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【作例あり】新フィルム、HARMAN PHOENIXは非常に良い一本

昨年の12月2日に発売されましたHARMAN PHOENIX。一通り撮り終え現像までしてきましたのでひとつ書きたいと思います。使用したカメラは例によってCanonet QL17です。メインのE-M1 Mark IIIの出動率を超えそうで少しまずいかもしれないと思っている今日このごろでございます。

このフィルムの私の印象としましては70年、あるいは80年代のでしょうか、その頃のアメリカンな雰囲気を思わせてくれるなといったところです。赤の描写が特に得意であるフィルムでしょう。不死鳥をイメージすると赤なのでそういったところからこの名前がきているのでしょうか。箱も赤いです。

使用カメラQL17と使用前のフィルム。
なかなかすごい色のフィルムベースです。

またこのフィルムの特徴と言えば際立つ粒状ノイズです。ISO200とは思えないほど出ます。参考に白黒ですがNewSEAGULL100とDELTA400も貼っておきます。ISO400のDELTA400と比べてもより多いと感じます。しかし粒状ノイズが多いので固い感じがするかというとそうでもなく案外優しい写りです。というのもこのフィルム、かなりユルイです。

NewSEAGULL100 (ISO100)
DELTA400 (ISO400)

照度が低いとユルさがさらに顕著です。下の写真はピントは無限遠で、それなりに絞ったと記憶していますがあまりはっきりとは写っていません。またアンダーですと白が緑にコケやすい傾向にあるといえそうです。暗いところの撮影向きではないですかね。ISO200なのでそもそも暗所向けではないのですが。どちらにせよ、曇りの日はできれば避けたほうがよいかもしれません。

比較的暗い場所での撮影。ところどころ緑色にコケている個所が見受けられる

しかし明るいところの描写はピカイチです。照度の高いところですとユルさも気にならず、上記したように優しい写りに仕上がります。現像が上がったときは「おっ、なかなかいいじゃないか」と思いました。フィルムベースは真っ黄色でゲテモノ感満載ですが、その衝撃を遥かに上回ります。夕方の描写、特にこれが良いです。オレンジの光をよく表現してくれます。夕方の物悲しい雰囲気を伝えられる雰囲気です。あとはレンガの色もいい色に出してくれますね。美しいオレンジ色です。

空の色もなかなかに特徴的です。自分に近い空の部分は濃い青に写り、遠くなるにつれてシアンにへとグラデーションしていきます。kodakっぽい空の色ですね。

ではこのフィルム、どんな人にオススメかですが少し古いアメリカンな映画の雰囲気で写真を撮りたい人です。光源が色にじみすることも相まって映画のような情景になります。被写体に関しては物撮りのような暗所になりがちなものを避ければ、何でも良いのではないかと思います。ただこのフィルムを使うならぜひ晴れた屋外、特に夕方に使っていただきたいです。繰り返し書いていますが、それほどオススメなのです。

¥2,500近辺のある程度いいお値段のフィルムですが、その価値はあると私は思います。また来月辺りに使おうかしらと思っております。


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