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はじめまして、あんです。エッセイ|体験記|写真 。お気軽にお読みいただけたら嬉しいです。

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エッセイ|両親が並ぶ日に峠を越えて

車をしばらく走らせると高い建物が消え、空が広がり山々が視界に飛び込んでくる。 こころなしか空気が軽くなっていくような感覚だ。 さらに20㎞ほど走り続けると、車の台数が減ってくる代わりに二輪車がチラホラ現れ始める。 今日はさわやかな空気、バイクで峠を走るのはさぞ気持ちが良いことだろう。 そんなことを思いながら窓を開けると、本当にいい風が入り込んで来るじゃないか。 後部座席の窓も開けてみた。車内で風がぶつかって踊る。 途中で立ち寄った道の駅(道の駅に寄るのが運転の楽しみの

    • エッセイ|心にうつりゆく母の日のこと

      「ありがとう」 それを伝える人がいない、初めての母の日でした。 いつも発信しているX(Twitter)のタイムラインを眺めていると、母の日にちなんだ投稿がとっても多くて ほんわかと心が温かくなるもの、まるで懺悔のようなもの、母親の立場で〈かつての母の日〉を振り返るもの… さまざま並んでいました。 その中で 〈お手伝い券〉をもらった思い出の投稿があって、ふいに年末のことを思い出したのです。 昨年11月末に母が亡くなり、やっと気持ちが落ち着いたころ 母がいつも持ち歩いてい

      • エッセイ|ぼっちメシと芝の青さのタイミング

        いつもなら、ひとりdeごはん とか のんびりランチタイム とか。 そんなふうに思ってのんびりゆったりと食事しています。 でも。世の中、ゴールデンウィークですね。人によっては10連休に入ったわけです。 我が家の構成は 夫:医療福祉従事者 長女:医療福祉従事者 夫は日曜日が休みですが、基本的にどちらも祝祭日関係ありません。 次女:院生 研究とアルバイトに余念がなく、休みの日でも忙しい。 ですのでゴールデンウイーク初日からひとりで過ごすことになりました。 いってみればいつも

        • エッセイ|スタバでふたつだけ…

          Starbucks。カスタムオーダーをしている人は多いのだろうか?と、ふと考えました。 側で聞いていると呪文のようなもので、例えばミルクの種類を変えたりシロップを追加したり抜いたり。 抹茶クリーム フラペチーノ・ノンバニラシロップ・エクストラパウダー・ エクストラホイップ・ウィズチョコレートソース ↑ 例えばこんなのですね! 若い子たちは当たり前 アラフォーの年齢までも、好みに変更して楽しみ アラフィフをこえてくるとスタンダードのまま、の勝手な印象を持っています。 な

        エッセイ|両親が並ぶ日に峠を越えて

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          並んで見た最後の風景

          写真の整理をしていた。 iPhoneにはおびただしい枚数の写真があって、毎月気が向いたときにその月の写真を選別する。 検索窓で《2月》と入れると過去から今日までの2月の写真がダーっと並ぶ。「これはもう要らないかな」と思うものを選ぶと、ゆうに100枚以上はある。 そんなことを今日の満月の写真を取り込んだついでにやっていたら、目にとまった1枚があった。 山梨県のとある病院の、面会スペースにある大きな窓越しに撮ったもの。 このとき、わたしは車椅子の父と並んでこの風景を眺め

          並んで見た最後の風景

          エッセイ|20年の時を経て分かったこと

          その昔、もう20年前になるか。 日本のマダムたちを夢中にさせた「冬のソナタ」という韓流ドラマがあったのをご存知だろうか。ちなみに私は一度も観たことがなく、そのころは「白い巨塔」を楽しみにしていたような気がする。なにしろ山崎豊子の作品が好きだったからだ。 「冬のソナタ」はなぜマダムたちの心を鷲掴みにしたのだろう。甘さか?やるせなさか?はたまた「ヨン様(主演のペ・ヨンジュン)」の美しさなのだろうか?もしかしたら、恋愛から卒業した世代の恋心を刺激したからだろうか。 はたから見

          エッセイ|20年の時を経て分かったこと

          気になる記事ご紹介|きっと全てに通ずる

          ちょっと読んでみてほしい、気になる記事を見つけました。 占い。タロットの読み解きについて書いていらっしゃる。「占いなんて興味ないわ」と思うこと勿れ、これ、『考え方の本質なのでは?』と感じたのでシェアしています。 もちろん実際に占いをしている方・占いに興味がある方にとっても一読の価値あり。価値ありというより、価値そのものなのではないでしょうか。 しっかりとした筋の通った文章で読みやすく、モノを書く観点からも学びの多い記事でした。 こちらからどうぞ↓

          気になる記事ご紹介|きっと全てに通ずる

          エッセイ|子供の雪、大人の雪

          何年か振りの積雪。 昨日は昼くらいから雪が舞いはじめ「不要不急の外出は控えて」とか「大雪警報が」とかの言葉をたくさん目にした。 東京に程近い我が家は行動範囲に都内も入っているし、雪を想定した生活をしているわけではないので「今回も電車も道路も大変なことになるだろうなぁ」と考える。 こんな日に限って用事が立て続けに入っていたものだから、外に出ざるを得ない。ちょうど降りはじめの時間から何度も出たり入ったりしていたわけだ。 それにしても。時間が経つに連れて白くなる景色に心躍る

          エッセイ|子供の雪、大人の雪

          音の記憶|ショートショート

          親族と訪れた和食のチェーン店。 平日の昼時だからか、はたまた少しお高めの設定だからか店内はさほど混んではいない。 案内された席に一番最後に座ると、すぐに空調の音が気になり始めた。 人数が多いのもあるが何もこんな席に案内するなんて。横の通路はすぐトイレへと続く入口だし、斜め後ろのは厨房と繋がっていてパタパタと従業員がせわしなく出入りしている。 さらに絶え間なくカタカタ、カタ…と頭上から空調の音が降り注ぐのだ。 それでなくとも気の進まない会食なのになぁ、と、もう仕方なく食

          音の記憶|ショートショート

          エッセイ|わたしは初めて「個」になった

          先日、母が旅立った。 空はどこまでも青く 風は吹いてはいたが、日差しがとても暖かく 美しい日だった。 「少し眠いから横になりたいわ」 食事中にベッドに入った母は、そのまま眠るように穏やかで静かに最期のときを迎えた。 生前母が望んだとおりの死。ベッドに入ったら眠るように逝きたい。 「これだけ医療が進んだ現代では夢のような話だよね」 なんてよく話したものだ。 死の前日、母を病院へ連れて行ったとき 「わたし、どうなっちゃうのかしら」 「独りぼっちになっちゃうの、さびしい」

          エッセイ|わたしは初めて「個」になった

          エッセイ|水飴のような人

          人との関係は難しい。 とはいえ、付き合う中で「この人とは難しいな」と感じる人は、ほぼ第一印象で分かる。 第一印象といっても、よく言われる清潔感とか言葉遣いではなく (もちろん大事ではある) 「ねっとりしている」かどうか。 この人怖そう 近寄りがたい そんな人は大抵が「自分が持っていないけれど自分に必要なもの」を備えている人。 そういう人は付き合いが長くなるほどに居心地がよくなる。 どんなにニコニコしていても 耳に心地いい言葉を発していても 水飴のようにねっとりとしたもの

          エッセイ|水飴のような人

          エッセイ|壺の中は毒

          わたしの中には壺があって 苦しいことがあればソレを 理不尽な相手に投げつけたかったけれど飲み込んだ言葉を 悲しいこと 辛いこと 我慢したこと 怒り そんなソレらを 壺の中にひとつひとつ落としていっては蓋をする 蓋をしてしまえばもう見えない もう、無かったことと同じだ と、思うでしょう? わたしはそう思っていた だってもう、見えないから 何年も何十年もソレらで満たされた壺はひとつ、またひとつと増えてゆき わたしの中は壺だらけ 喜びや 幸せや 感動したこと そうい

          エッセイ|壺の中は毒

          インフルエンザが流行っているみたいですね。 もれなくわたしも…。 お見舞い画像いただきました。

          インフルエンザが流行っているみたいですね。 もれなくわたしも…。 お見舞い画像いただきました。

          エッセイ|季節はいつも知らぬ間に

          「木枯らし1号です」 昨日TVから聴こえてきたニュース。 身体の痛みに耐えつつ ぼんやりする頭で 「そうなんだぁ」と耳を傾けた。 週末にはしゃぎ過ぎたからか、急に気温が下がったせいか風邪をひいている。足首がやけに冷えたからそれも要因かも知れない。 急な寒さに、冬用の洋服を取り出す時間もなく出かけることになってしまったから。 ふと、そういえばここ何年も何十年も気づけば季節がめぐっていた。 今年はまあまあ、 春は美しさを楽しめずに終わってしまったけれど、初夏から猛暑日、

          エッセイ|季節はいつも知らぬ間に

          なんて楽しくて、なんて充実していて幸せで でも疲れた一日だっただろう

          なんて楽しくて、なんて充実していて幸せで でも疲れた一日だっただろう

          エッセイ|ハイヒール

          「ヒールの高さは女のプライドの高さだよ」 口癖のように声に出す友人がいた。彼女はいつも7センチヒールを履いている。もっと高いこともある。わたしはといえばヒールは5センチ、たまにスニーカー、夏はクロックス。 だから「もっと高くしたら?」と何回言われたか。女としてのプライドがないように映っていたのだろう。たしかに『女としてのプライド』があったのかどうかは自分でも怪しいが、ひとりの人間としての信念はあったつもり。 どんなときでも彼女は高級なものを身にまとっていた。一目見て分か

          エッセイ|ハイヒール