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苦難にある者たちの告白*ある患者の詩

大事を成そうとして、
力を与えてほしいと神に求めたのに、
慎み深く、従順であるようにと
弱さを授かった。

より偉大なことができるように
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた。

幸せになろうとして
富を求めたのに、
賢明であるようにと
貧困を授かった。

世の人々の賞賛を得ようとして、
権力を求めたのに、
神の前にひざまずくようにと
弱さを授かった。

人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに、
あらゆることを喜べるように
命を授かった。

求めたものは一つとして
与えられなかったが、
願いはすべて聞き届けられた。

神の意にそわぬ者であるにもかかわらず、
心の中の言い表せない祈りは
すべてかなえられた。

私はあらゆる人の中で
最も豊かに祝福されたのだ。


         
この有名な詩は、ニューヨーク州立大学病院の
物理療法リハビリテーション研究所の受付の横、
その病室に今も書き残されたままだ。

もともとアメリカ南北戦争当時、
南軍の無名の一兵士が書いたもので、
サウスカロライナの田舎の教会で見つけたと、言われている。

この詩を日本語に訳して、
日本に広めた人がグリフィン神父で、
そのため「グリフィンの祈り」としても知られている。


昨日と呼ばれる世界が 身体から離れて行った時
何の変哲もないドアを開けたら
ただの 日常を写すような色の壁から
白金のキラキラの光が ひとつふたつとこぼれてきて
遠い時代の衣装を身に付けた 光でかたどられた人が 
ゆっくりと右手を振り下ろすと 数え切れないほどのキラキラが
ただ この魂に気持ちよさを与え続けるキラキラが
ひとつひとつの形のある光が あふれるようにこぼれだしてきて 
輝きすぎて見えない顔の代わりの その足元と片手だけが
目の前に差し出されて 恍惚感のような喜びだけが残されたあと
死ぬという事は恐くないかもしれないし
ゴールドというものは泥のようなものだと ただそんなふうに思った

それは まだあなたと出逢う前の話

「何か 私に才能というものがあると思う?」

「愛でる才能がある!」

そんな才能が一体なんの役に立つの?と
責めたくなるような気持ちを胸に飲み込んだ

愛でられてるって感じてたのなら それだけで許すよ

それがあなたが教えた詩の 祝福の意味なのかも知れない

大事なことは あとになって理解する

いつもの軽口かと思ってたじゃない

みんな誰かや何かが守ってくれてるのかもね

私もあなただったら良かったんだけどな





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