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囲碁入門者向けサイトが囲碁入門者にとって全く役に立たない事についての意見

はじめに

このnoteは多くの囲碁入門者向けサイトを閲覧して感じた問題点を指摘したものです。
記事中の引用はGoogle検索で「囲碁 入門」と検索し上位に挙がったサイトから引用したものであり、特定のサイトを非難するものではありません。
また、私は囲碁クエストの9路盤・中国ルールコミ・7目でしか遊んだ事がないため記事内容は13路盤や19路盤、日本ルールなどを想定したものではありません。


最近趣味を増やしてみようと囲碁を始めました。

入門サイトめぐりと詰碁を一通りやってみていざ実践と囲碁クエストの9路盤で200局ほど打ってみたところ、勝率は4割弱と惨敗でした。
負けのほとんどは序盤10手以内で自分が予定していた陣地に打ちこまれた石の対処に苦慮して投了するというものでした。

負けの原因は勉強不足と読みの浅さの2つです。
しかし、いざ勉強と思っても囲碁入門者が学ぶためのサイトが皆無であり、書籍の購入や口座申し込みを除けば役に立つ内容か微妙な解説動画や、囲碁アプリのAIを利用して対局を振り返るかアマチュアの棋譜を並べるしか方法がなく、文章で解説したものがほとんどありません。

目的が「強くなる事」であればお金や長い時間をかける必要はありますが、私のように「普通に遊べる事」を目的とする人は囲碁に価値を感じていないため、そうしなければならないのであれば別の娯楽を探すでしょう。そういったチャンスを逃さないためにも入門者向けの教科書のようなサイトは必要不可欠です。


漠然とした解説ばかり


日本棋院のサイトでは序盤の打ち方を以下のように解説しています。

1.布石は大きく打つ。(まず隅を打つ)
2.相手の石が接近してきたら、それに応える。

日本棋院 https://www.nihonkiin.or.jp/teach/lesson/school/joban02.html

この解説は基本中の基本としてどの囲碁入門サイトにも書かれていますが、ほとんどはこの2つが書いてあるだけで布石を大きく打つときの目安はどれくらいか、接近してきた石への対応はどうするかといった解説がなく、「適当に打って適宜調整してね」と読めなくもない漠然とした解説で次のステップへ進む投げやりな印象を受けます。
サイト運営者が自由に石を置けるゲームで余計な先入観を与えたくなかったり、自分で打ち方に気付く事で成長させたいと思っているのかもしれませんが、日本棋院のサイトとWikipedia以上の情報を出せないのであればそれは役に立ちませんし「どこが入門者向け?」と疑問に思ってしまいます。

1.布石は大きく打つ。(まず隅を打つ)

囲碁クエストのルールではコミ7目ですから勝利に必要な地の数は黒が45目、白が38目となり、単純に考えれば黒は盤上の5段目に石を並べ、白は4段目に石を並べて他のどこかで白石を2個置けば勝てるわけです。
ただし、そう単純でないからこそゲームが成立しているわけですが、最低限こういった明確なゴールを提示するだけで「布石は大きく打つ」ための方針が見えると思いますが、なんで書かないのでしょうか?


2.相手の石が接近してきたら、それに応える。

内側に入られるパターンが困る

囲碁を打ってて一番困るのが「相手の石の接近」です。局面が進んで石がある程度配置されていれば考えやすいものの、序盤でこれをやられると手が広すぎてどうしたらいいのかパニックになってしまいます。
相手の石が接近した時に考えられるものとして以下の4つがあると思います。

  1. その石を取りに行く

  2. その石を放置する

  3. その石の近くに陣地を作る

  4. その石の遠くに陣地を作る

局面により1~4のどの対応が正しいかは変わってくると思いますが、この解説を飛ばして実戦例や石の生き死にの解説を始めるものが多いためほとんど学べないまま対局をしなければなりません。そして石の生き死にやテクニックを使う事がほとんどないまま終局を迎えます。

序盤のパターン解説はパンダネット囲碁入門のサイトがいくつか例を挙げていますが、あくまで雰囲気や方針の解説であって本格的な解説はありません。他の多くのサイトはこの例さえ挙げていません

これを学ぶには棋譜を並べて序盤の打ち方を覚えるのが早道ではあると思いますが、それにしたってどこのサイトも書いていないというのはおかしな話です。
日本棋院のサイトで書いてある情報以上の解説がないのであれば入門サイトの体をなしていませんし、ページ遷移が多いわりに役に立たない上に検索のたびにそれらのサイトが出てくるのであれば何の意味もなく、邪魔でしかありません。

おわりに

囲碁が難しいゲームだと思われる理由のひとつに「自由度が高すぎる」事が挙げられます。選択肢が膨大で、打った手が効果的かどうか分かないまま自由に打って勝てれば良いのですが負ければ自由度の高さが不自由な足枷となります。
そもそも、土地の奪い合いという侵略戦争ゲームで孫子の兵法レベルの好手や悪手も学ぶ手段もなく学べていない未熟な指揮官に勝てるわけがありません。
だからこそせめて日本棋院が勧める序盤の打ち方の解説が多くあれば囲碁のハードルも低くなるのではないでしょうか。

1.布石は大きく打つ。(まず隅を打つ)
2.相手の石が接近してきたら、それに応える。

日本棋院 https://www.nihonkiin.or.jp/teach/lesson/school/joban02.html


これから新しく囲碁入門サイトを作られる方や、サイトの更新をする方がいらっしゃれば、この2つに絞ったページをぜひ作ってもらいたいです。

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