見出し画像

英語習得の投資効果とは

自己紹介

ご覧頂きありがとうございます。新卒で食品会社に就職し、営業職を経験したのちにアメリカの子会社に赴任。約10年間海外駐在しています。
自分自身への備忘録も兼ねてアメリカでの体験や自身の考えをnoteに残していきたいと思います。同じ境遇やこれから海外に挑戦したいという方にとって少しでも参考になれば幸いです。

はじめに

私の中では英語は様々な資格やスキルの中でもかなり投資効果が高いものだと感じています。

そしてそれらはYouTubeやNetflixはじめ動画配信サービスなど生きた英語にアクセスするハードルが劇的に下がったこと、世界的なインフレや歴史的な円安という状況でますます加速しているように感じます。

その①:英語を習得すると生涯賃金で2億円の差が出てくる?

英語を習得することで、世界中どこでも働けるようになるといっても過言ではありません(就労資格等の制限は無視して)。つまりそれは同一労働でより高い対価を得る選択肢が広がることを意味します。

昨今、海外への出稼ぎが増えているというニュースもよく聞きますが、例えば出稼ぎ先にアメリカを選んだ時を考えてみます。

下表はOECD加盟国における2022年の平均年収一覧です。
日本(黄)は41.5千USドルで、アメリカ(赤)は77.5千USドルです。
実に約1.9倍(36千USドル)の開きがあります。

出典:OECD DATA

仮に大卒で22歳~60歳まで働いたとして、生涯賃金の日米差は1,368千USドル(2023.10.29時点為替レートで約2億円)となります。

もちろん社会保障や物価差もありますので、生涯賃金の差がそのまま正味の所得差とはならないでしょう。

ビッグマックの価格差で各国の物価差を比較しようというビッグマック指数というのがあります。下表を見るとアメリカではビックマックは5.58USドルで、日本は3.17USドルです(下表参照)。ここで約1.8倍の差がありますので、平均年収の差異1.9倍はほぼ物価差に合致します。そういう意味では年収の絶対額は異なるものの、体感的な物価という意味では日米ではあまり違いはないのかもしれません。

出典:statista - Global price of a Big Mac as of July 2023, by country
出典:statista - Global price of a Big Mac as of July 2023, by country

しかし、体感的に変わらないのであれば”絶対額”が高い方が良いのは言うまでもありません。なぜなら、節約努力の効果が大きいことや現在のリモートワークが発達した時代では物価水準が低い地域・国を居住地として選ぶなど選択肢が広がるからです。
逆に絶対額が小さいと選択肢が狭まります。

その②:英語習得にかかるコストは工夫の余地が大いにある。

効果は上記の通りですが、費用はどうでしょうか。
日本では学生時代の英語学習時間は約800~900時間と言われます。そして英会話を習得するにはそれらを差し引いて約1500~1900時間が一つの目安と言われています。

この1500~1900時間を大手マンツーマンレッスンに充てると最大で3,000万円弱(相場:単価15,000円/時間)かかります。3,000万円かけたとしても生涯年収で2億円の差が出てくるのであれば悪い投資ではないとは思いますが、他の資格と比較して英語習得についての大きな違いは投資額をコントロールする余地が大きいということだと感じます。

お金をかけようと思えば3,000万円かけることもできますが、工夫次第ではほとんど費用が掛かりません。そのポイントとしては英語を習得するために英語を勉強するのではなく、好きなことを英語で行う、予備知識がある別スキルを日本語ではなく英語で学ぶことだと自身の経験から感じています。

例えば映画鑑賞が好きなのであれば動画配信サービスで吹き替え版を見るのではなく、日本語字幕(Readingにある程度自身があるのであれば英語字幕)で見る、漫画が好きなのであれば、英語版をアマゾンUSから取り寄せて読むなどです。

意外におすすめなのが日本のドラマに英語字幕を付けてみることです。日本語のネイティブスピーカーなので、ストーリは耳から追えますので、あとは英語字幕に集中することが出来ます。
「なるほど、英語ではこういう表現の仕方をするのか」といろんな表現の仕方を蓄積することが出来ると思います。

もちろん理解度や楽しいと思う気持ちはそれなりに落ちてしまうと思います。しかしながら、英語学習自体あまり面白いものではありません。1500-1900時間というと1日2時間かけたとして2~3年かかります。言語習得にとって何より重要なのは継続です。そういう意味では自分へのご褒美とセットにして英語学習に対するハードルを下げることが重要だと感じています。

また現在有しているスキルをさらに深めたいと思ったときに、日本語で学ぶのではなく英語で学ぶという工夫もとても有効です。なぜならヒアリングひとつとっても予備知識の有無で全く難易度が違ってくるためです。
おそらくは全く予備知識のない英語教材よりも、普段から仕事や趣味で慣れ親しんでいる内容を英語で学ぶ方がすんなり入ってくるはずです。

そして他スキルを英語を使って習得することの副次的なメリットはより多くの情報にアクセスできるということです。ネット上の情報の6割が英語であり、日本語の情報量の28倍あるとも言われています。
劇的に情報収集能力が上がることになるので、ビジネススキルも同時に鍛えることが出来ます。
総合すると他スキルを英語で学ぶことはスキルアップ・英語習得・情報収集力アップという一石三鳥の可能性があります。

ただし、これらはあくまでインプット重視の学習であり、ビジネスレベルの英語習得には当然アウトプット時間の担保が重要です。そこでマンツーマン英会話を頼ってもよいと思いますし、ハードルは高いかもしれませんが英語が公用語のサークルやコミュニティに所属してみるのもよいでしょう。

今ではIT技術の発達で、個人間のマンツーマン英会話も低料金で利用することが可能です。こちらは日本語を教え、相手からは英語を教えてもらうLanguage Exchangeという選択肢もあるでしょう。

インプットを自助努力で担保して、何を言われているかすらわからないというステージを脱することができれば、アウトプットに対するハードルが下がります。そのハードルが下がることで選択肢も広がり投資額を大幅に低減する余地が生まれてきます。

私自身、このインプット重視の英語学習で英語を習得することが出来ました。詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

最後に

昨今、日本の世界での位置づけがどんどん落ちているという評価が多いですが、日本人の基礎能力の高さは未だ世界的にみて高い水準にあると思います。

しかしながら、英語に対する苦手意識・恐怖心から自分という人的資本を活用出来ていないのだとしたらもったいないことだなと思います。

いわゆるスキルが足し算だとしたら、英語の習得は掛け算だと感じます。
つまり、他のスキルを身につければ身に着けるほど英語習得の効果が高まるということです。

なによりアメリカで10年働いてみて感じるのですが、ネイティブスピーカーレベルの英語を目指す必要はありません。ビジネスの場ではネイティブしかわからないような表現より、誤解を生まない簡易な表現の方が好ましい場合もあります。

そういう意味では英語はあくまでツールであり、結局求められるものは実務能力です。そう考えると、自分自身の能力により高い価値を見出してくれる労働市場に出る切符として英語習得を目指してみてはいかがでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?