シートン動物記と獣害

立秋のころ、いくばくか心地良い風がふくようになってきました。少しずつ少しずつですが、秋の気配がただよっています。お米の取り入れから、冬の野菜の植え付けなど、農村に活気がわいています。今年の異常気象に私たち農家は悩まされ、翻弄されました。もちろん、山々に住む獣たちも同じでしょうか。里におりて、農作物を食い荒らす被害がいつもにまして多いように感じます。先日も、お米に猪が、苗たちはじめまた秋じゃがに猪と・・・ついつい心が折れそうになるほど、美味しいところをもっていってしまします。最近の日課は、夜のパトロールですが、ふと枯れ木にたつ梟と出会うこともあります。夜な夜な森に響き渡る梟の声なんて、心と体に染み渡り、一日の疲れを流すような美しい声ですね。

先日、子どもがシートン動物記を読むようせがんできたので、読んでみた。野生動物の生きる知恵と仲間への愛情、シートンの鋭い観察力と実践、最後には夫婦2頭の狼がとらわれ死んでいく切なさ、農家にとって野生動物との共存は切実な課題であるが、100年も前に描かれた姿に心を驚かせながら読んでしまいました。シートンはこのハイイロオオカミの死を通して、もう2度とかりはしないと思ったらしいが、やはり農家にとっては、切実な問題であることは変わりない。でも、そこに家族があり、野山に生き抜く知恵のある命だと思えば、彼らとのやりとりもより豊かなものになっていくように思いました。

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