あかさたな

イギリスとジョルジュ・バタイユが好き🤟

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フランスへの謎の憧れ

フランスは「理想」の国だと思う。 つまり、実情はどうあれ、あるいは可能かどうかはさておき、美しい憧れみたいなものをいつの時代も追求してきたということだ。 この点で、フランスは果実の国というよりは、むしろ花の国なのだろう。 時折それは乱れ咲きとなり、徒花であれ世界中に薫香を散らしてゆく。 (他の国だと中国辺りがこれに近い気もするが、私は中国ミリしらなので断言はしない) そもそもフランスは、その最古の時代からして理念的なのだ。 まあ、大昔の「フランス」が今と同じ意味でのフラ

    • 信用貨幣論、善悪の彼岸、人類史という笑劇

      全ての門外漢が書いている 「貨幣の起源は信用だった」という説がある。信用貨幣論というらしい。 例えば、酒場の店主Aが客Bにツケでビールを飲ませてやったとする。 そのときに「〇〇酒場の店主Aにビール3杯分の借り B」みたいな証書を発行しておくのだ。 しばらくして、Aがこの証書を持ってBのもとに訪れたら、BはAに「ビール3杯分の借り」に見合うようなものを返済しなければならない。 まあ、Bがこの約束を反故にしたら終わりなのだが…… つまるところ、この約束を成り立たせているのは

      • 未来への絶望

        「明日は学校/仕事だから、そろそろ寝ないと……」と思って眠るのが苦手だ。 休みの前日や休日の昼間なんかに、ただ端的に眠ることは造作もないのに。 朝寝は快い。そこには目的がないからだ。ただ眠りの心地よさに身を任せるだけなのである。 それに比べると、夜に眠ることは難しい。夜は大抵、明日のことを考えながら眠るから。気を抜くと、明日やその先に対する「漠然とした不安」が大挙して押し寄せてきてしまう。 夜、布団に入り「明日のため」だなどと「未来」のことについて考え始めた途端、どうやっ

        • 恐怖と「男性」

          ここでいう「男性」は、ラカン的なニュアンスでの「男性」です! 既存のジェンダー・イメージを利用するようなずるいやつでごめんな! あと普通に妄言 ニーチェが『悲劇の誕生』『善悪の彼岸』で言っていることに「逆じゃね?」と思った。なお根拠はない。 ざっくりいうと「高貴な者は恐怖を掻き立てるものを善とするが、奴隷は恐怖を掻き立てるものを悪とする」的なことが主張されている(『善悪の彼岸』の312ページあたりで)。 でもって、「最初の冒涜(=肯定されるべき能動的な罪)は恐怖と苦悩を

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        フランスへの謎の憧れ

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          『宝石の国』感想

          今日読んで今日書いてる。にわかどころの騒ぎじゃない 最近完結したとのことで、『宝石の国』を一気読みした。 こういっていいのか分からないが、なんか『最終兵器彼女』を思い出した。 人類の想像力を超えた時空間のスケールで、とてつもない苦悩と孤独を味わいながらのたうち回った末、ようやく「諦め」の境地に至って救われる。 たとえその「救済」が、俗物の目で見れば一抹の虚しさを含んでいたとしても。 『宝石の国』にも『最終兵器彼女』にもそんな趣があったような気がする。 結局のところ、救

          『宝石の国』感想

          くだらね〜〜エッセイ集4

          単体で記事にするほどではないエッセイ集その4です。 最後が若干汚いです。 誤用だということは分かっているが 「性癖」という言葉に代わる語彙が見つからない。 「同じ意味を持つ言葉」というだけなら「性的嗜好」辺りがあるけれど、やっぱりニュアンスがね、なんか違うんですよ。 「オタクの笑える業の深さ」と「ライトさ、カジュアルさ」の両方をニュアンスとして感じさせる言葉って、今のところ「性癖」しかない気がするんだよな〜〜わりかし気軽に使えるけど、その気になれば一気に「業」を感じさせ

          くだらね〜〜エッセイ集4

          めっちゃ性癖の文章に出くわした。ひゃっほう!

          ⚠️何か問題があったら消します。めっちゃ勝手に紹介しているので…… この一文を読んだとき、久しく感じていなかった種類のときめきを感じた。酸いも甘いも知ってなお、笑うことを心得ている人間に対して感じるときめきだ。 このnoteがめちゃくちゃ好きだ。誤解を恐れずにいえば「性癖」なのである。 矜持とユーモアとが折り重なっていて、クスッと笑ってしまうようなおかしみがあるのに、その誇り高さに心を鷲掴みにされるような心地もする。 文章からたくさんの苦悩や思考の足跡みたいな「深さ」

          めっちゃ性癖の文章に出くわした。ひゃっほう!

          美しい温度

          言うまでもなく、人の文化はヒトの五感によって制約されている。 芸術からポピュラー・カルチャーにマス・カルチャー、嗜好品・贅沢品から日用品に至るまで、あらゆるものは「ヒトの五感を楽しませる」ことを念頭に置いているのだ。 目(視覚)を楽しませるものとして、絵画や映像やファッションがある。 耳(聴覚)を楽しませるものとして、音楽がある。 鼻(嗅覚)を楽しませるものとして、香水やお香がある。 舌(味覚)を楽しませるものとして、料理がある。 肌(触覚)を楽しませるものとしては、例を挙

          美しい温度

          刹那主義者

          自分でいうのもなんだが、私はおそらく思い切りのいい刹那主義者である。 大学を出て就職するにあたり、地元から離れたところに引っ越して車も用意した。今は一人暮らしの部屋でこれを書いている。 きっと「就職」というイベントが起こった人たちの中でも、生活の変化が大きかった方だろう。 では「心機一転、これまでと生活を変えよう!」という強い決意でそうしたのかといえば、そういうわけでもない。 なんか思いつきで行動してたらこうなっちゃったんだよね☆ 思えばいつもそうだ。 いつも「まあ、嫌

          性格最悪女王様が好き

          拙者、善人か悪人かでいえば確実に悪人な、性格最悪人格破綻倫理観滅殺クソ女のくせに、圧倒的に強くて有能で、どうしようもなく魅力的な女王様が大好き侍!!! むしろ性格最悪であればあるほど最高!!!! ほら、『チェンソーマン』のマキマさんとか、『プラダを着た悪魔』のミランダとか、『おねロリチェキスト』のエレナ・ヴァイスみたいなのね。あと若干毛色は変わるけど『叛逆の物語』のほむらちゃん。 「ようやく憎きあいつを倒せるぞ……!」と思ったのも束の間、相手の方が何枚も上手で、こちらの策

          性格最悪女王様が好き

          善と無力(キリスト教によせて)

          アウグスティヌスの時間論 ニーチェ『善悪の彼岸』 バタイユ『宗教の理論』 言うまでもなく、善くあるためには無力である必要がある。そして、この無力さには一抹の愚かさが含まれている。 そしてその「愚かさ」とは、合理的な判断ができない文字通りの愚かさというより、愚かでいようという合理的な判断なのだ。 例えば、善の神は無力だ。それは無力を貫き通して十字架上で死ぬような神なのである。苛烈さや恐ろしさのゆえに神であるような、多神教の神々とはわけが違う。 そして、この「無力さ」も文

          善と無力(キリスト教によせて)

          uniとomni

          少なくともヨーロッパに限れば、普遍性には二つのタイプがあるように思われる。uniとomniだ。 一つ目のuniだが、これは「ただ一つの価値体系に統一された世界を普遍的なものとする」ような普遍性といえば良いだろうか。時代でいうと近現代、国でいうと近代国民国家、建築でいうとル・コルビュジエみたいなタイプだね。情熱に浮かされ、肉体を捨てて「一つの理想」に向かって飛翔していくようなイメージ。 連想される単語は「単一性」「普遍性」「理性」「秩序、静謐」「革命、改革」「明朗さ、軽やかさ

          現場は勝手に工夫する

          相変わらず働いている。最近は現場にいる。 うちの本部は「徹底したマニュアル化によって、個々の従業員の工夫に頼らずとも現場が回るようにする」を旨としているようだが、ほんの少し現場を見ただけでも実情は違うと分かった。 もちろん、マニュアルにはこんなこと書かれていない。 「場合によっては多少適当でもよい」「雰囲気で判断する」なんて書くわけないじゃん? しかし「雰囲気で判断する」ことができるなら明らかにその方が効率的だし、実際現場の人間はそうしてきたのだろう。マニュアルがあろう

          現場は勝手に工夫する

          意地で書いている

          さて、クソッタレな社会人生活が始まった。 なにせ今のところ、一日の中で自由時間と呼べるものが3〜4時間しかない。移動時間がバカ長いため、実働時間に対して拘束時間が長くなっているのだ。 それだって、食事や風呂、食料や日用品の買い出しなどの時間を除けば、ほぼ2時間しか残らない。やってらんねー! こんな生活を続けるくらいなら仕事なんてさっさと辞めてやろうかとも思うが──とにかくだ、仕事を辞めるにせよ辞めないにせよ、私は自分がこれまでにやってきた「楽しみ」を決して犠牲にしたくはな

          意地で書いている

          現代社会への悪口

          元は↓の続きとして書いていた文章なんですが、めっちゃ脱線したから分けました! 規則正しい生活を送り、よく食べ、よく運動し、よく眠り、いい感じに働く──現代社会の理想である。 さて、食べることはそんなに好きじゃない。なんで一日三食も食べなきゃいけないんだよ。食いすぎだよ。 毎度毎度「今日何食べた?」とか聞いてくるのをやめろ。「何も食べてない」とか「ちんすこう」とか返事したときにドン引きするのもやめろ。 ってか、みんななんでそんなに「食べること」を神聖視しているの? 「食べ

          現代社会への悪口

          「かっこつける」ということ

          「大学で学んだこと」なんて自分でいうのもおこがましいのですが、私個人の話をいたしますと「既存の学説を批判しつつ、決して完成しない実証性を追い求めることが学問である」という姿勢こそ、一番の学びだったように思われます。 そして、この途方もない道を歩き続ける人たちに畏敬の念を覚えました。というのも、学問の、既存の学説を批判して少しずつ乗り越えていく営みは私にとって、ぬかるんだ悪路を旅するように足取り重く、長い道のりと感じられたからです。 自分の主張を単なる思いつきではなく学問たら

          「かっこつける」ということ