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ゲームブック制作日誌2【元剣士と雪の民】・その2・Twineについて



「元剣士と雪のたみ
・2023/10/1発行
・判型:文庫判(A6)
・表紙:カラー。ダストカバー無。帯付き。
・ページ数:140P
・パラグラフ数:104
・付録:しおり兼冒険記録用紙
・価格:600円
・表紙:コート紙180kg・本文:コミック紙(クリーム)


先日制作したゲームブック、「元剣士と雪のたみ」の作成に使用したツール「Twine」の使い方覚書です。
自分のための備忘録ですが、このツールを使ってみようかという方の参考になるかもしれないので、公開します。

本作のTwine上のフローチャート。

Twine覚書:別媒体用、特に連番を振ったパラグラフを配置するゲームブック的な何かを作成するための補助ツールとして使う場合

今回からTwineを制作補助ツールとして使用しております。
Story formatはHarloweを使用。

renameで、各Passageのリンク指定も自動更新されるのが大変便利です。

以下、その概要と今後の作業の備忘録のようなもの。
・仮パラを、ページ配置した後に本パラに変更する場合、
例えば仮パラ20で、本パラ123だった場合、
元パラnameは020
それを020_一二三に変更すればOK。

例:
(注:頭の数字は本文の文頭に手入力している(ひな型入力済)Passage name。ここはデータ上のnameとともに手直し。
選択肢カッコ内の ->選択肢先 は、それを行うと自動更新される)

変換前
010
あちらとこちらに道がある。
[[こちらに向かうなら->020]]
 
 
変換後
010_七〇
あちらとこちらに道がある。
[[こちらに向かうなら->020_一二三]]
 
このパラ番号(飛び先部分)を、本パラ順にInDesign上に配置した同箇所にコピペすればよいので、パラ変更ミスが防げる&確認が省力化されるはず。


★文章については、書いたものを一旦Twineにコピペ→nameに上記の通り本パラ番号付加→Ploofを組版データにコピペ……で進める予定です。
(文章自体もTwineに直接入力できるならよりスムーズですが、日本語の文章、特に物語は縦書きで書きたいので、ワープロアプリで書きます)
もっと安全確実効率的な方法が見つかればその方法で進めます。
 
★実際には、仮パラ番号を本パラに付け替える際、ページ並びを確認することも兼ねてInDesign上で組版していき、その後、本パラ番号をTwineに記載、移動先をInDesign上で変更、という形で作業しました。
その後更に、内容の不具合に気づいてパラ追加なども行ったので、本パラ決めまでTwine上で先に行うのは今のやり方では難しいようです。
理想としては、↓以下のように作業ができれば可能です。次作ではこの流れを試したいと思います。
行数確定→デバッグ(内容に不具合がないことを確認)→InDesignに入れる前に見開きの並び確定→Twineに本文コピペ→本パラ番号追加→InDesignで組版
 
★と書いた後で、大きなミスが発覚しました……。申し訳ないです。
これはTwine関係ないミスなのですが、文字修正をした後、もともと記載していた部分を間違って消してしまったという……。
修正後の確認、怠ってはいけないということですね。。。
ボドゲガレージでご購入くださった方、もし見ておられましたら修正済の本と交換対応いたしますので、次回以降の参加イベントに現物をお持ちください。修正用紙データも後程公開いたします。→いたしました。↓ご参照ください。


・Passage nameの一覧などの機能はない(name重複はできないしくみだが、(重複名にrenameしようとすると警告が出て、できないようになっている)nameは別に連番の数字でなければいけないというきまりはないため、ヌケがあっても確認する方法はない(あったら教えてください))ので、仮パラグラフ数および内容の管理は表計算アプリなどで別途行っておくと確実。

・番号欠けが生じないようにするには、事前にPassage→newで連番Passageを作っておく。
事前にひな型を作っておけば、後々使いまわせる。
↑この単純作業を省力化できる方法、またはPloofの並び順も含めて編集する
がありそうな気がします(あったら教えてください)。
(ひとまず連番のひな型は手作業で作りました)

そうすれば、Ploofを表示して書き出しする際、仮パラ順に並ぶので管理しやすくなる(気持ちの問題かもですが……)
その後、番号が若い(または任意の番号の)パラグラフから内容を書き加えていく。
リンクは自動で行われるので、基本、番号の若い順に指定し、その後指定Passageを更新すればOK。
★追加パラグラフの場合は後番号になるが、差し替えは大変なのでキリの良い数字のまとまりを追加分としておくとよいかも。ただし、そのやり方だと欠番が出る可能性があるので注意。

・htmlにはPassage nameは表示されないので、テストプレイ時に確認しやすいようにPassageの文頭には仮パラグラフ数=nameを入れておく。
nameに本パラを入れる際も、合わせて追記すれば確認しやすい。
 
★全て入力後、表計算アプリで本番パラの配置を行う。
それから、先述の通り各Passageに本パラの番号を付加。
その際、Passage nameだけでなく、本文中の文頭の番号も更新すれば間違いない。
 
★何かの間違いでPassageを消してしまい再生成するとPloofの並びがずれるが、エクスポートしたファイルは編集しやすいテキストデータなので、その順を入れ替えてインポートすると直せる。
 
★Twineでパラ構成→ワープロアプリで文章作成→表計算アプリとInDesignで本パラ組み直し→テストプレイ→不具合発覚→パラ追加→Twine修正→組版修正
という状況が発生しました。Twine上でのテストプレイでパラ不具合に気づければよいのですが、本として組んだ後に気づく&修正が必要な場合もあります。そうなると結構手間がかかる上に、ミスが生じる可能性も上がりますが、これは仕方ないか……。
具体的には、
・ある場所Aに南から「着く」描写と、その場所Aからさらに別の部屋Bに移動する説明を一つのパラグラフで済ましてしまっていたため、北Cから着いた場合に不自然な内容となっていた。→Aについてのパラ、Bについてのパラを分割し、CからBに移動できるようにした。
・通路の途中、分岐のない角を一つの通路として描写していたが、地図を描写する場合、あるいは場面を思い浮かべる際分かりづらいと気づいた。→角のパラを追加し、位置を分かりやすくした。

今回は項目番号再振り分けの際、見開きページに過不足なく各項目を配置するために、事前に行数を確認しました。
が、数字のみ見て配置した結果、話の前後の項目を同じ見開きに並べてしまうというミスが複数発生。
一度振った本項目番号を振り直すと表記間違いが発生しやすく、また、再確認に時間を要します。
それを防ぐため、内容のまとまりごとに色分けや記号を付けるなどして、
同じ見開きに並べてはいけない項目の管理も必要、という学びを得ました。

各パラグラフの行き来をフローチャート式に編集でき、本当に大変便利。今後も使っていきます。
作成ツール上の矢印の色や種類が編集できればもっと助かりますが、それは可能でしょうか。ご存じの方、おられましたらご教示ください。


付録:デジタル(インターネット上)で遊べるゲームブックを作成したい場合に参考になりそうなページ

変数などのスクリプトについては公式マニュアルが用意されています。
オンライン(web上)で遊べるように作る場合に役立つ感。

https://twine2.neocities.org/

日本語で書かれたTwineの案内記事いろいろ

https://note.com/mewoyomo/n/n47ef68b87ddc

http://tct.sblo.jp/article/189706088.html

https://blog.gamebook.xyz/archives/234