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観た映画はオッペンハイマー。

朝から通院。
無事、爆速で終了。
検査結果で医師に100点満点と褒められた。

やったー。

昼から映画のため、ショッピングモールへ向かう。

似たような家族連ればかりが、
朝っぱらから大勢押しかけていた。

そう、わたしもその内のひとり

映画まで時間があったので、寝具売り場に行った。

今朝、ちょうど自分に合った枕を買いたいと
言っていたところだったのだ。

一回寝させてもらい、とても良かったのだけど、
値段が高いため、検討しますと帰ろうとしたら、

「今ならこちらの枕40%オフになります」
という、店員さんの華麗なる営業トークに
心を奪われたのもあり、買ってしまった。

映画が終わるまで取り置きしてもらうことにして、ランチを食べに行った。

このお店は、ショッピングモールにしては、
値段がはるのだけど、昼時にはどのお店も
満席満員、行列で、ご飯を食べるだけで労力を使うので、ゆったりできる、いつもの決まったお店に
しか行かないことにしている。

デザートとコーヒーまで頼んでゆっくりできた。


観た映画はオッペンハイマー。

夫が2回目を観に行くというので、
「一緒に来る?」と言われ、3時間もの長丁場、
集中できるか不安だったけど、
(腰も悪いし、体調も万全ではない)
思い切って行ってみることにしたのだ。


結果、オッペンハイマーを観る前と観た後では、
観た後の自分の方が好きだと言えるくらい、
いい映画に巡り会えた時の高揚感に包まれた。


ノーランがオッペンハイマーと自分自身をある点では重ね合わせて、フランス映画っぽいのを作りましたって感じの映画だった。

お洒落だし、台詞回しもかっこいい。

テンポが早過ぎる+時系列が難解過ぎて
(ノーランの映画はどれもそうだけど)、
置き去りされているにも関わらず、
気にせずみれてしまう圧倒的な魅せ方のうまさ。


久しぶりに脳を動かしたので、終わった時には
額に汗をかいていた。

主人公のオッペンハイマーは、理論物理学を専攻している傍ら、6週間でオランダ語を学び、
講義ができるくらいの音感と語感の持ち主。
(サンスクリット語まで習得している!)


マルクスを原著で読み、労働組合の活動にも
熱心であるにも関わらず、弟の結婚相手が一介の
労働者階級であると知ると、反対を示す矛盾屋。

その労働者(lowly)への彼の「自然な」偏見が、
後半の詰問委員会にまで発展していくのだけど、
ノーランはオッペンハイマーのそのような不完全な人間性をさらっと見せるのが上手だった。


主人公に寄り添い過ぎず、ドキュメンタリーの
ように俯瞰で撮っていたのが印象的だった。


私は、元婚約者が自殺をしたと知り、
罪悪感でうずくまって泣いている中、
奥さん役のエミリーブランドが、
「不倫したくせに、自分はかわいそうだろ、と同情しろなんて虫が良すぎるな」と吐き捨てる
シーンが、スーパーかっこ良くて、好きだった。

この罪悪感は、原爆を落としてからの罪悪感に
繋がり、また、その後水爆に反対することにも
繋がってくる。


これは私の勝手な想像だけど、奥さん役は
ノーランの脚色というか、実体験ではないだろうかと思った。

実際、ノーランはオッペンハイマーに似通った部分があると認識はしているみたいだ。

詰問委員会でオッペンハイマーに不利な証言をした過去の同僚と、握手をしたとオッペンハイマーが
奥さんに伝えるシーンでは、
「そんな奴と、なんで握手するん?殉職者気取るのはやめろ!」と、
エミリーブランドがまたまた怒るのだけど、
ノーランも例えば授賞式とかで作品を批判した人と握手してしまって、それを奥さんに伝えると、

「はぁぁ?なんでそんな奴と握手するんじゃ!」

と怒られた経験をそのまま盛り込んだんじゃないかなと。


客観性と主観性が絶妙に混じり合ってオッペンハイマーという人物を立体的に作り上げていた。


原爆の実験が成功して、喜んでいるシーンや、
原爆を落とす場所を会議しているシーン、
広島、長崎といった地名が出てくると、
日本人としては、うっとなった。


ただ、アメリカでは原爆を落とすべきではないという嘆願書が出されていたことや、
アメリカ国内でも民間人に投下することに対して、人道的観点から暴動が起こるのではないかと
危惧されていたこと、ウラン型とプルトニウム型の2種類が同時に開発されていたことが、
はっきり描かれていたので、私はアメリカ人が原爆に対して、
「戦争を早く終わらせるために原爆投下は必要だった」という論から少し前進し、自戒の念を込めて
作られた映画であるとも思った。


なので、日本で公開を制限される必要はなくて、
これを観て、日本人として原爆に対して
知見を深めるきっかけになればいいなと思う。

あと、オッペンハイマーの奥さんは、
植物学者という優秀な女性であるにも関わらず、
ハウスワーカーになっていることが描かれていたけれど、女性の社会的地位という観点からは、
アメリカでは同時期に公開されていたバービーに
通ずるところだった。

21世紀宇宙の旅もこの2つの映画でリファレンスされていて、そこも共通する。

21世紀はバービーを観た後にNetflixで観ておいてよかった。

私もオッペンハイマーはもう一度観たい。

良い映画だった。

2024.4.20土曜日

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