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ゲームマーケット2023秋に初めて参加した感想

みなさん、こんにちは。
私は現在大学院で情報技術と教育を組み合わせて、新しい教材などを研究開発しています。無職です。

今回は、12/9(土)・12/10(日)に実施されたゲームマーケットに関する内容です。私自身は12/9(土)に3.5時間ほど参加しました。はじめての東京ビッグサイトに、来場者と出展者が想像以上の多さ、ボードゲームにかける情熱を肌で体感しました。

ゲームマーケットは"電源を使用しない"アナログゲームの振興と、ユーザの交流を目的とした「みんなでたのしく」過ごせるイベントです。

https://gamemarket.jp/about

はじめに

さて、この記事では表題の通りに「ゲームマーケット2023秋」に初めて参加した感想を書いていきます。なお、筆者は今回が初参加であり、これまでに出展した経験もないので完全に初見です。また、当該記事を書くにあたり、特定の個人や団体を揶揄または中傷する目的・意図はありません。

この記事を書く目的は、端的に書くと1年後の「ゲームマーケット2024秋」に出展側で参加したいと考えているからです。そのための予行演習の意味も含めて参加しました。

これまでに300件程度(厳密には数えていませんが、多分それくらい)と少ないですが、動画や記事を閲覧し、ある程度ボードゲーム・ゲームマーケットを研究(趣味レベルです)しました。しかし、今回の参加を通して実地で見学・体験することで見えてくる部分もありました。ここでは、参加中にメモを取りながら改善点や自分だったらこうしたいな、という点を記していきます。万人に共通する考えではありませんが、一来場者としてこう見えました、ということを共有したいと思います。

前置きはこの辺にして、本題に入ります。

気づきと改善提案

1. 説明用ボードの周囲に電飾をつけてインパクトを与える

開始して10分程度してから感じたことです。既に1列は眺め終えて、2列目の中盤あたりまで見ていた時に、自分が感覚的にどこを見て判断しているのかを自問しました。つまり、どの出展者も個性があるのは認識していましたが、実際に自分がどこを見て、厳密には視点を移動させているのかを考えながら歩いていました。

すると、全然細かく見ていないことに気づきました。元々パンフレットなども購入しているわけではなく、ふらっと参加した(少なくとも目当てのサークルがあるわけではない)ので、どこに何があるのか全く分かりませんでした。

そんな中でも、全体で3つくらいの団体があったと思いますが、説明用のボードの周りに電飾をつけて、視覚的に目立つようにしていました。簡単な装飾とも言えますが、人の目を惹きつける極めて費用対効果の高い方法だと思いました。きちんと差別化にも繋がっていたと思います。

2. 赤と緑の対比、視覚的に美しいと思わせる配色

「出展者 - 通路 - 出展者」と配置されている通路の中央を歩くと、両側まで2.5m程度あると思います。(つまり道幅は5mくらいかな?)で、この時に私の目が悪いというのもあるのですが、小さな文字は全く見えていません。だからこそ、配色による美しさを明確に打ち出す方法が良かったサークルがありました。それは赤と緑の対比で明確にカラーデザインを意識されていたサークルです。

また、これは推測も含めて書きますが、多くの出展者は全体の一部であることを強く認識する必要があると思います。おそらく、大抵のサークルは1サークル・1パッケージで見れば完成度の高いものがほとんどだったのでしょう。しかし、残念ながら来場者が見るのは1つのサークルだけではなく、複数のサークルです。しかも、隣り合った状態で同時にみます。

すると、大抵のサークルの色が混ざってカラフルな環境が構築されます。それはそれで綺麗ですが、言い換えればデザインが目立たなくなります。サークルごとの「色」を明確に決めて、一種のブランドデザイン?のように認識させられると良いと思います。つまり個別のパッケージはそのままで構わないので、店構え?をもう少しインパクトを残すようにするともっと良くなると思います。

3. 座っているところは、構えられている感じがする

文字にすると単純なんですが、これでも厳密に言語化できていないと思います。なのでそのままの意味で受け取らないでください。ここで言いたいのは、ボディーランゲージの話だったと思います。接客が苦手な方がいることは理解していますし、また常に立っている必要はありませんが、お客さんが来そうな?ときには立ってくれた方が興味を持ってもらいやすくなると思います。少なくとも目が合った感じがあるのに、全く反応されないと自分が強く興味を持った状態にならない限り近づくことはないです。例えていうなら、お店から心のシャッターを閉ざされている感じという印象でしょうか。もう少しウェルカムな雰囲気を醸し出してくれると話を聞きやすいです。

4. カードを置いておくだけでは理解不能

自分も似たようなことを経験したことがあったので反省しているところですが、知らないカード・独自のルールの上で成り立つゲームでは、カードを置いておくだけではお客さんは全く理解できません。デザインを楽しんでもらう、絵柄を見てもらうことが目的であれば全く問題ありません。しかし、少しでも制作したゲームやルールに触れてほしい場合には、カードの展示は数枚程度にとどめて置いて、解説などをする、または説明書を渡してくれた方がいいのかなと思います。

5.1. 全体的に文字が小さい。デザインの敗北かもしれないけど、認知・認識してもらわないと当人にとっては存在していないのとほぼ同じ。

5.2. ロゴというより配色で判断するかも

これは今回最も言いたいことかもしれませんが、全体的に目が悪い人には辛いものでした。別に文字が読めないわけではありません。50cm以内の距離まで近づけば十分に読めるのですが、それ以上離れると文字として認識できませんでした。記号として認識していました。もちろん、メガネやコンタクトをつければ解決することですので、この意見を基準にする必要はありません。

しかし、見つけてもらえればデザインの観点から優れているのだろうな、と思うサークルはいくつかありました。何が言いたいのかといえば、全体的に文字による伝達をもう少し増やしてもいいのではないでしょうか、ということです。パッケージに文字を増やして欲しいという意味ではありません。宣伝のための小道具に、もっと文字や記号的な意味を持つものを増やすことを提案します。

6. 細かい文字は全く読めない

先ほどの話と被るのですが、全体を通して1点気になったことがあります。それは、おそらく運営が配布している場所名とサークル名の名前が記述されている紙のフォントサイズが小さくて遠くから読めないことです。
下調べしてからくる人が大半であれば今の状態でもいいのかもしれませんが、当日参加でふらっと参加する人だと意外に「場所名とサークル名の名前が記述されている紙」を見て判断しているケースは少ないと思います。当然かもしれませんが。

そんな中でも1つのサークルだけA4用紙を3枚分くらい使って、サークル名と展示場所を机の前掛けの部分に書いてくれていました。とても良かったです。凝ったデザインをされるよりもよっぽど認識されやすいと思います。視界に入った文字は、大抵の場合は無意識に読んでしまうと思いますので。

また、前述した運営が配布する紙よりも文字が細かいものに、説明書などを机に貼り付けていると思われるサークルがありました。文字が小さいなら貼り付けるのではなく、説明書を自由に閲覧できるようにいくつか置いておき、興味のありそうな人に手渡しして見てもらう方が良いのではと思いました。仮に興味があってルールを見たいとしても、単純に見づらそうかなと思いました。

7. パンフレットは欲しい

小さなパンフレットをくれると嬉しいです。その場で購入するか検討したくても、全体としての物理的な人の流れがあるので安易に立ち止まるべきではない、と考えていました。また、パンフレットをくれたのに説明してもらうのも忍びないので、できるだけ早めに端に寄って読むようにしていました。実際に出入り口や左右の端では、パンフレットやスマホ片手に動画を見たりQRコードを読み取っている人が多数いらっしゃいましたので、認知してもらうには有効な手段だと思います。

8. 本系は見本必須

です。無かったところがあったかも不明ですが、気づいたことなので書いておきました。

9. 試遊できますの立て札

初見・初参加だったのもあり、どのサークルが試遊できるのか認識していませんでした。おそらく、区画によって決まっていたと思いますので、そのシステムを理解していれば問題ないかと思います。

試遊できる場合は、試遊できる旨の表示があると親切だと思いました。必須ではないと思います。(全体を4週歩きましたが、1週目の中盤で何となく認識できていたので、さほど重要ではないと思います。)

10. テンションが下がる声は近づきたくなくなる

これはもうなんか、あれですよね。別にハイテンションで声掛けて欲しいって意味ではありません。気心を知れている友人や家族と話すテンションならいいと思います。しかし、最低限のコミュニケーションの場合にはそれなりに覇気のある声や、か細い声ではないことは重要かなと思います。

正直、対人関係なので難しい面もありますが、仲良くなるという意味合いではなく、交流するのに必要な努力はお互いにしたほうがいいのかなと思いました。

11. 撮影・取材OKの札があると明確になる

これは個人により考えが異なると思うので一概には言えませんが、撮影や取材OKの札があると、暗黙的なOK・NGを明確にしてくれるので嬉しいです。大抵の参加者が撮影する場合には、その作品について肯定的な記録を残すために使用すると思います。ですので、それがあると宣伝してくれる可能性も高まり、結果的に良い影響が与える可能性が高くなると思います。

12. 新感覚の〇〇、言語化した方が惹きつけやすい

これは宣伝文句のように使われているのを耳にしたことに起因します。ネットでもテレビでもそうですが、「新感覚」や「これまでにない」など便利な言葉だと思いますが、具体性が1mmもありません。情報量が0です。昔は良かったのかも知れませんが、現代人は割とこの辺りを言語化してくれると嬉しがる傾向があると認識しています。(根拠はありません)

もちろん本当に新しい感覚を体験できるのであればすごいことですが、大抵は「これまでにAAAという体験があったけど、それをBBBのようにすることでCCCという体験ができるようになりました」みたいな、状況だと思います。もちろん、「新しい」ということは認めます。そこは否定しません。しかし、そのうちどこがどう新しいのか、を適切に言語化できると、良いと思います。そしてそれらの品は大抵の場合で質が高いです。実際にいくつかのサークルでありましたが、適切に言語化できているサークルは品質・完成度も高かったように思います。

13. 値段の感覚

これは千差万別で答えのない永遠の課題だと思いますが、来場者っていくら、またはいくつを買う想定で来場しているのでしょうか?また、何を基準に購入しているのでしょうか?

正直、ここは個人の金銭感覚と懐事情によると思いますが、私個人としては以下のように考えていました。

¥500:自分の興味・関心が合えば購入する。
¥1,000:完成度が高ければ購入する。
¥2,000:面白そうで、繰り返し遊べるものでないと検討しない。
¥3,000:多分この層からは、試遊せずに買うことはないと思う。
¥4,000〜:相当面白そうなら検討するが、ほぼ見ない。

いくつも見学して購入を検討するときに難しいポイントだと思うところは、大抵のおもしろそうなゲームは¥3,000以上の場合が多かったことです。そして、おもしろいゲームは大抵完成度が高く独自性の高いものです。これらを満たすためにはそれなりにコストを掛ける必要があり、必然的に自分の条件を緩くしなければ何も購入できないことになります。

ただ、私はゲームマーケットに出展するかもしれないと考えたあたりから、具体的なコストを検討するようになりました。そのおかげで、セット内容を見ればある程度コストを推測できるようになったつもりです。

しかし、いざ自分が買う側の立場でマーケットを見てみると、(自分が一般的な消費者ではないのかもしれませんが)意外と財布の紐はキツイのかもしれないことに気づきました。SNSを見ると5〜10個買う人がいたり、多い人だと30個くらい買う人がいるのを観測できます。多く買う人は必然的にそれだけで目立つので、意外と売れているのだと錯覚します。

しかし、実際には過去の統計でも分かっているように出展者のうち半数以上は赤字です。しかも赤字率などは企業ブースも含めての金額の場合が多いので、個人では基本赤字になります。この事実をよく理解できました。私が参加するときには、厳しく見積もって良くて±0を目指して計画するのが良いのかもしれないと思いました。

14. 場所のツイートは必須、店の番号をもっと大きく明確にする

多くのサークルでは既にSNSを活用した告知を実施していると思いますが、できれば全ての参加サークルは「場所名・サークル名」をアカウント名の先頭に記載してくれると訪問しやすいです。

このプロセスは、例えばXで検索している場合には、「ゲームマーケット2023」みたいなキーワードで検索して、その過程でおもしろそう・興味を持ったサークルがあれば、メモしておきます。このタイミングでアカウント名に記述があればすぐにメモできますが、書かれていなければその人のアカウントの詳細を見なければなりません。これで見つかればまだいい方なのですが、残念ながら全く記述がないサークルもありました。結局は4周するうちに見つけられたので良かったですが、最初から記述してくれていれば、すぐに見つけられたのにな、と思いました。

15. チャック横丁いいね

今年から?チャック横丁なるブースができていました。色々と条件があるようですが、箱無しチャック袋ゲームを小ロット数で出展する方々が対象のようです。具体的な条件・制限は、外箱がなく、搬入部数が100部以下で、1作品のみ、ブースの装飾は最小限、ゾーニング対象は禁止、というものです。外箱は意外とお金の負担になり、販売価格も高いと¥500くらい値上がりしてしまう要因です。正直、ゲームとして同じ面白さを体験できるなら、¥500やすい方が嬉しいというのが本音です。そんな中でこの出展プランを見つけたので、次回以降にこのプランでの出展も検討したいと思います。

また、ここで出展されていた多くの個人はアイデア勝負で出展するのが望ましいと思います。逆に言えば、ここの売りは安く売れる?ところが重要なので絶対に¥1,500以上で売るべきではないと思います。コストを下げる努力をするか、赤字覚悟または赤字で出展するべきだと思います。(それはそれでどうなんだという意見もあります)。

ただ、一点重要なことに、来場者は皆ボードゲームが好き、少なくとも興味がある人が来ているということです。多くの企業では広告を打っても集客が難しいのが現状です。なぜなら、その中に関心がある人は数%程度だからです。しかし、このゲームマーケットではボドゲ好きが20,000人以上来場するのです。この機会は極めて貴重です。ボドゲ好きの割合が極めて高いです。だからこそ、正しい戦略を取ることでゲームを求めている人に届くことが重要だと思います。

終わりに

以上です。殴り書きで散策しながらメモした順に詳述してみました。再度になりますが、ここに記載していることが全てではなく、N=1の意見ですので参考程度に見ておいてください。また、文章に不可解な部分があるかもしれませんが、ニュアンスだけでも伝われば嬉しいです。


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