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【オススメゆに映画まとめ】#10 ありがとう!2 特集【あらすじ・レビュー】

✐第10週目まとめ
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オススメ映画5作品のまとめ
基本情報・あらすじ・レビュー


『T2 トレインスポッティング』(2017)

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監督 ダニー・ボイル
117分
イギリス

あらすじ

スコットランド、エディンバラ。大金を持ち逃げし 20 年ぶりにオランダからこの地に 舞い戻ってきたマーク・レントン(ユアン・マクレガー)。表向きはパブを経営しながら、 売春、ゆすりを稼業とするシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)。家族に愛想を尽か され、孤独に絶望しているスパッド(ユエン・ブレムナー)。刑務所に服役中のベグビー (ロバート・カーライル)。想像通り?モノ分かりの良い大人になれずに荒んだ人生を疾 走する彼らの再会、そして彼らが選ぶ未来とはー。

レビュー

T2 Trainspotting
?T2?もう、タイトルからして正解すぎる。

ちゃんと続編として、観たい最高シーンもちゃんとオマージュしてくれてニヤニヤニヤニヤニヤニヤしちゃう
どうしようもないクソな人生おくってる何も選ばなかった若者達のストーリーから、クソな人生おくってる何かを選んだ20年後の終わってるおっさん達の話。

疾走感とトリップ感のあった前作とはうって変わって、2では哀愁とわずかに見える現実的な希望というロマン!
気持ちよくなるトリップ感は健在

私は何度も劇場で立ち上がってガッツポーズしたくなりました。
な、なんだこのおっさん達のどうしようもないお話はーーあああ。

ダニーボイルって人はなんとまぁ視点が全部かっこいい。
貧困で犯罪でどうしようもない頭のやつらのスピード感と危険さを見せてくる。こっちは追いかけるのに必死になる。

最高なのはやっぱりchoose lifeのモノローグ。

さてベロニカは何を選んだか。

そして

Lust for Life/イギーポップ
Born Slippy/Underworld

この2曲をあいつらで聴きたいんだという欲望を恐ろしい程に満たしてくれる。

この作品で酔いしれてるうちに、私たちも選ぶことを放棄して、あるいは権力者が勧める気持ちのいいものばかりを選んで、自分が中毒者であることすら認めずに、「スコットランドで1番汚いトイレ」でクソみたいな人生おくることになります。

choose your future
choose life


filmarks
https://filmarks.com/movies/67233


『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)

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監督 押井守
98分
日本

あらすじ

漫画家・高橋留美子原作のアニメの劇場版第2弾。友引高校の文化祭の前日がなぜか毎日繰り返される。最初は誰もわからなかったがそれに気づいた途端、友引町のほとんどの人々は消えてしまい……。その謎を解いていく姿を描く。

レビュー

とりあえず動く!動く!!動く!!!!!
感動的なほどに画の中がずっと動き回っている。
この時点で楽しいでしかない。

訳の分からん友引高校の奥行き、広さ、いる生徒はほとんど人間なわけない生物達。壊れすぎるし直りすぎる。ラムちゃんは3数えたらマジで即全力攻撃するし、容赦ない。

そして友引高校ってなんなんだ、高橋留美子。

文化祭前夜の駆けずり回る感じ、どっかの締切間際の漫画家の部屋(見たことないけど皆知ってるあの感じ)のようなハチャメチャ感。
こんな風に学校全体が学校に参加してたら楽しいだろうなぁ!と思うわけです。

全てのデフォルメがずっとアニメにしかできないことをやってて、この作品自体がもう夢感がすごい

そしてなぜか終始不気味で暗いのなんのって。

ぎゃーすかシーンとのコントラストの様でいて割とずっと夜だし暗め。

不気味な感じがずっと最後まで這いつくばってる感じはこれ子ども向けアニメじゃないだろと思うよね。
ちょっと怖いし、ちょっとエッチ。

もし、浦島太郎が村人全員と竜宮城へ行って帰ってきたとして、それでも皆時が何年も経ったってことに気付くんですかね?それって経ったことになるんですかね?
人自体不安定なものなのに、人が決めた時間なんてさらに不安定なものだ。きっちりしてたらそれこそ異常。
時間なんてもんは人が社会的な暮らしをするための概念。だからそんなもんは始めから無いんじゃないか?

という「夢と現実と時間と記憶」の考えないようにしてたことをグサグサ突き刺してくるんですが、これ考えだしたら宇宙にいくので怖くてやめちゃうんですよね。

でも「インセプション」とか、夢映画ってめっちゃおもしろいよねぇ。気になっちゃってやめられないんだ結局。

あとうる星やつらって爆笑できるのすごいうれしい。
昔母親とアニメの方観てた時、ラムちゃんがあたるを突然ぶん殴ったシーンで、母親が飲んでたコーヒー吹いたことあります。爆笑しました。


とりあえず最高のセリフ達を置いておきます。

「オレはな、ほかの娘と同じように、ラムにもキッチリホレとる。ただアイツは、オレがほかの娘とおつきあいしようとすると邪魔するので結果的に逃げ回ってるわけだ。わかったか。わかったらラムを出せ! ラムぬきのハーレムなど不完全な夢、肉抜きの牛丼じゃ! そんなモンぶちコワしてオレは現実へ帰るぞ!」
「お兄ちゃんはね、好きな人を好きでいるために、その人から自由でいたいのさ。わかんねぇだろうな。お嬢ちゃんも女だもんな。」
「責任とってね」


終わり方もすごいよね。
最後にゾッとさせるなよ!という。


filmarks
https://filmarks.com/movies/28995


『ビフォア・サンセット』(2004)

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監督 リチャード・リンクレイター
81分
アメリカ

あらすじ

『恋人までの距離<ディスタンス>』から9年後の、恋人たちの“今”。忘れられない人と再会したら、あなたはどうしますか?恋人との再会、夕暮れまでの85分、私たちが交わした1000の言葉と、ただひとつの知りたいこと。9年前の恋の結末。忘れられない人がいる、すべての人のための85分。

レビュー

ありがとう!!!
恋愛偏差値の低い私はこの作品をバイブルにしていました!
出会いから、全てを描いてくれてるこの三部作のおかげで、素晴らしいセリフやシチュエーション、自信と愛を教えてもらいました。

切なくも希望に満ちたお別れをした2人が9年後に奇跡の再会を果たして、今度は日が昇るまで(ビフォア・サンライズ)ではなく、日が暮れるまで(ビフォア・サンセット)、が残された時間。

それまでに2人はこの9年間をどう埋めるかというお話。
自分がどんな風に成長したか、何を信じていて、何を嫌っているか、まだ好きな気持ちがあるのか…。

この作品はほとんどが2人の会話劇。
歩きながら、お互いのことを情緒いっぱいに本心で語り合います。

この「本心で語り合う」ことの難しさよ。
私は何度もこの作品を観て、何度も試みてきました。それは恋愛じゃなかったとしても。

上手くいくこともありますが、ほとんどが失敗に終わりました。
自分とこの作品の2人と、何が違うんだろうか。

最近は分かってきた気がします。

「共通のコモンセンス・前提」
「事実の共有」

です。

2人はすれ違っても、
反対意見だったとしても、

「お互いの世界の範囲・枠組み」「言葉選びや仕草」に理解があって、もしくは理解しようと擦り合わせていて(共通のコモンセンス・前提)、自分の立場とは別に、問題の事実を理解し合った(事実の共有)上で議論しているんです。

だから片方が怒ったり、少し突飛な表現をしても、反対意見で対立したりしても、話をすることを止めないし、その方向はいつも2人の仲を深めるところに向かっていく。

それの難しいことよ。
そして単純なことよ。

実は簡単だってことをこの映画が教えてくれている。

話せばわかり合える世界にいきたい、という、現実ではもう到底叶いっこないことを願う、そういうロマンが詰まっていて、私はこの作品を観るといつも感動してしまうのです。


filmarks
https://filmarks.com/movies/27561


『ブレードランナー2049』(2017)

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監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
163分
アメリカ

あらすじ

追われるのはブレードランナー?世界を滅ぼす鍵を握るのは―。

舞台は2049年のカリフォルニア。ライアン・ゴズリング扮する“ブレードランナ ー”(※人間社会に紛れ込んでいる、労働用の人造人間“レプリカント”を処分する役目の捜査官)Kは、ある重大な秘密に辿り着き、その真相を知るためハリソン・フォード演じるかつてのブレードランナー、デッカードの行方を追っている。 冒頭でデイヴ・バウティスタ演じる男に、デッカードの行方を問いただすK。 レプリカントを製造するウォレス(ジャレッド・レトー)は、「“彼”が鍵を握っている」と言うが、彼とは誰を指すのだろうか? そして、デッカードの居場所をつきとめたKは、過去に何があったのかを彼に問う。前作『ブレードランナー』でレプリカントの恋人レイチェ ルと逃亡したデッカードがその後どうなったのか・・・

レビュー

せ、切ない!切ない!!!!

でもとりあえず!続編作ってくれてありがとう!!!

ブレードランナーが私のこの時代にもあるっていうだけでうれしいことです。
作中の中国語韓国語日本語の使い方のオシャレさよ!

そして今度はレプリカントだけじゃなく、ホログラフィーAIも登場しちゃって、切なさが臨界点突破している。

人間が人間であることの価値、魂のゆくえ、人同士の触れ合い、レプリカントとの生殖が可能になってしまった時、人間の存在はどうなるのか。

SFは時代や技術は関係ない、作者の哲学がそのまま直に現れるものだというのを聞きましたが、ほんとにそうですね。鍵はそこだ。視座をどう置くか。昔の作品でも、いつまでもものすごく新しく未来を感じられる作品ありますよね。作者が、現代の感覚では無く、自らの哲学と想像力を全稼働させて、未来の視座で常識や習慣を表すからなのかなぁと思います。

100年後の人達ならどうするだろう。この道具をどう使うだろう。という。

レプリカントという完璧人造人間と手近な量産型ホログラフィーAI彼女。
彼等の人間と同等でいたい、触れ合いたいという欲望もプログラムされた選択の一部なのか?とか思ったらもう息が詰まりそうになってきます。

途中「グッド・ジョー」とK(=ジョー)に話しかけてくるホログラフィーAIの広告のシーンで「ど、どうしてくれるんだよぉぉ」と泣きそうになりました。
AIと生まれちゃった愛はどうにもならないのか。
どうにかしようとするよね、きっと。
切ない。

記憶すらも自由に埋め込んだり取り除いたりできるなら、この温かい記憶や感触すらも嘘なのだろうか?
Kは初めて自分に疑問を抱き、希望を抱き、探求しようとする。

「俺はお前にとってのなんなんだ?」

このデッカードの問いが呪いのようです。


filmarks
https://filmarks.com/movies/67862


『ダークナイト』(2008)

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監督 クリストファー・ノーラン
152分
アメリカ

あらすじ

ゴッサム・シティーに、究極の悪が舞い降りた。ジョーカーと名乗り、不敵に笑うその男は、今日も銀行強盗の一味に紛れ込み、彼らを皆殺しにして、大金を奪った。しかし、それは彼が用意した悪のフルコースの、ほんの始まりに過ぎなかった…。

レビュー

言わずと知れたただの名続編!
みんながみんなヒース・レジャーもーっとだーいすきになりました!

宿敵ジョーカーがどうして宿敵であるのかは、ジョーカーがかつてないほどのとてつもない倫理的存在だからです。

乱暴で凶暴ってだけだったらとっ捕まえてぶち殺しゃいい世界なのでしょうが、ジョーカーは一筋縄ではいかない。

ジョーカーは性悪説を説く。

こんな腐った、損得勘定でしかものを考えず感情も劣化した様なやつらが寄ってたかって、善人ヅラしてるのは、それが得だからだ。それが商売になるからだ。犯罪をおかしちゃいけない、人は助けなきゃいけない、としてるのは、それが今現在では「得」であるからだ。

ジョーカーが仕掛けるのは殺人や強盗ではなく、倫理ゲーム。

・冒頭の強盗グループは人数が減るとその分自分の分け前が増えると知ると、どうするか?
・爆弾を仕掛けた2隻のフェリーがあって、お互いの爆破スイッチを持たせる、スイッチを押せば相手は死ぬが、自分たちは生き残れる、どちらも押さなければどちらも爆破する、その時どうするか?
・別の場所に捕まっている検事ハーヴィーと元恋人レイチェル、どちらを助けるか?

どうしてお前は自らの正義の名のもとに命をかけてまで守ろうとする?それは本当に正義なのか?正義なら何故マスクを外さない?何故合法ではない?

非合法で、ある意味やりたい放題のバッドマンに人々は依存している。警察に分が悪いことはバッドマンに勝手にやらせてしょうがない事にもできる。失敗すれば非難もできる。

俺達はもう、法の外にいる。たちまち自由なんだ。
お前と俺は同じなんだ、こっちに来いよ、バッドマン。
マスクを取れ。

条件のある正義や善は全てジョーカーに暴かれる。

ジョーカーのような存在が現れるのは、とても現実的だと言えてしまう。

filmarks
https://filmarks.com/movies/33832


今週もありがとうございました。
アダムスファミリーも入れようと思ってたんですが、やむなく外しました…泣
クリスティナ・リッチだいすき!

ではまた来週!!

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