見出し画像

27歳、片思いをするの巻

おはようございます。本日は御日柄も良く。

アラサー、片思いを始めました。
これは沼落ちブログならぬ恋落ちブログです。昔の記憶なんてポロポロ抜け落ちて忘れてしまうから、自分のための備忘録も兼ねて。

胸キュンなんて、こんなのいくらあってもいいですからね。よぼよぼの婆になっても、自分の胸キュンを思い出すことで若さを保って行こうぜ。

※ちなみにここから先の文章は馬鹿みたいに長い。

「僕が初めてもち子さんに会った日、いつか分かりますか?」

私が昨日、明確に恋に落ちた瞬間の会話はこれだった。

「えー、○○くんがうちの面接来てくれた日でしょ?おととしの5月!」

「違います。それより2ヶ月前くらいです。」

「嘘。わたしその頃に本社異動してきたんだもん。面接より前に会う機会ないよ。」

「3月の合説です。日付も覚えてますよ、3月2日です。もち子さんと課長が2人でブースに座っていました。」

「えぇ、それ本当に私?」

「そうです。胸の名札見て名前も覚えていたし、絶対にもち子さんです。」

「んー、そう言われれば手伝いで合説行ったのかも。」

「僕、あの合説でもち子さんに会って、この会社行きたいなって思いました。それで応募したんですよ。」

運転してくれている彼の横顔。

面接の日、控室に到着した彼は緊張で顔が真っ白だったのを覚えている。でも、今なら分かる。緊張とか関係なく、この子は普通に肌が真っ白なのだ。
冬特有の綺麗に澄んだ晴れの日。運転している彼の奥には雲一つない青空が広がっていて、差し込む日の光にうざったそうに眼を細めたりしている。

この子、私の合説でこの会社来てくれたんだ。

自分でも変なところで恋に落ちたもんだな、と思う。
心の中をずっとモヤモヤさせていた『好きかも』という気持ちが、明確に『好き』に切り替わった瞬間だった。


昨日、私は3個年下の彼と初めて2人で出かけた。


彼との関係はお察しの通り、会社の先輩後輩である。

働いている階がそもそも違うので、2人きりで会話をすることは稀。連絡先は辛うじて知っているものの、会話内容は彼からくるちょっとした連絡+業務連絡。3往復もすれば終わるやつ。
何なら私は彼からのLINEをすぐに既読無視する女だった。なんかこう、私のひねくれた性格のせいで。

そんな彼とたまたま長く会話をしたのは、クリスマスの1週間くらい前のことだった。通りすがりに挨拶をしたら、その場で立ち話が始まってしまったのだ。

ひとたび会話をしてみれば、離れるのが嫌になるくらい心地のいい空気だった。色々なやり取りが重なって、年明けに出かける約束をした。そのお出かけが執り行われたのが、昨日だった。

約束の時間より5分ほど早く、彼は私を迎えに現れた。近所のコンビニ。
「何か温かいの買って行こう」って言えば、「僕出しますよ。」って言われる。なんでだよ。今日は1円も出させる気ないよ。
「珈琲飲みたいな~」と彼は缶の珈琲を手に取っていた。私は珈琲の香りが苦手なんだけど、なんか、まあ良いかって思った。

「はい、買ってあげるからそれ渡して」って言えば「僕が奢ります」ってまだ言うから、「じゃあこれは今日の運転代。だから奢らせて。」って納得させた。レジまで歩くとき、「今のうちにこの珈琲冷やしておこ~」って私の冷たい手で握っておいた。「やめて?」って笑ってて可愛い。

コンビニを出て車まで向かう。
「もち子さん、お洒落さんですね。」って声が聞こえて、言い方が可愛すぎてぶっ倒れそうだった。あと多分、お洒落さんなのは君のほう。
助手席までONにしてくれてあるシートヒーターのおかげで、車内はポカポカに温かい。片道2時間の距離。初めて2人で出かけるにはハードルが高かったかもしれない。そんなドライブが始まった。

車内の会話なんて、もうすでにほとんどが忘れかけている。でも思い出したいな、恋に落ちた日のことだしな。よし、思い出そう。

「音楽何聴きますか?」とか「来月の社内行事来てくれますか?」とか「ディズニーと水族館以外に趣味あるんですか?」とか「休みの日何してるんですか?」とか

合コンか?(合コン行ったことないけど)

ってツッコミしそうになるような量の質問を浴びて、それに答えたりしていた。
採用担当のお姉さんの誕生日プレゼントを買う話になって、「○○くんって誕生日いつ?」って聞いたら「当ててください。」って言われたから誕生日当てゲームをした。結果として、彼の誕生日は来月だった。
「私の誕生日当てゲームもしよ。何月生まれでしょうか!」「9月。ていうか誕生日知ってます。」「なんで!?」「LINEに登録されてるんで。」って会話もした。

それで、彼の同期の話になったんだ。

「僕以外みんな頭いいんですよね」って彼が言ってて、「え、○○くん頭良さそうな顔してるじゃん。」って聞けば「僕、頭悪いんですよ。」って笑う。「頭いいひとほど自分のこと頭悪いって言うからな~。」「いや。…この前の社外資格試験あったじゃないですか。あれ僕だけ落ちました。」「……あれテキスト見ながら出来るよね?」「はい。」「…頭悪いじゃん。」「だから頭悪いって言ってるじゃないですか。」

そんな話をして、それから同期の中で彼が一番遅い内定だったよねって話になって、それで。
それで冒頭のあの会話になって、好きになっちゃったんだよなァ~~~(頭抱)

ってことでランチのお店に到着。いっつも観光客で混み合ってるのに、潰れたかと思うくらい空いていて怖くなった。
事前にいくつか送ったお店の中で、彼に行きたいところを選んでおいてもらっていた。空いているのでスムーズに席に案内してもらえる。

料理は2品頼んでシェアすることに。
「この中で先に食べられないものを伝えておくね、わさび。」そうやって私が言えば、「わさび食べられないの!?」と言いつつ「じゃあこれとこれ以外ですね。」って否定しないでくれるから、好きだなあって思う。
「○○くんは好き嫌いないの?」という質問に「これと言ってないですね。」って答えたくせに、「辛いのは無理だからこっちがいいな~」とか言う。「好き嫌いあるじゃん」って言えば「辛さはほら、好き嫌いとかとは別の次元の話だから」って笑うし、「痛覚だから?」って聞けば「そう!」ってさらに笑うし。可愛いが限界突破してるけど大丈夫?

運ばれてきた料理を彼が取り分けてくれようとして、チーズがめちゃくちゃ伸びた。「わ、伸びる、写真写真!」って言われて慌ててカメラを向けたのに、もう伸びなかった。「遅いですよ~」って笑われたけど、せっかくなので3枚ほど写真を撮らせていただいた。
ノーマルカメラなのに、信じられない透明感。
イケメン。顔が綺麗。
もうこの写真絶対に消したくない。可愛すぎる。

食べるスピードについての、好きポイントを思い出したから書きます。(好きにしてください)

取り分けはあえて彼のほうが多めに食べてもらったんだけど、食べ進めるスピードが絶妙に同じなの。意図的に何度かお皿や箸を置いていたから、たぶんこちらのペースに合わせてくれていたんだと思う。
「時間あるんでゆっくり食べましょうね」って声を掛けてくれて、それだけなら誰でもしてくれるんだけど、彼のお皿にも同じくらい料理が余っているから本当に焦らず食べることができた。

ここは彼が初売り期間の営業成績よく頑張りましたのお祝い、ということで奢らせてもらった。

ランチをした店はちょっとした街の中にあるので、そのまま少し散策する。
目に留まった珈琲ショップに立ち寄った。私が手土産を買いたい相手がいたから。
店に入れば、ちょうど迷子にはならなそうな距離感で別々の棚を見る。「もち子さん、珈琲好き?」って聞かれて「飲めるけど、紅茶のほうがずっと好き」って答える。手ごろな価格のドリップパックの詰め合わせを見つけて、「これにするね」って伝えてレジに行く。
そこはドリンクのテイクアウトもやっていて、レジ横にメニューが置いてあった。彼はそれを見てから「珈琲テイクアウトしていいですか?」って聞いてくる。ああ、いいよいいよ買うよって思って頷けば、「ココアとか紅茶もありますよ、もち子さんも飲む?」と聞かれる。外は寒かったし、そうだな、ココアでも飲むか。そう思って「ホットココア飲む~」と言えば、「はーい。じゃあ買いますね。」って。

だから、金、出すなって!!!

「出すからいいよ」って追いかけても「嫌だ。出さないで。」って言われるし、「もう初売りのお祝いも車のお礼もしてもらいました。僕が出します。」って頑固だし「奢らせてください。僕に。」ってもう、根負け。
3個下にお金出させているの、ダサすぎて本当にごめん。

出てきたホットココアはハートマークが書いてあった。蓋をするのが勿体ないけど、しなければ絶対に溢すので、あとから自分でする用の蓋をもらう。
テラスのテーブルに置いて写真を撮ってから蓋を被せた。何度やってもはまらなくて、「できない」って彼にそのコップを差し出した時、私は彼が年下であることもただの後輩であることも忘れていた。
「んー?もらう蓋のサイズ合ってた?」って聞きながら彼は自分の珈琲をテーブルに置いて、私のココアの蓋をいじる。スポッとはまる。「余裕。」と言われながら返してもらう時、これがただの片思いであることが、悔しくて苦しかった。

いくつかの雑貨屋を覗いて、そのまま車に乗って違う場所に移動した。
そこでもアクセサリーショップと雑貨屋、彼の好きなキャラクターのコラボショップを覗いた。

それから車は、最終目的地である複合施設へ。

午後3時。
広い敷地を歩きながら、普段洋服はどうやって買っているかという話になった。
「私は気に入ったブランドがあるから、そこで季節で買うくらいかな。○○くんは?」と聞けば「僕は色ですね。」という。
「ボルドーが好きで。…ちょうど、その色ですかね。」

私のワンピースに目線を向けられる。
今日のために買った服だよ、とは、言えなかった。彼も同じボルドーのニットを着ていた。この色を選んだのは本当にたまたまだったんだけど、そんなことすら嬉しくなってしまう。

ここでは、17時にイルミネーションが点灯される。

点灯までの少し余った時間を車に戻って過ごして、スプラッシュマウンテンを1曲まるまる聞いてから再び外に出た。
時間に合わせて点灯される瞬間が見えた。

「偏見言ってもいい?」「なんですか?」「○○くん、イルミネーション興味ないでしょ。」

その声に彼は吹き出す。「興味なくないですよ、まあそのためにわざわざ見に行こうとも思わないですけど。」

それを興味ないって言うんだよ、と思った。でも言わなかった。「イルミネーションだけは見て帰りたい」って言う私のために、この時間まで残ってくれてる彼が好きだから。興味があってもなくても、もうどっちでも良かった。

イルミネーションの写真を撮る、彼の写真を撮った。「撮ったでしょ」って言われた。「うん。」って答えておいた。

帰り道はちょうど帰宅ラッシュにぶつかった。行きより混んでいる道で、「渋滞きらい?」って聞いた。「好きでもないですけど、気にならないです。」って言ってた。行きも帰りも運転してくれたのは「僕が明日休みで、もち子さんが仕事だから」らしい。

「次はカラオケ行きませんか?」って聞かれて、「いいよ」って言った。「いつ?」って聞いたのは、次の約束がないと生きていく自信がなかったからだ。「んー、予定なければいつでも。再来週はコンタクト作るついでに実家に帰ろうと思ってて、その次の週がワカサギ釣り行きます。」って、分かりやすく予定を提示してくれるところが、最近の私のトラウマ(昨年失恋した、予定を決めてくれない沼)を払拭してくれるようで助かる。

「あー、私来週は友だちとご飯なんだよね。じゃあ1月は厳しいかな。」と言えば、「じゃあ再来週、月火休みなんで片方で実家行って片方はこっち戻ってきますよ。」って言われる。
「いいの?」「もちろんです。」「じゃあ再来週、行こっか。」

よし、あと2週間は生きていける。

長い渋滞で、話したり話さなかったり、歌を歌ったり歌わなかったりした。
家の近くまで帰ってくる頃にはお腹もすいたので、チェーン店で夜ご飯を食べる。
箸の持ち方も、食べ方も、好き。また私に合わせて食べ進められる食事。彼が作る食事の話と、私が作る食事の話をした。

スノーボードもスキーもやらない所と、海外は言葉が通じないから一生行きたくないところが、本当に好きです。

午後9時。
コンビニではなく家の駐車場まで送り届けてもらって、デートは終了。
年上との長時間のお出かけ、きっと後輩である彼からすれば信じられないくらい疲れたと思う。ごめん。

でも私は楽しくて、楽しくて、挙句の果て好きになって、ごめん。

2024年、怒涛の片想いからスタートです。


この記事が参加している募集

スキしてみて

全額をセブンイレブンの冷凍クレープに充てます。