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仕事で泣く女が嫌いだから、泣いた。

仕事で泣く女が嫌いなのに、仕事が原因で泣いた。
昨日の出来事だ。
こんなことって何年ぶりだろう。少なくとも本社に異動になってからは泣いた記憶がないから、丸2年ぶりのことな気がする。

昨日は本当に散々な一日だった。

名古屋出張をしていて、朝早い電車に飛び乗るところからスタートした。午後イチからのインターンシップに間に合うようするためだ。それでも本社に到着するのはギリギリの予定。会場設営などのインターンシップの準備は、主の採用担当がやってくれている手筈だった。

その電車の車内でかかってきた電話。
主の採用担当から、「子どもが保育園で怪我をしてしまって、いま一緒に病院に向かっている」という旨の連絡が入った。ついでに、「インターンシップの準備は何一つ終わっていない」という報告もセットでついてきた。

脳内ではめちゃくちゃ焦りながら、「こっちは大丈夫だから付き添っててあげてください」って伝えた。
どれだけ焦っても電車が早く動いてくれるわけではないし、準備するものを何回も何回も脳内でシミュレーションした。

だから、本社に到着して必死に駆けずり回っている時に、採用担当が子どもを連れて現れたのを見て、膝から崩れ落ちるくらい無理になってしまった。


子どもは元からそんなに得意じゃない。

営業として働いていたころ、顧客のお子さんには好かれていた方だと思うけど、正直どう接すればいいのかいつも手探りだった。
年下の弟妹がいるわけでもなく、親戚の子どもはいても近所じゃないから会わない。
友人に子どもが生まれれば「めでたいな」と思うけれど、「うらやましいな」という感情は抱いたことがなかった。

出来る限り小さな子どもと接する機会は避けてきたし、平和に生きていたと思うんだけど。

そんな中、目の前に現れた子どもに、なんかもう色々と絶望してしまって。

「インターンシップ中は別の人に見ていてもらうから大丈夫!」なんて、その別の人にだって仕事が合ったはず。
そもそも社内結婚のこの夫婦は、旦那が別フロアで働いているはず。せめてその旦那に預けに行ったら?

そんなことを思っても言葉に出せなかったのは、もうすでに会場に学生たちがいたからだった。

結局、インターンシップが始まって30分と経たないうちに「ごめん子どもの様子見て来ていい?」と彼女は席を立ち、しばらく帰って来ず。
学生たちを連れ立って社内見学をする時間ももちろん私に丸投げ。

そしてその見学から元の部屋に戻れば、ドタドタと走り回るお子さんの姿。


「連れてきたんですか?」という私の質問に悪びれる感じもなく「静かにさせておくから気にしないで!」とか言われて、もう、いよいよ無理だった。

だからもう帰らせた。

嫌味っぽくならないように、とにかく気遣いの範疇だと思ってもらえるように、言葉を選んで。
つとめて冷静に、親子ともども帰らせた。

そこから1人でインターンシップを遂行した。
だったら、最初から1人で別に良かった。


全部終わって、会場を片付けて。
本部長に呼び出されて、「あいつ子ども連れてきたって本当か」って尋問の時間があって。

そもそも私の本業は採用担当ではないので、机の上に溜まり切った仕事があって。
それを見つめていたとき、

子ども、絶対に産みたくないな。


って、心の中ではっきりと思った。

本部長が帰り際、「月曜にあいつに注意する」って言ってて、隣で聞いていた課長に「注意されたあとのやっかみがもち子さんに向いたらごめんな。」って言われた。
はあ?守る社員間違ってるだろ。って言い返しそうになった。

私はこの日、誰にどう見られていたとしても、絶対に全力で頑張っていたのに。
なんで私が損をするような流れになるんだ。

でも笑顔で「大丈夫ですよ」って返事をして、残業で自分の仕事を片付けた。

仕事を終えて、ぼんやり車を運転していて、震えたスマートウォッチ。

『残業ですか?朝も早かったのに頑張り屋さんですね。』

3個年下。
片思いを始めてまだ日の浅い、可愛い可愛い彼からのLINE。
気付いたら大泣きしながら運転していた。
私頑張ったのに。こんなに頑張って働いたのに。って、めちゃくちゃ泣いた。

仕事で泣く女なんて大嫌いなのに。

泣いてから悔しさが襲ってきて、ここに全部書き出して吐き出して昇華しようって決めた。
もう知らん。
ここに書いて終わり。

明日から全部良いことしか起きない!

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