よきこの水
シクラメンの花が咲いた。1輪。
昨年の12月に買って最初の花が終わってからひとつも咲かなかった。ひょろっと蕾が伸びてもしばらくすると萎れてしまう。
なぜかなあと思っていた。
肥料をやっても日に当てても効果がない。
悲しい気持ちで抜いていた。どうして開かないのかなあと思いながら。
葉っぱも妙にすかすかでまとまりがない。
もう捨てようかなと思っていた。
咲いた。
何日か気温が低かったのでエアコンをつけていた。
わたしではなく鳥のために。室温は27度くらい。暑いけれど仕方ない。絶対に文鳥に寒い思いをさせるわけにいかない。
でも冬も26〜27度あったはずなんだけどなあ。
よきちゃんの水をね、やってたんだって。
そっかそっか。
ん?
よきちゃんの水を下げるときにね、シクラメンにあげてた。
そっかそっか。
こまを迎えたペットショップに行き文鳥たちを眺める。うちに来たときのこまくらいの月齢の桜の子が2人ともう少し若い子、シルバーの子がコミュニケーションバードに育っている。
1人でご飯が食べられて、指や手にとまっていられるし階段遊びもできる。
桜の子たち、1週間か前に来たときはコミュニケーションバードではなかったような。シルバーちゃんだけだったような。
頑張っていたんだねえ!
こまはうちに来たとき4か月だったがコミュニケーションバードではなかった。
教えたけれどできなかったのか、最初から教えなかったのかはわからない。ケージから出る気はまったくなく、手を近づけるとサッと離れた。
教えてもできなかったのかなと想像する。できないので無理強いしなかったのかなって。
いまはできるね。手にもとまるし一緒に遊ぶ。わたしが倒れているベッドまで見回りに来る(そしてすぐ帰る)。
立派なコミュニケーションバードになったね。
よきこのごはんは19時過ぎに下げる。
「こまちゃんにあげてもいい?」と訊く。こまがケージから出てくる。わたしの目に一筋の涙、そして、カーステレオからこの曲!
違う。これは熱海殺人事件。
同じものなのですけれどもね。こまはよきこのごはんを食べるのが習慣になっていると思う。
よきちゃん、いつでも帰ってきていいんだよ。
帰ってきていいよ。いいよ。
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