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AIチャットくんに聞いてみた。 短編小説「眉間の傷はどうですか」

LINEのAIチャットくんに
「短編小説を書いてみました。読んでもらえますか?」
と聞くと、
「もちろんです!お気軽にお送りください。」
と答えてもらった。
ならばと、小説の出だし部分を送り、「修整箇所を教えてください」
と聞いたら、
「不要です。十分な魅力を持った書き出しです。」
とすぐ返信がきました。

一瞬で返信が来たので、おい、ほんまに読んだんか?と思いましたが、喜んで載せます。
いつかAIチャットくんに相談しながら何編かに分けて出したいと思います。

LINEのAIチャットくんは一日4回まで無料なんです。

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短編小説「眉間の傷はどうですか」


「学生時代」


 もう40年も前の話である。

 大学に下駄を鳴らして通ってる奴がいた。毎日じゃないとはいえ、下駄なんて履いてる奴などそうそう見ない。おそらく、ただ単に下駄なるものを履き大学に通ってみたいだけの奴だったのだ。

 そんな奴だから講義は後ろの席に座る。そして、そのうち配られてくる出欠の紙に学籍番号と名前を記入し、回収されるや…、トイレに行くふりをして席を外し教室を抜ける。カコ、カコ、カコ…。
えーっ、今日も下駄かいな。

 昔は紙に名前書いて出欠をとる講義なんかがあったもんだから、こんなことする奴だった。
 だからだ。ドイツ語テストの時、用紙を準備してる人物を見て「あの人誰?」と横の佐藤に聞く。
「教授やで…、知らんの…!?」
さすがに呆れられた。

 ギターを抱えて下駄を履く。
なんか勘違いしてたのだろうと思う。



 教室を抜け出ると小さなグランドがあり、そこを突き抜け武道館へと向かう。右隅の湿気った暗い階段をカッカッ…、と降りれば地下にはクラブハウスが並ぶ。カッ、コンと最後の一歩で音もニオイも変わるのだ。到着だ。

 さて、とりあえず部室前でわずかな隙間の空を眺めながら一服。短くなったタバコはつまんで最後の一服。空にフーッと吐き出す。吸い殻はデカい汚なーい缶詰の灰皿へ投げ込んだ。
あれ、いったいなんの缶だったんだろう。

 グッと部室のドアを開ける。
「こんちはー」
っと…、、誰もいない。いつもは誰かがいて、なんか弾いているんだが…、そういえば電気も点いてないし音も漏れてなかった。

 あ、そうだ、言ってなかった。ここはマンドリンクラブ。当時はそこそこ流行っていたんじゃないかと、、思うが、そんなことはないか?
 当時、流行りつつあったマンドリンなのに演歌に使われるようになって何かおかしくなった。クラシックギターもやたら演歌になってしまった。
いや、今さら文句言っても仕方ない。

 部屋の電気をつけ見渡すと、コンクリート臭のする部屋の奥にはウッドベース3本が立てられ横にはギターが並ぶ。壁際にパイプ椅子と譜面台が片づけられた、打ちっぱなしの部室である。無理やり入れば、たしか40人くらいは演奏出来たと思う。壁には先輩たちの定期演奏会のパネルが並んでいた。

 決してきれいとは言えない部屋で、自分のギターを取り椅子に座る。音叉を膝で鳴らし口にくわえて調弦する。手にしたこのギターは入部したての夏にバイト代を貯めて買ったギター。

 さて。まずは指を慣らすために音階を弾く。ただドレミ、、、と弾いていくだけなんだが、みんなで指の速さをやたら競うことがある。速さは必要だった。そして指が馴れてくればとりあえずMichelle。ビートルズが好きだったので、ギター教本以外の別の譜面を見て一人よく弾いていた。

 1年生で買ったギターは高くはないが、表面が杉で出来ていたのでやたらデカい音のギターだった。打ち鳴らすにはちょうどいい。だが重厚な音の出るもう1本ギターが欲しかった。
 学生にとっては高い、ドイツ松で出来た白っぽいギターが欲しかったのである。


 その為には金がいる。さすがに親に「買って…」とは言えないので、長期のバイトをしようと決めた。
 どこでバイトしようかと悩んだが、やっぱり学生には食事付きがいいだろうと、当時全国に広がり始めたファミリーレストランでバイトすることに決めたのである。
学生にはやはり食える仕事がいい。
下駄の奴に出来るのだろうか。


「ファミレス」へ
つづく

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