見出し画像

登場人物が勝手に動く問題 <小説の書き方>

小説の登場人物については、設定資料や時系列表、造形やキャラ付けや名前やモデルなど、いろいろなことを書いてきました。

タイトルの「登場人物が勝手に動く」ことについても、こんな風に二つの考え方を書いています。


①書けば書くほど、キャラクターは成長し、変貌していきます。プロットに書いた作家の思惑を飛び越えて、自由に思いも寄らぬ行動や発言をします。
それが小説を書く楽しみの一つです。

②キャラが十分に育つと、今度はキャラが勝手に動くようになります。こうなるとしめたものなのですが、逆に突っ走ってしまい、他のキャラの行動と矛盾したり、整合性のない動きをすることがあります。
そうならないようにキャラをチェックし、管理することが必要です。

楽しみと言ったり、管理しなければと言ったり、私の中でも揺れています。少なくとも良い面と悪い面があるのは間違いありません。

最近、連載小説やその続編を書くことで、キャラと長く、深く付き合うようになって、また考えたことを書こうと思います。

登場人物が勝手に動き出したら、止めましょう

動き出したキャラ(多くは主人公)は生き生きと行動して、それは良いのです。ただし勝手に動かしておくと、そのキャラばかりが活躍してしまい、ほかの大事な脇役の出番が減ってしまうのです。
いったん舞台から下ろして、ほかのキャラを登場させてあげましょう。

主人公を描くためには、周りの状況を書き込むことが必須です。ライバルや親友、恋人や家族の思い、セリフを十分に書かないと薄っぺらくなってしまうのです。
逆に言えば、ほかの脇役に十分な出番、セリフを与えることで主人公が何を考えたのか、なぜその行動をしたのかが明示されて、キャラの輪郭がくっきりと浮かび上がると思うのです。

もしも出番、セリフを与えるほかのキャラが見当たらないときは、その小説は登場人物が足りないのでは、と疑うべきです。

キャラが動くのを傍観するのではなく、監督としてディレクションをする

主人公にも脇役にも、きちんと出番を与えて、その役割を理解して行動させることが作者の使命なのではないかと思うようになりました。

破天荒なキャラも上手に御すことができなければ、突っ走ったまま、読者は置き去りになってしまいます。

登場人物が勝手に動き始めたら、しめしめと思いながらも、放任することなく、陰でしっかりと手綱を締めることが大事だと思うのです。

主要人物が一覧できる時系列表がおすすめです

これは以前の記事でも紹介した表ですが、あらためてそれぞれのキャラの出番、役割をコントロールするツールとして、有効だと思います。

思い込みのある主人公(主要キャラ)はあなただけの【推しキャラ】です。だからこそ、大切に育てて、小説の中でより輝けるように、ディレクションしてあげたいものです。

以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

以前の記事です。よかったらご覧ください。


この記事が参加している募集

私の推しキャラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?