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いかすバンド天国とはなんだったのか

昭和天皇の崩御、そして平成という新しい時代が始まる1989年1月。
当時中学生だった自分は、新聞のラテ欄でたまたま見つけた深夜番組にすぐさま心を奪われた。「平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国」(イカ天)という、アマチュアバンドが参加する音楽番組だった。

80年代、勝ち抜き式のTV番組といえば「お笑いスター誕生!!」などが人気を博したが、お笑い第三世代ブームとほぼ時を同じくしてアマチュアを中心としたロックバンドのブームもピークにあった。
都心では歩行者天国(ホコ天)にバンドとそのファンが集まり、学園祭さながらの盛り上がりを見せているのをTVで眺めていた自分も、毎週イカ天を録画したVHSを学校へ持ち寄り、クラスメイトたちと見入っては「いずれこの番組にいっしょに出よう」などと語り合った。

番組はバンドブームの衰退とともにおよそ2年ほどで終了した。あの頃の仲間たちとは進路を違えたのもあり、その後も楽器を続けているかは分からないが…当時この番組に熱中したのであろう人たちと遭遇することは度々あった。時代の潮流のなかに居て体験したことが、重要な経験や思い出として酒の肴的に語られていくのだ。

(なんと昨年発売されたオムニバス。当時出演し現在も活動しているミュージシャンによる新録の音源)


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