混沌

ぐちゃぐちゃ

掻き回された世界の片隅で

もみくちゃにされながら
わたくしは

明日の夕飯の事を考えていた

わたくしは
海水浴場で波の泡となる

ぷくぷくと
弾ける泡は
ソーダの弾ける泡

傍のアイスクリームが
冷たい目をして
こちらを見てる

甘い視線を向ける先は
大人の香りが漂う
エスプレッソ

やぁ
カップからのぼる煙が
ゆらゆらゆれる

カッコつけやがって
種だけになった
さくらんぼが転んと転がる

ぐるぐるまわる
メリーゴーランド
あの子の笑顔が見え隠れ

わたくしの
かき混ぜられた世界は
繋がらないようで
繋がりながら

明日の朝ごはんの心配をしている

天気予報を見逃した

テレビの前で
猫は叫ぶ

聞こえないはずの
誰かの切ない声

わたくしのアンテナは
わたくしの『能力』では
裁ききれない『あれ』を拾ってきた

もう寝る時間よ

柱時計が
眠りにつく時間を告げる

わたくしは
そっと目を閉じる

この世界の『朝』がくるまで
わたくしは眠りにつく