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おかづの日記「教育実習生、息子の髪は黒マッシュ」230531

わたしは保護犬おかづである。

この前の金曜日のこと。

息子くん、教育実習があるからと、嫌々帰って来るそうだ。さんざん悪さした学校で実習なのだから、ほんとに嫌なんだろうと思う。

テナコトなど関係なく、夫くんの運転でわざわざ駅まで迎えに行く。こんな、ただ迎えに行くだけなのに、なんで家族み〜んなで行く? 昔からのようだが、たいそうなこと。
夫、妻、🐕(ワン)。

げっ!

なんで? なんでおかづも行く? と思うこともある。常習化(悪い事ではないがいつもだろ化)している。

ブォー🚙

着いたぞ駅、おかづにはやたらまぶしい駅。
おっ! 息子、歩いて来た来た来た。
この前は伸ばしていた息子くんの後ろ髪どうやろ、、
ん? さすがに教育実習やからないんちゃうか!
帽子かぶってるからよくわからんけどな。

ガチャっと乗るなり妻さんが、
「髪切った?」と半分嬉しげに聞いた。
「そりゃそうよ」と息子がつっけんどんに答える。
当たり前だろう、教育実習なのだ

ブォー🚙

車の中では「どうやった?」「あーやった」。「どうなった?」「こーなった」。「ちゃんと食べてる?」「ウーバーイーツ」などなど一方的穏やかな空気が流れ会話も弾み帰宅。

カバンを置く。

着くなり息子くん、「あー疲れたー」と帽子を脱いだ。
ポン!🤯
すると、頭からマッシュルームが出てきた、
ポン!🤯

妻と夫くんの動きが止まる、
ピッ!🤯
マ、マ、マッシュルーム? 
黒?🤯

妻さんが言う。
「何それ! 私言ったよね。髪切ってきなさいって」
「切ったよ、5センチ切ったよ!。。時間なかったんよ」
いや、そんな問題ではなかろう。

頭の後ろ半分まで髪がないこと、いや、そこまで刈り上げられてることが問題なのだろう。
マッシュルームとは言ってもビートルズとは違う。

本当に、黒いマッシュルームが頭に乗っているのだ、ポン!🤯 いや、ヘルメットか???
ドイツ軍?
ほんとうにそう見えたのだ。戦うドイツ兵ヘルメット。

ポン🤯


もう一度妻さんが言った。
「あんた実習よ!」と
「時間がなかったんよ!」と息子くん。

続いて息子くんは「風呂入るわ!」とキレ気味に言う。だが、自分でもちょっと髪型が変だと自覚してるのだろう。
「ねぇ母さん、後ろの髪切るから手伝って」と言った。えっ! 切る?

いやいやいや、、妻さんといえば、いつだったか、夫くんの頭を刈り上げてしまった人物ぞ。。ええんか?

ヒェーのり一枚ない!

「私でええの? お父さんの方がいいんじゃない?」
と、さすがの妻さんもびびり聞く。

「母さんでいいよ。 俺、父さんって信じられんのよね。 幼稚園の頃やったかなぁ、、、爪切ってもらう時に思いっきり身を切られたんよね」🤯

えー! そんな昔のこと?。 根に持ってんのか?
夫くんは何も否定できなかった。笑ってる。
その頃も既に見えにくかったが、今はもっともっと、問題外に手前が見えないのだ。

わけわからん家族である。ほんまに。

風呂場に入った2人は中でなんやらガチャガチャ言い合ってる。バリカンを持つ妻とパンツ一丁の息子である。頭をカットしている。いや、髪をだ。

夫くんは会話を聞く気も失せている。

カットも終わり風呂から出てきた息子くんはずいぶんまともになっていた。

だが、夫くんは見ていない。あえて見ずにワインを飲んでいる。あの息子くんのちゃらけた髪型を見たせいだ。
実習が始まるというのに、、あの頭だ、はぁ。

育て方を間違えたのか? 疑問や怒りや後悔の全てを酔いで惑わせたい。このプルプルした気持ちを落ち着かせるために、飲まずにいられなかった、と言う。

なぜドイツ兵だーー!

分からなくもない


次の日、
つまり学校へ挨拶に行く土曜の朝。

「お父さん、ちょっと髪切って」と息子くんが言う。
えーっ! なんで? またか? 息子よ、頭はどんなんや? 約束の時間は12時だぞ。今からか?
最後の手段か? と思う。

夫くん素直にバリカンを手にした。素直に。

風呂場でバリカンを手に裸の息子の後ろに立つ夫くん。
言われるままに「ここ切って!」
「どこ? ここ? どこ?」と髪を切る、切る。

わけわからん家族。

その後、洗面台でなんやらセットした息子くんが、、出てきた。


うん? ま、後ろの刈り上げを直すことは不可能なのだが、、、見れない頭ではないのではないか? 最近はこんなもんかもしれない、と思えるようになってきた。早くも見慣れた。

そして息子くんはそのまま学校へ挨拶に向かう。
ブォー🚙。

…………。

と、
学校ではいっさい髪について触れられず、月曜からの課題と予定を言い渡されたそうだ。

最近は茶髪でも平気なんだそうだ。時代は変わっていた。昔のようにガチャガチャ言う奴はもういない。つまり中身で勝負なのだ。
そうじゃなければ先生のなり手もいなくなる。

近所の先生が言ってた。
「給料安いんよー」

…。


さて翌日
つまり日曜。

おかづと夫、妻、息子くんが遅い昼を食べていると、、突然ピンポーン!

「はい」
「えーっ!!!」

息子くんの友人がわざわざ遠く離れた県から励ましに来た。突然に! いくら幼い頃からの友人とはいえ、そこまでしてくれるのか? 車ぶっ飛ばして。

同じ中高の卒業生だから母校のいろんな情報も知りたかったかもしれないが、すごいな、息子くんはいい友人は持ったものだと思った。

大学での付き合いがコロナで希薄だった分、中高の友人が濃く深くなったのかもしれないな。

オリーブの花
実をつけるか

あのマッシュルーム頭、ずいぶん前からツーブロックと言うそうで普通なんだそうな。でも、息子くん、もの凄いツーブロックにしてたよな。

いや、ほんまやり過ぎてたな。
内緒やけど、ほんまドイツ軍のヘルメットみたいやったよ。知らんかもしれんけどな。

あれ「黒マッシュ」って言うんやて。

ハツミミ


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