作業量を増加させるために導入した取り組みと評価

みなさん、こんにちは。
ニートだった状況から、博士後期課程に進学した男です。

この記事では、直近2週間の自分の作業の進捗管理の方法とその運用結果などについてまとめています。

そもそも、この記事を執筆した理由は、大学院生の生活の一例を示すためです。人によって「この程度しか研究していないのか」や「思ったよりもやってるんだな」などそれぞれ思うでしょう。
でも一人一人が違うように、やり方は人数分だけ違っていいと思います。ですので、少しでも参考になる部分があれば嬉しいです。そういう人が1人でもいれば、とても幸せです。なお、記事を執筆するに至ったきっかけは最後のおまけに書いてあるので、お時間が潤沢にありましたらお読みください。

さて、前置きはこの辺にして。
本題に入ります。

取り組みの概要

最初に取り組みの概要を紹介していきます。
私が取り組んでいた方法は、「ポモドーロテクニックで時間管理」と「GitHubのカンバン方式でタスク管理」を合わせた方法です。この時点で既に内容が見えた人は、これ以降は読む必要はないと思いますので、別の有用な記事を読んでください。決して新しい方法ではありませんが、少しでも読んで価値ある記事を執筆したいと思っていますので、よろしければもう少しお付き合いください。

さて、それでは続きを説明していきます。

ポモドーロテクニックで時間管理

まず1つ目は、ポモドーロテクニックを活用することです。ポモドーロテクニックは、Francesco Cirillo氏によって考案された時間管理の手法の1つです。

この手法を端的に説明すると、25分間のタスク遂行時間と5分間の休憩を繰り返します。また、4回に1回は20分から30分程度の長い休憩を取ります。(図1参照)これを基本として、すべての作業時間でこの流れを繰り返します。

図1 ポモドーロタイマーのイメージ(25分の作業+5分の休憩、4回ごとに20分の休憩)

私はこれまでに幾つかのタスク管理の方法を実践してきましたが、この手法には重要な点があると思います。それは、この手法をスムーズに実行できるようになるには、タスクの大きさ・時間を正しく見積もれる能力を身につける必要があるということです。

まず、1pomo(※1)に実行できるタスク量を見積もる力を身につける必要があります。例えば、「課題Aを遂行するためには、6 pomos(およそ3時間)必要だな」と考えたり、「雑務が色々あって細々としたタスクだけど、まとめてやれれば2 pomos(およそ1時間)もあれば遂行できそうだ」と見積もったり。

これができるようになると、次にある程度大きなタスクについてもどのくらいの時間を掛ければ遂行できるかを見積もれるようになります。例えば、「XXXプロジェクトでは、タスクAとタスクBと、…、タスクNがあって、それらはそれぞれ平均して4 pomosもあればいけそうだ。つまり全体で10日もあれば遂行できそうだ」といった具合です。

※1:1 pomo: 一般的な呼び方かは定かではなかったので、ここでは1回のタスク実行時間(25分)として考えてください。

書き忘れていましたが、タスクの大きさを見積もる以前に、自分のタスクの遂行速度も認識しておく必要があります。「Aさんなら3時間で終わったから、自分も同じくらいで終わる」はあまり適切ではない認識方法です。ほぼ同じ能力値で得意・不得意が似た傾向であれば参考にしても良いかもしれませんが、そうではないなら一度試験的に時間を測りながらどのくらいで遂行できるのかデータを取ることを推奨します。自分自身の能力、というか遂行速度と感覚を数値化できると、そのデータを参考にして未来に遂行する予定のタスクの遂行速度などの根拠にして良いと思います。

さて、ここまでの話をまとめます。

ポモドーロタイマーを有効的に使うためには、区切られた時間ごとに遂行できるタスクに切り分ける能力を身につける必要があります。また、そのためには自分の能力を感覚的なものだけではなく、数値化することが重要です。

GitHubのカンバン方式でタスク管理

続いて、GitHubを用いたカンバン方式というものを説明していきます。

GitHubとはそもそも、ソフトウェアを開発する過程などでバージョンを管理ツールです。しかし、GitHubは長い歴史(とはいってもできたのはコンピュータの歴史よりはずっと浅い)を経る過程で、というよりソフトウェアの開発手法が検討される過程で色々な機能が洗練されてきました。

その過程で生み出された(?)ものに、「イシュー」と呼ばれる課題を書いておけるメモ機能のようなものがあります。以降では、GitHub上で運用する場合に使用するものを「イシュー」、実際の実行する内容を「タスク」と説明します。
さて、プロジェクトとイシューの関係性を具体例を用いて説明します。例えば、1人でアーケードゲームを開発することにした場合に、最初に何をやるでしょうか。どんなゲームを参考にするのか、どんな操作性にするか、どんなユーザー体験にしようかを考えます。その次にやることは?私なら、関連するタイトルのゲームをプレーしてみて、実際にUI(ユーザーインタフェース)を調べて…などを実行します。

上述した例からGitHubを用いたタスク管理方法に適用させると次のようになります。

プロジェクト:アーケードゲームの個人開発
イシュー:
1. 参考にするゲームを探す
2. 具体的な操作性を決める
3. ユーザー体験を定義する
4. 関連するタイトルのゲームをプレーする
5. 実際に既存タイトルのUIを調査する。

実行する際には、これらの順番通りにする必要はありません。最初に思いつく限り、できるだけ多くのイシューを登録することで全体を俯瞰することができるようになります。

さて、ここまでで、GitHubのタスク管理の基本は終わりです。

次に「カンバン方式」について説明します。

効率良く生産するために「トヨタ生産方式」をとっています。
これは、よいクルマをより安く、はやくお客様にお届けするために、
あらゆるムダをてっ底的になくすことを目指している方法です。

その1つに「必要なものを必要な時に必要なだけつくる」という仕組みがあり、それを実現する道具として「かんばん」というものを使っています。この「かんばん」にはいつ、どこで、何が、どれだけ使われたかが書いてあるカードです。

トヨタ自動車ウェブサイトより
https://global.toyota/jp/kids/faq/parts/002.html

説明終わります。

それでこれがここまでの話とどう関係してくるか。それは、各タスク(イシュー)の現在の状態(例:未着手、作業中、作業済)を一覧形式で見れるのです。また、この「状態」は追加することもできるので、例えば誰かの承認を受ける必要があるタスクの場合は、「確認中」や「承認待ち」といった状態を追加することで、各タスクの進捗状況を正確に把握することができます。

また、それぞれのイシューには、独自のチェックリストを記述することができます。それにより例えば、「関連するタイトルのゲームをプレーする」というイシューの中に、「ABCアプリ」や「DEFアプリ」というチェックリストを設けることで、それぞれのイシューのうち遂行できた項目を管理できるのです。これにより、より詳細なタスク管理をすることが可能になります。

運用方法

最終的には、ここまでに解説した方法をベースにして以下のように運用しました。

具体的には
1. GitHubのタスク管理専用のプロジェクトを作成
2. カンバンを追加編集して、全部で「未着手」「優先度高め」「作業中」「先生チェック中」「遂行済」「週の振り返り」「ゴミ箱」に変更
3. 土曜日の夜に、日曜日から土曜日までに遂行する予定の全てのタスクを計画
4. ポモドーロテクニックを使いながら、タスクを実行
5. 1日の終わりに各タスクの進捗を記録
6. 週単位で進捗を振り返る。進捗を元に3に戻る。

結果

運用(9/19-9/23)

現在記事を書いている私ですが、最初から上記の運用方法通りにやっていたわけではありません。

私が実行を開始した最初の週は、火曜日から開始しました。
博士課程に進学することになって、これまでの生活習慣などを改善しなければいけないと思っていたので、これを機に挑戦してみた感じです。
それで、それまでに色々と考えていた方法(この方法の原型)はあったので、それを実行に移してみました。

ダラダラと詳細を語っても良いのですが、読者の皆さんの時間は有限ですので、この週に確認できたいくつかのポイントだけ紹介します。

  • 自分は1日で最大で24 pomos(12時間)程度タスクに取り組める。
    (集中力と実行可能時間の限界)

  • 平均すると20 pomos程度なら遂行できそう。
    (自分のタスク実行能力の確認)

  • 毎日の遂行タスクを詳細に決めるよりも、1週間で各タスクに割り当てる総pomo数を決めた方がストレスが溜まらない。(例えば、論文執筆に「毎日2時間」と設定するよりも、「毎週14時間」の方が自分に合っている。集中力が続いている時や書き続けたいときに、制限があると心理的に少し抵抗感を覚えて無用なストレスを感じた)
    (自分の適性・性格の確認)

運用(9/24-9/30)

数日間の運用で何となくタスクの管理方法を自分の中で確立できました。

タスクの管理方法などで重要なのは、持続可能な方法かどうかだと思います。私のこれまでの人生で続かなかったことはいくらでもありますが、続いたもの、あるいは頑張って続けたものはそれなりに成果を残してきている自覚があります。なので、できるだけ続けられるように工夫するべきです。

しかし、ここで重要なのは無理をしすぎない事です。
例えば、最初の週は24 pomos(12時間/日)を遂行した経験がありました。この情報をもとに計画を立ててしまうと、ほぼ確実に頓挫します。なぜなら、その日は偶然早起きで、書類の執筆が妙に捗った日だったからです。また、その影響で睡眠時間も少なくなってしまいました。
このことから数日間様子を見て、自分が無理をしない、けどサボると遂行できないラインを見極めて「20 pomos/日」に設定したわけです。

さて、この週についてはここまでの話+毎日どのタスクにどの時間(pomos)を割り当てたかを検証しました。もちろん、完璧に厳密に計測できているわけではありませんが、ほぼ正確に計測するように心掛けました。

図2 実践2週目のタスク管理手法の実績(9/24-9/30)

図2は今週のタスク内容と遂行状況です。ご覧の通り、すべての予定を達成できました。ただ、ここで注意したいのは、「タスクを全てこなす=成功」ではなく、「タスクを通じて目的を達成すること=成功」だと思うのです。つまり、すべての計画を遂行できたからいいのではなく、それによって生み出された成果が重要なのです。人によっては、そもそもこんな管理方法は冗長でつまらないと感じるでしょうし。

ここまでで、書きたかった話は終了です。
どなたかのご参考になれば幸いです。ありがとうございました。

参考URL

ポモドーロタイマー

いつもお世話になっているタイマーです。類似するものよりも個人的に使いやすいです。何より自分が求めているものがそのままある感じがいいです。
私はまだ完全に使いこなせていませんが、無料版でも運用できるような方法に拘っているので、まだしばらくは無料で使わせてもらいます。

GitHub

タスク管理以外でもアプリ開発で毎日お世話になっているサービスです。これからも使い続けます。

おまけ

ここから先は、本当に時間がある人だけ?見てくださいね。
ヒトリゴトです。

私がそもそもこの記事を、やる気スイッチを入れた要因は何かを書きます。
ズバリ、医学部生のvlog(Video blog:日常を動画に撮ったもの)を見たことが1つです。以下のYouTubeの動画は、医学部生がテスト前(という特殊な状況と想定される(これが日常なのか不明なので。))に週100時間も勉強する、という内容です。

視聴しているとスケジュールをある程度把握できますが、率直に「真似できないな」と思います。いや勉強時間だけならまだ何とか行けるのかもしれないけど、内容の質・量ともに付いていけるわけないなー、とか思いました。

多分、普通の人?ならここで「まあ医者を目指すんだから大変だよね」「自分なら無理だな、違う世界の人だな」とか思うんでしょう。自分も思いました。

でもこうも思ったんです。自分も彼も地球上にいる誰もが時間は平等に与えられているわけですよね。だったら完全に真似はできないけど、少しでも近づく努力をする必要があると。
世の中で継続的に金銭的に成功している人に、奇跡的になる人はほぼいないと思います。一回ならあるかもしれない。けど連続して何回か成功させることは、よほどのことがない限りあり得ないと思います。
ほぼすべての成功には、何かを継続的に続ける必要があると思います。

それと、私が多くの人に抱いている感情として、
『他人を「いいな」、「羨ましいな」、「才能があればな」とか思う暇があるなら、少しでもやれば少なからず事態は良くなると思うけど?』があります。

割と本心で思っています。

じゃあ自分はそう思わないのか、と言われるとそんなことありません。思います。矛盾してるかもしれませんが、それでも少なからず努力はしていると思っています。

過去に見たアニメに「食戟のソーマ」という大ヒットした漫画があります。そこで感銘を受けたシーンというか台詞があります。

創真くんの料理の閃き…
それをもたらすのは天性の才能でもセンスでもなく

ただただ考え抜くこと
試行錯誤を続け抜くことだ

それは誰にでも出来る事だが…
実はそうではない

彼らが創真くんを低く見ていた理由ー

創真くんを認めれば

努力をしていない自分を認める事になるからさ

食戟のソーマ, 13巻, p.18

なんか色々と理由をつけてできない理由を見つけてやらないことを選択する。それで最初は同じくらいのところにいた人が毎日ちょっとずつ継続していたら、一年もしないうちにずっと高くて遠くにいる。
それで、やらなかった方は高いところに行ったやつを見てこう言う、
「あいつは才能があったからできたんだ」って。

違うでしょうよ。あなたがサボった、やらなかった結果が今のあなたなんだよ。もちろん、天に授けられたギフトを持って生まれた人はいる。それは認めよう。でも、世界で1番にならない限りはその才能は必要不可欠ではない。大抵の人間は後天的に身につけられる能力で十分に戦えるでしょ。それにも関わらず、やらなかっただけなのに、他人を羨むなんてお門違いも甚だしい、と私は思ってしまいます。

さて、ここまで駄文にお付き合い頂いた方々は、ぜひ一緒に頑張りましょう。私は現在の目標を達成するために頑張りますので、あなたもあなたの目標に向かって頑張ってください。私は途中で辞めるつもりはないです。走り続けます。

今回は前半で色々と感情を抑えながら書いていたので、その反動で後半におまけとして駄文を垂れ流してしまいました。どなたかの心に火をつけるきっかけになれれば光栄です。と、ここまで書いておいてあれですが、くれぐれも無理はしないでくださいね。休むことも大切ですから。

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