意技というか、味ですよね。

センス、笑いのセンス。
言葉のセレクト。
タイミング、全てが完璧過ぎて怖い。

私は落ち込んでた時、妹にこのDVDを渡されて、全回復したことがあります。

情けなくて下らなくてだらしなくて金も無くてどうしようもないけど、なんだか優しい男デュードのお話です。

この映画に関しては、めっちゃおもろい以外に言うことがないです。どうしよう。

この映画が好きな人とはみーんな仲良くなれる気がします!リボウスキ・フェスティバル行ってみたい。


▷filmarks
https://filmarks.com/movies/1236


ここまで読んでくれた方…
長々とありがとうございます。
これからも地道に頑張ります!
色んな人が読んでくれたらうれしいなぁ
長いから次はもう少し短めになるように頑張ろう。


秋乃ゆにのnoteがいいなと思ったら、良ければお願いします。投げ銭の様なものです。うれしいです。読んでくれてありがとうございます。