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【詩】 初恋温泉街


独特な匂いが鼻をついた
ぼくは地の底からの熱を感じていた
映画のセットのような温泉街
男だから女だから
だからだから
だからカラダだから
とか言いだす前の
かつての日本のような温泉を
みな一緒に楽しんでいる

オレンジがかった
街のあかりが美しい

ぼくは下駄を
カラカラ鳴らしながら
湯を巡った

温泉ギライで有名な
詩人のS氏が
打たせ湯に打たれている
ぼくは思い切って
S氏に悩みを打明けた

「どうしてなんでしょう?
すずって音をきくと
胸がドキドキするんです」






青い鳥書店🐦


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