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「水着グラビア」という今後もしばらくは未解決な問題。


この記事は多分、まだ未完。


「未成年で、立場の上の人から何かを要求された時、拒むのが難しい」
カウアン岡本@衆院法務委


 ブログのほうで書きかけて中断してしまった「水着グラビア」についてこちらに書きたいと思います。
 そう思いたったのはキー局の男子アナが毎週おすすめのグラビアアイドルを紹介していたTBSラジオ『アフター6ジャンクション』という番組でしれっとインティマシーコーディネーターの特集をやるという厚顔無恥ぶりを知ったからです。
 インティマシーコーディネーターというのは映画撮影などの現場で演者本人たちの望まない形でベッドシーンなどの性的なシーンの撮影が行われないように調整するお仕事です。
 ただしこの方は映倫BPOのような団体から派遣された役人などではなく、あくまで撮影する側から能動的に依頼してはじめて機能する職業なので、インティマシーコーディネーターという職能が登場したからといった、エンタメ制作現場の性的な問題がまるっと解決するわけでもなさそうです。

 思い出されるのはフジテレビ「TOKIOカケル」の中で告白していた北村匠海くんの体験談です。
 俳優の北村匠海くんは公私含めた人生のファーストキスが2008年
10歳の時のフジテレビのドラマ『太陽と海の教室』岡田将生氏の幼少期を演じたのだと。監督からの事前説明では「接触」はないと言われていたにもかかわらず、当日現場で急に

じゃキスしてみようか


と言われたそうです。

 TOKIO松岡君は「初々しさを出すための監督の意図」という昭和な補足をして逆にあっぱれな演出であるかのようにもちあげていました。さすが少年への性加害に寛容な事務所です。
 マネージャーのかわりに現場に付き添ったという北村君のお母上は帰りのロケバスでずっと窓から外を見つめていたというので、時代が時代だったので誰も気にしていなかった…などということでもなかったようです。
 女優さんたちが子供の前で平気で着替えたりするので、子役出身者は女性観がゆがむのだというエピソードを複数回テレビで聴いたことがあるのですが、そんなに有名な慣習なのだったら改めようという発想はないのか?と思ってしまいます。現場はそんな認識ですからインティマシーコーディネーターが導入されても「お子様案件」は漏れたままかもしれません。インティマシーコーディネーターの仕事のプロセスは脚本を読むことからはじまるそうなので、当時そこにインティマシーコーディネーターがいたとしてもキスは決行されてたことでしょう。

 インティマシーコーディネーターからもれてしまうだろう案件に「水着グラビア」があります。

 元アイドリング遠藤舞さんは著書『若いカワイイからの卒業』の中で、水着グラビアの写真集を出したことをいかに後悔しているかを綴っています。

 実際はそんなことは全然なかったのだが、当時私をスカウトしてくださった女性に「グラビアをやらないと売れない」と言われており、これはこの世界では必要不可欠なものと、セルフ洗脳していたことも理由の1つかもしれない。
 それに加えて、これはどんな作品でも念頭に置いた方がよいのが「作品はいつまでも残る」ということ。これはなにもグラビアの話に限ったことではなく、誰もが発信可能なSNSにおいても常に気をつけなければいけないことかもしれない。「デジタルタトゥー」とはよく言ったもので、本当に肌に彫った入れ墨のように、完全に消し去ることは難しい。

遠藤舞『若いカワイイからの卒業』

↓↓↓↓書籍はnoteに執筆されたものが元になっています。↓↓↓↓


「水着グラビア」
はきわめて「性的」な事象にもかかわらず、軽視されがちです。ある一般女性は「あたしがあんなにスタイルよかったらバンバン脱ぎますよ」などと発言していましたが、彼女の価値観だとスタイルがよければ脱いでも恥ずかしくないはずたという認識なのでしよう。
 よくPMS問題は同性からの不理解が意外と多いなどといわれたりしますが、日本人の例外を設定しがちという傾向はすべての事象を複雑化します。たとえば体罰が問題化した黎明期においては名門校のスパルタ練習は別問題とか、そこに愛があればいいのだとか治外法権エリアが日本全国に残りました。本来、あの宝塚問題も「イモズル式」に俎上にあげられる機会がこれまでいくらでもあったはずですが、やはり「宝塚は別」という結界は長年放置されてきました。
 水着についてはそもそもの「芸能界」というものがおおいなる結界となっていて、それはこれからも続くかもしれません。「芸能人が事務所辞めると干される問題」も一般社会の多くの人々はそういうものなのだろう、と当たり前のことのように認識していたのではないでしょうか。

 あの清水富美加さんの騒動も、そもそも水着撮影に関して同意もくそもなく勝手にスケジュールとして入れられていたというトンデモ状態でしたが、ものごとをワンイシュー化してしまう日本人のせいでせっかくの芸能界の労働問題や#MeToo問題について議論機械もすべて破棄され、新興宗教にハマった世間知らずのアイドル女優のハナシとまとめられてしまいました。
 騒動の当時、中尾彬先生のような大御所は
「芸能界は普通の会社員とは違うんだよ」のひとことですべてを一蹴しましたが、市井の日々とも「芸能界」特殊な例外世界なのだと認識していたかもしれません(或いは今も)。

 つまり本人の同意なくグラビアをやらされるというのは不文律のルーティーンということなのでしょう。

 ある番組ではおにゃん子クラブの元メンバーが当時を振り返るトークの中で「水着撮影の前日になって、やっぱやりたくないとかカマトトぶるやつがいた」と、あたかも水着を拒否することが悪のような印象を与えていました。

 70~80年代アイドルがみな水着になっていることなど、水着グラビアが芸能人の当然の出世ルーティーンだと大衆が思いこんでしまう背景はあるかもしれません。近年においてはAKB48「Everyday、カチューシャ」のMVであるとか。
 個人的にはあれにはなんだか目まいのようなものを覚えました。これだけ人数がいたら、何人かは水着NGなコがいそうなものでは?と
おにゃんこのOGトークではありませんが同調圧力を巧みに利用する秋元プロデュースの伝統でしょうか

資料になりそうなものを、あちこちひっくり返していたら
恐るべき事実を発見してしまいました

「Everyday、カチューシャ」(11年)からは水着もすべて、メンバーのサイズに合わせたオーダーメイドで製作されている。

『AKBと日本のロック』田中雄二著 p302

あんなモブシーンで果たしてそんな厳密なフィッティングが必要なのでしょうか?
表紙を飾るような「専門のグラビアアイドル」でも
スタイリストが集めてきた既成の水着を使うといっていましたが…

ここでよぎるのは「採寸」と言う名のイニシエーションです

あんた一人に何人もの大人がかかわってんのよ
準備に時間もかかってんのよ
もう後戻りなんてできないんだからね?
…みたいな。

芸能界をめざす女子たちと水着グラビアというものとの距離感がわかるようなサンプルがありましした。

それはフジテレビ「オールナイトフジコ」という深夜番組です。
「オールナイトフジコ」は80年代に人気を博し女子大生ブームをまきおこした深夜番組「オールナイトフジ」のリメイク企画だそうです。
 本当はその間に「キャンパスナイトフジ」という毎週のようにフジテレビ社内(スタジオとは限らない)で水着ショーをしていた番組があったのですが、フジはこの下品過ぎて打ち切りになったという番組をなかったことにしたいようです。
 さて「オールナイトフジコ」フジコーズという事務所未契約の芸能界志望の15人の女子大生たちがあれこれ競い合う番組。
 番組開始間もない5月に週刊誌フラッシュからフジコーズに特集㌻のオファーがきます。15人の中でも3名ほどは大きくフィーチャーしたいがその条件は水着になること。
 オファーのはなしで色めき立った15人でしたが、水着ときいて多くのメンバーが葛藤モードに。
 MC陣からのツッコミやMC同士のつっこみの中にも日本の芸能界の縮図が見えて興味深い。

この番組のMCは
佐久間宣行 森田哲矢(さらば青春の光)伊藤俊介(オズワルド) 佐野瑞樹 峯岸みなみ 村重杏奈

AKBグループの2人の発言にも注目です。

青学2年の小杉玲子さんが早々水着NGを表明。
すると元HKT48の村重杏奈さんが
「それは事務所のブランディング的に?
それとも個人的に?」
とつっこます。
「個人的に」と答えるとさらに
「それは家柄的に?」たたみかけます。
それを聞いていたさらば森田氏が
「水着がフツーちゃうから」とつっこみます。

 ここらへんが水着には無条件で芸人たちが大喜びしていた「キャンパスナイトフジ」とはちがうところです。

「48グループでは水着NGをいう子はいなかった」
と驚くのは峯岸みなみさんと村重杏奈さん。

いやいや、むしろあなたたちのその発言が驚きです。
ここで先述の「Everydaty、カチューシャ」の不気味映像がよぎります。
(最近は女性アイドルの女性ファンが増えおていますから、「これのどこがいけないの?」女性からの援護射撃の弾もとんでくるかもしれません。)

 女性誌の夏休みコーデのような特集でも仲良しグループ設定のモデルの中でひとりだけ頑なに水着にならないなんていう子がいたりします。女性誌ですからあの清水富美加さんが嫌悪した「おかず」にされてしまう可能性は低いでしょうし、モデルさんなので少なくともスタイルに自信はあるはずなのに。それほど水着というのは個人差があり繊細な問題ということではないでしょうか。少なくとも女性誌には「拒否権」「選択権」が存在するようです。

さて話を戻すと村重さんと峰岸さんはやたらとフラッシュを推します。
アイドルなら皆が出たいとか
出たら仕事が増えるとか

森田「おまえもういくらかもらってんだろ?そのサクラっぷりなんやねん?」

と突っ込まれる始末。
村重さんが口先だけで喋ってんなぁと感じたのは

村重(たちあがって)いや、でも以外と新しい自分に出会える可能性ありますからね。村重も最初水着NGだったんですけど、出したら最高すぎて

最初NG?48グループにはハナっから水着NGは存在しなかったのでは?!

 彼女たちの不自然なまでの力説の背景にあるのは、自分たちのいる世界、あるいは自分たちの選択を全肯定したいということではないでしょうか。
あと、単純に先輩風を吹かせたいのかもしれません。

結局、15人中水着NGを表明したのは8人。
実際に水着撮影に臨んだのは5人でした。
その途中の過程で生放送中の深夜に親に許しを請う電話したのが2人(いずれも実家は非放送地域)。
「女子アナ志望ならむしろデメリットではないか」と放送局界隈の事情をよく知る佐久間氏に念押しされた今井さんも結局、撮影組に。
水着NG組の中には、「これでやる気がないと思われたらいやだ」と泣きだす子も。

さて
 当の芸能界の方々は水着グラビアをどう見ているのでしょうか?

フジテレビ「ぽかぽか」の中に
菊地亜美さんと野呂佳代さんによる
「飲みトーク」というコーナーがあります
野呂さんは、ゲストに吉木りささんを迎えるにあたってネット検索したら
「吉木さんの画像、エロいのしか出てこなかった」
…だったそう。
「ああグラビア黄金期のね」と吉木さん。
 菊地さんも野呂さんもグラビア経験者ですがグラビアはエロいものという認識のようです。
 そういえば菊地亜美さんが以前自分のDVDを評して「どエロい」と説明してたことがありましたが、「大人にやらされた」といったニュアンスでした。
 ちなみに吉木さんは先述の下品すぎるとフジ上層部が怒り打ち切られた「キャンパスナイトフジ」のレギュラーでした。

もうひとつ、グラビア経験者のグラビア観が垣間見えた瞬間、
今をときめくモデルの井桁弘恵さんです。
自身がMCを務める「おしゃれクリップ」のゲストに
優香さんを迎えた時のやりとり
「グラビアの仕事って恥ずかしくなかったですか?」
「カメラマンさんがのせてくれるので
グラビアの仕事はすごい好きでした」
「あ、へぇ。そーなんですか」

恥ずかしくなかったですか
というのは考えて考えて
言葉を選びましたね…という感じです。
さすがに自分も週刊プレイボーイの表紙を飾っている手前「嫌じゃなかったですか?」とはきけません。
ただ優香さんの予想外な答えにボロが出てしまいます。
「グラビアの仕事好きでした」の返答にあからさまに驚いていました。
つまり自分は好きではなかったということですよね。
井桁さんは私の知る限り、週刊プレイボーイには2回も出ています。
1回目はフツーのグラビアでしたが、2回目はカーテンでかくしたりと、むしろ実質露出度が大幅に減った感じでした。もう脱ぐ必要もないが、名前だけ見出しに載せたいという意図なのでしょうか。或いは売れてきたから、お安く肌は出さないのが得策ということでしょうか。

 かつてあった番組、日本テレビ「幸せ!ボンビーガール」の中で色々な夢を追って上京する女の子に密着するコーナーでとりあげた女優志望の女子。後日、「●●日放送で密着した●●ちゃん、週刊プレイボーイの水着グラビアがきまりました!」と番組内でMCが喜々として発表するも、ガヤたちはタイムラグありまくりの後に「…お…ぉぉ」とあきらかにつんのめったような反応。週刊プレイボーイの水着グラビアは成功でも出世でもなく、おそらくはたいしたチャンスですらないと思っているのでしょう。

もひとつおまけにNHK技研前のセブンイレブンで見かけた光景。昼休み時、社員風女子三人組。
「ね、ね、ちょっと雑誌見ていい?私の友達の知り合いが載ってるのよ…週刊プレイボーイ」
友達二人は無視するつもりはないが無関心が隠しきれない感じ。当の彼女はおかまいなしに「ちっぱい」がどうとか専門用語?も駆使して熱弁をふるっているようなのですが、「私たちにその話題でどう反応しろと?」という心の声が声が聞こえてきそうな様子でした。

 先述のおぞましいコーナー「今週おすすめグラドル」には年一回、総選挙という超キモチワルイ拡大版イベントがあるのですが、そこに毎年ゲストとして出演するグラビアアイドルの倉持由香さんという方をまじえたギョーカイ事情トークが示唆する先は
「やっぱグラビアってアウトじゃん?」
という結論です。

 グラビア撮影の現場では先述の北村くんの「キスしちゃおうか」のようにその場で露出度をエスカレートさせようとする手口があるそうなのですが、最近では、ちゃんとした強めの事務所に所属すると、事前に項目別に可否を交渉してくれるのだとが。
下乳はどうか?
Tバックはどうか?
アイスなめは可か
ソフトクリームだけか
棒アイスも可か

なんかこの項目を見てるだけで恥ずかしくなりませんか?
こういうハナシを大真面目にしてる男子キー局アナ、キモくないですか?

若槻千夏さんが「上田と女が吠える夜」で言っていたのですが、グラビアの海外撮影の際に水着打ち合わせはスタイリストを交え日本でやり、いざ撮影となるとスタイリストは同行せずに、水着は打ち合わせと無関係の面積の小さなものになっていることがあったのだとか。
そういう場合は「これを着なきゃ売れないというのだったら、わたしは売れなくていい」と自費で帰国したのだと。
 先述の採寸ではないですが、なかなか海外から自費で帰国できるものではないでしょう。
 先ほどの業界トークも一見「毅然とした態度で臨むべき」というアドバイスかもしれませんが、裏を返せば常に緊張していなければ危険がいっぱいというヤクザな世界ということです。
 それを局アナがいわば「お墨付き」を与えるというのは、大問題です。 先述の遠藤舞さん、トラウマともいえる体験についてこうも書いています。

撮影中に死にたくなるほど嫌な思いをして、申し訳ないことに現場にもたくさんご迷惑をおかけしてしまった。

遠藤舞『若いカワイイからの卒業』

 実はグラビア総選挙も開催する「アフター6ジャンクション」ではこれが書かれた遠藤さんの著書『若いカワイイからの卒業』を取り上げて絶賛していたことがあったのですが、グラビアのくだりには一切ふれませんでした。
 ひたすら自分たちの都合のよいことだけを信じるということなのでしょうが、それがテレビのキー局ももっているTBSというのが恐ろしい。

 よくこういう場合、「一部の心無いひとたちのせいでギョーカイ全体が迷惑する」みたいな片付け方をして、全体的には健全であるかのような印象操作をする手口がありますが、ここはしっかりと「統計リテラシー」を以て判断すべきです。
 むかしゴキブリ取りのCMで「ゴキブリを1匹みかけたら、実際にはその30倍います」というのがありましたが、これこそが「統計リテラシー」です。

 先述の若月さんはずっと同じ事務所に所属していて、所属タレントを見てみると.

赤井沙希、安斉星来、えなこ、小倉優子、KABA.ちゃん、工藤美桜、小柳ルミ子、佐久間由衣、釈由美子、谷まりあ、手島優、土岐田麗、都丸紗也華
豊田ルナ 、トリンドル玲奈、川﨑麻世、SILENT SIREN、澤山璃奈

と「そこそこ」でも「なかなか」でもなく、「かなり」な事務所です。そして先述の手口ではスタイリストも恐らくはグルでしょう。もし集めてきた水着をちゃんと使うなら、場合によっては「協力:三愛」のようにクレジットもしなければなりませんから。
 つまりメジャーな事務所でもそんなアコギな手口を駆使しているとなると末端のほうは推して知るべしです。

 あの井筒監督はインティマシーコーディネーター導入に反対しているそうです。かつてヌード写真集の裏話で「最初は脱ぐ予定ではなにかったがのせられて脱いでしまった」などという話が一時期よくされましたが、美談風のはなしも実は単なる密室の大人たちによる圧力だったのかもしれません。
 かつて警察の取り調べを全面的に録画しようという議論が出たときに現場の刑事が「それでは自供を引き出せない」などと力説していましたが、「いやいやプロだったらできるだろ、やれよ」と一蹴した専門家がいました。
 プロだったらインティマシーコーディネーターがいてもやれるだろってハナシです。
 ついこないだもアドリブでキスをしたという「武勇伝」を高嶋政宏さんがその相手の前で自慢気にはなしていました。敵は監督だけではないようです。
そしてTBSの熊崎風斗さん。
いい加減、気づいてください。
 改編による番組時間短縮で消えてると思ったら、まだグラビアコーナー続いてるみたいじゃなですか。グラビアの現場が仮にクリーンだとしても既婚オッサンが10代女子のカラダを語るのはキモイです。「アフター6ジャンクション」はいろんな方面のコーディネーターが必要なようです。

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