【Oxford留学】実際どの程度英語でやっていけているのか
留学を意識したときにまず不安に感じるのが、英語のことだと思います。
私は帰国子女ではなく、英語圏で暮らしたこともないため、英語生活への不安は当然にありました。特に、Oxfordは「英語が流暢に使えて当たり前の世界」と聞いていたので、なおのこと上手くやっていけるか恐ろしく感じていました。
ここでは、私がどの程度Oxfordでサバイバルできているかについて、ありのままをご紹介します。私のステータスとサバイバル度合いを見て、「自分が留学に行ったらどんな感じになるかな?」と想像してもらえると良いなと思います。
なお、英語の学習方法については世の中にたくさん有益な情報があるので、そちらに委ねます。
1. 英語のステータス
(1) TOEIC
もう6年ほど前になりますが、最後に受けた時は940点くらいでした。特にTOEIC対策の勉強はせず、試験直前に英語のPodcastを聞いて耳を慣らしたくらいでした。あとは時間内に全問解き切るためにすごく集中力を高めていた思い出があります。
(2) TOEFL
留学準備のために2回受けました。ハイスコアは95点でした。
仕方ないのですが、こちらがリーディングしている時に隣の受験生が大声でスピーキングをしたり、PCの画面に向かってスピーキングをする不自然さがとても嫌で、TOEFLの受験は2回で諦めました。
(3) IELTS
TOEFLから切り替えて受験し、スコアメイクのために通算で8回受けました。
最高点はO.A. 8.0 (L:9.0 R:8.5 W:7.0 S:7.0)です。
もっとも、リスニングは5個くらい解答に自信がなかったので、運の良い結果だったといえます。
(4) 英語環境
生まれも育ちも日本なので、英語圏での生活歴や留学歴はありません。
英語は中高と普通に学び、大学受験のために頑張って勉強したという感じです。大学でも英語を使うサークルに入っていましたが、もっぱら英語を読むことが中心でした。
就職後は仕事の半分が英語でしたが、これも読み書き中心でした。たまに英語の会議がありましたが、発言する機会はほとんどありませんでした。
留学を意識してからCamblyで週3回・1回30分の英会話をしたり、YouTubeで海外YouTuberの動画を見たりしました。しかし、IELTSで目標点数を取れてからは英語学習はサボっており、たまにPodcastを聴く程度でした。
2.留学生活でのサバイバル度合い
留学生活で中心となる次の4つのポイントに注目して、私のサバイバル度合いをご紹介します。
この4つの区分けの趣旨としては、(1)(2)が学校内での生活、(3)(4)が学校外での生活をイメージしています。そして、(1)(3)がフォーマルな場面、(2)(4)がフランクな場面という位置付けです。
(1) 学業
学業に関する英語事情は、すごく悪くはないものの、まだまだ改善の余地があるという感触です。
(i) 授業(講義・ゼミ)
授業では、教授の説明や生徒のコメントを聞いて理解し、自分の質問・コメントを伝わるように発言する能力が必要になります。
まず聞く力については、結構苦労しています。話者の英語の発音具合によっては全く聞き取れず、内容を追えないこともしばしばです。個人的にはアメリカ英語の聞き取りに難を感じるのですが、アメリカ人の教授の授業は非常に難儀でした。一方、アジア系の教授の英語は非常に耳馴染みがよく、急に英語ができるような気分になったりもしました。
次に、発言する力については、自分のスピーキング能力に自信がないため、及び腰になってしまっています。また、直前の議論の内容を理解していることが発言の前提となるため、本当に直前の内容を理解できているだろうか、と自問自答している間に議論が進んでしまって発言できなかったということはよくあります。そういう時は授業後に教授に個別で質問に行ったりするのですが、できるだけ授業中に質問をしてクラスに還元できるようにしないといけないなと思うところです。
そういうことなので、授業については日々英語力の不足を痛感しています。
(ii) 座学(予習・復習・レポート課題)
授業の予習・復習はパワポ資料やPDFの論文を読んでいます。
分からない単語は当然出てくるので、その都度ネットで調べます。たまに意味の分からない文章が出てくるのでDeepLで和訳して内容を確認します(そういう場合は大体日本語でも意味が分からないので、英語力の問題ではないのだなと安心します)。
その意味では、リーディングではあまり苦労はありません。
レポート課題については毎回それなりに時間的余裕があるので、少しずつ英語で書き進めることで、時間に追われることによるクオリティの低下を避けています。また、レポートを書くときは何かしらの文献を読んで書くことがほとんどなので、その文献にある言い回しを参考にしながら文章を作っていきます。
そうはいっても自分の英語表現が幼いことが多いので、一通り書き終わった段階で、ChatGPTやAIの文法チェッカー(QuillBot)を使って、より良い表現に修正しています。
したがって、ライティングについては、伸び代は多分にあるけれども、なんとかやっていくことは可能、というレベルです。
まとめると、座学は時間的余裕があることもあり、特に大きな苦労はなく対応できていますが、伸び代はまだまだあるというのが現状です。
(iii) グループ課題
グループで一つの課題に取り組む場合、それぞれが意見を出し合ってディスカッションする必要があります。
課題についての自分なりの仮説を持って臨むと、それなりに議論をすることは可能です。ただ議論が込み入ってくると語彙力に限界を感じることもあります。
一方、ミーティングを取り仕切る方はそれなりにうまく行っている気がします。ディスカッションの内容をまとめたり、ロジ面の確認をしたりという点では役立てているという認識です。
(iv) 筆記テスト
まだ1度だけですが、筆記テストもありました。
2時間で小問を10題解くというもので、1問当たり6~70 wordsの解答を記載する必要がありました。一見すると難しそうですが、過去問を含む類題を授業中に何度もやったこともあり、ちゃんと試験対策をしていれば時間内に余裕で解き終わる内容でした。
なので、一般化はしにくいですが、ちゃんと準備をしていればあまり恐れすぎることもないのかなという感触を持ちました。
(2) 交友関係
冒頭で「Oxfordは『英語が流暢に使えて当たり前の世界』」と書きましたが、これは事実です。ほとんどの学生が英語を流暢に扱います。そんな環境での交友関係はどういうものでしょうか。2つの場面に分けて見てみます。
(i) 1対1の場面
友達と1対1で話をするときは、割と難なくコミュニケーションが取れます。理由としては、相手が気を遣ってゆっくり・はっきり話してくれている可能性があることと、自分としても会話に集中しているので英会話能力が全開放されているということがあると思います。
もちろん友達の発音によっては聞き取りにくい場合もあるのですが、そこは正直お互い様だと思っています。
(ii) 1対複数の場面
何人かで歩きながら話したり、飲み会の場で喋ったりという場面を想像してください。ネイティブスピードで話題が展開するため、内容を追うのがやっと(追えないこともしばしば)です。そこに割って入るだけの会話力が伴っていないため、大体聞き役に回っている気がします。90%聞いて、10%話すという塩梅です。
ちなみに圧倒的に難易度が高いのはクラブでの二次会です。爆音で音楽が鳴り響く中で会話することはほぼ不可能です。断片的にしか単語が聞き取れないため、本当に何を言っているか分かりません。こちらも大きな声で喋る必要があって疲れるので、まず行きません。
毛色が変わりますが、部活でのコミュニケーションについても少し触れましょう。私はボート部に所属しているので、日々の練習でコーチから色々な指示・指導を受けます。純粋に英語という意味での理解度は半分くらいですが、スポーツの話なので「こういう姿勢をとるんだ」といった動作付きの説明が多くなります。そういう動作を見ながら、理解できていないもう半分の内容を頭の中で補って練習をしています。
(3) ネットワーキング
自分の関心のある分野に携わっている学外の人と話す場面を想像してください。具体的にはLinkedIn経由で知り合った初対面の社会人とのCoffee Chat(30分程度のミーティング)を想定しています。
社会人同士の会話なのでフォーマル度は高めですが、Coffee Chatという特性上、基本的に1対1での会話となります。加えて、自分の関心事についての話題が中心となるため、ボキャブラリー的にも守備範囲のものがほとんどです。なので、比較的滞りなく会話を楽しむことができます。
これがパーティー会場等での複数人との会話になると、先ほど「1対複数の場面」で書いたような状況になり、苦戦を強いられます。そういう時は自分が会話のイニシアチブを握って質問する側に回ることで、理解できる内容の話をしてもらうように誘導します。
(4) 街での会話
留学生活は大学内のみで完結するものではありません。
日々の買い物や手続のための電話、修理業者との会話など、イギリスのローカルとの会話も当然発生します。
これも人によるのですが、割とアクセントが強めの人が多いので、リスニングに苦労する場面が多いです。文脈で内容を推測できることもありますが、本当に相手が何を言っているか分からない場合は、こちらから一方的に話して内容を伝えることで、相手側で処理してもらうという作戦を取っています。
3. サバイバルに必要な能力
英語の4技能のうち、留学で一番大事なスキルは何かと問われれば、私はリスニングと答えます。次点でスピーキングです。
これらの能力はその瞬間瞬間で必要となるため、能力が備わっていないとコミュニケーションが成り立ちません。特に、リスニング能力がないとキャッチボールが成立しないので、一方的に自分の意見を言うだけの人になってしまいます。また、授業の内容も十分に理解できないことになるので、留学の意味も半減してしまいます。
スピーキングも大事なのですが、相手も頑張ってこちらの意図を汲み取ろうとしてくれるので、ある程度文法とか単語が間違っていたとしても、意図は伝わります。あと割とみんな相手の発言を聞き返しているので、一発で流暢な英語を話さなくとも大丈夫です。
リーディングとライティングも大事なのですが、正直これらについてはAIツールの力を借りるという選択肢があるので、留学を乗り切るという意味では心配しすぎることはないです。もちろん、英語の実力をつけるという意味ではAIツールの利用は控えるべきですが、そこは個々人の塩梅の問題だと考えています。私は普段あまりAIツールは使わないようにしていますが(ネガティブチェックには使う)、切羽詰まり出すと「あくまで学ぶべきは勉強の中身だから」と自分に言い訳してDeepLを使い倒します。
ちなみに他国からの学生もDeepLやChatGPTを常用しているので、AIツールを使うこと自体はOxfordでも一般的です。
最後にサバイバルに一番大事な能力を挙げておきます。チャレンジ精神です。
「あ〜おかしなことを言ってしまった」とか「こっちの発言が分からなくて相手が混乱してるな」という場面は正直よくあるのですが、それを気にしているともう二度と喋れなくなるので、挫けずにトライし続けることが大事です。失敗を重ねた分だけ成長していると自分に言い聞かせて、常に英語環境に身を晒すことで英語力は伸びます。
自分の例を挙げると、留学当初は立食パーティーのハードルの高さに絶望していましたが、失敗と反省を重ねることで、1学期の中頃には「日本人は会場の隅の方で大人しくしてるイメージだけど、君はとてもオープンで良いね」と言われるまでに至りました。周りも鬼ではないので、頑張っている人に辛く当たることはありません。
留学を検討している人にはすでにチャレンジ精神は備わっていると思うので、あとは実践あるのみです。私と一緒に苦労して成長しましょう。
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