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映画『マッチング』について-宗教を重ねると(ネタバレ注意)

こんばんは🌱
友人と土屋太鳳さん主演の映画「マッチング」を観たので、映画の考察と感想をまとめていきます。なお、この投稿ではネタバレがあるので、まだ観ていない方、結末を知りたくない方は一旦このページを閉じることをおすすめします。映画を観た後にまたこちらに帰ってきていただけるとうれしいです。ちなみに小説は読んでおりません。映画版のみで考察したことを書いていきます。
それと、映画を観たのは2週間ほど前なので記憶があやふやです。もう一度観に行けばいい話なのですが、Snow Manの佐久間大介さん目当てで観に行ったわたしにとって苦手なジャンル(血、殺人、残酷な描写)の映画だったため、残念ながらもう観られないです。体調を壊してしまいます。でも映画は本当に面白かったです!


主な登場人物

輪花(演:土屋太鳳さん)
 ウエディングプランナー、マッチングアプリで吐夢と出会う
吐夢(演:佐久間大介さん)
 マッチングアプリで輪花と出会う、節子の次男
影山(演:金子ノブアキさん)
 マッチングアプリエンジニア、節子の長男、母が不倫相手に振られて辛そうにしているのを見て不倫相手に復讐することを決めた
節子
 影山と吐夢の母親、四つ葉のクローバーが好き、輪花の父の不倫相手
美知子
 輪花の母親、輪花が4歳の時に失踪

キリスト教との関連性

色の意味

いろんな色が映画に登場していました。1つずつ見ていきましょう。

赤・・・キリストの血
白・・・キリストの肉体
青・・・聖母マリアの衣
ピンク・・・キリストの復活

土屋太鳳さん演じるウエディングプランナーの輪花が、式の直前に花嫁からブーケの色の変更をお願いされてうんざりしている場面がありました。ピンクから青に変えてほしいと。そして節子の服、真っ赤でしたね。輪花が幼少期にクレヨンで描いた絵にも真っ赤な服の女性とクローバーがあり、印象に残っていたことが分かります。節子が輪花の父と別れて25年経った現在は真っ白な服を着ていました。

生物の意味

劇中で様々な生き物・植物が登場しましたが、これもキリスト教と絡んでいるようです。

クリオネ・・・通称・流氷の天使
クラゲ・・・クリオネの天敵
クローバー・・・花言葉「幸福」「わたしのものになって」「復讐」、キリストの磔を連想させるモチーフ
甲殻類・・・キリストの復活

輪花が佐久間大介さん演じる吐夢と初めて会った時、水族館でクリオネを見ていました。名前の由来はギリシャ神話の歴史を司る女神・クレイオーという説があります。映画の最後の方で、吐夢は輪花のことを天使のような人と言っていましたね。
水族館でクラゲを見ている場面もありましたね。クラゲの模様、四つ葉のクローバーとそっくりです。クリオネを輪花とすると、クラゲが影山や吐夢ということになるのでしょうか。

冒頭の結婚式で、新郎の親戚に甲殻類アレルギーがいることを輪花がキッチンに伝えていました。脱皮する様からキリストの復活を意味しているそうです。

犯人のルーティーン

犯人は、夫婦の手を握らせる・その手を鎖で覆う・顔に十字の傷をつけるスタイルで、マッチングアプリで結ばれた新婚夫婦を殺害していました。キリスト教の結婚式では誓いのキスではなく、夫婦が誓いの握手をすることもあるそうです。夫婦の握手を神父がストラという細長い布で覆い、祝福するのだとか。手を握らせて鎖で覆うのはその儀式を再現していると考えられます。顔につけた十字の傷は十字架を意味しているのでしょう。

サロメの両親

輪花が金子ノブアキさん演じるマッチングアプリのエンジニア・影山と映画を鑑賞する場面がありました。その映画の中で女優さんが「サロメで復活するのよ」みたいな台詞を言っていました。サロメとは新約聖書に登場する女性の名前です。彼女の両親は二人とも別の人物とそれぞれ不倫をしていたらしく、輪花の父と節子の関係が重なります。

残る疑問

・手紙を読んで輪花の母が笑ったのはなぜ?
何者かから輪花の母宛に手紙が届きました。「この女性で最後です。母の復讐をやり遂げます。」みたいな主旨の手紙だったと思います。手紙には輪花の顔写真に十字の傷が入ったものが添えられていたので、輪花がターゲットだということでしょう。影山が母のために書いた手紙だと予想できます。この時は赤い服を着て車椅子に座った女性が手紙を読んで微笑んでいたので「この人が影山の母親だな」とすんなり思えましたが、後半でその女性が実は輪花の母親で、白い服を着て車椅子を押してる女性が節子だということが判明します。だとしたら、なぜ自分の娘が殺されるかもしれないという手紙を読んで、輪花の母の口角が上がったのでしょうか。長年にわたり赤い服を着せられたことで、節子の思考が移ったとか?本当に口角が上がっていたかどうか、少し記憶が曖昧ではありますが。

・影山と吐夢は知り合い?
影山は自分に弟がいることは知っていると思います。でも吐夢のことを自分の弟として認識しているのでしょうか。吐夢は生まれてすぐに駅のコインロッカーに捨てられたので、自分に兄がいることを知らない可能性があります。でも美知子と節子が同居している家の場所は知っていました。ということは、兄の存在も母親から聞くなどしてすでに知っているのでしょうか。節子に手紙を出したのが影山だとすれば、影山も母親が住む場所を知っていることになりますし。

犯人が狙った人

影山が事情聴取を受けている際に同じ手口の事件が発生したことで真犯人は別の人物であることが判明します。公園のお手洗いで血を洗い流していたので、吐夢が真犯人でしょう。今までに被害に遭った夫婦の新婦は、過去に吐夢とマッチングアプリで知り合った人だと考えられます。被害者はマッチングアプリで出会って結婚に至ったという共通点しか無いので。

まとめ

劇中でさりげなーく扱われた色やモチーフにキリスト教に関連する意味が込められていることを次々と発見した時は鳥肌が立ちっぱなしでした。違和感なく伏線が張り巡らされていたことに感嘆が止まらないです。観終わったあと、友人と感想を語っていたら考察が止まらなくてお祭り状態になりました。観る側の予想をちょいちょい裏切るストーリーで、とても引き込まれる映画でしたね~。ちなみに、今回の考察の半分ほどはわたしの友人が気づいたものです。映画やドラマを観て、物語に隠された意図を探り当てるのが上手な人なんですよ。一緒に映画を観ると数倍楽しくなる。これからも仲良くしたい友人の1人です。
あと、映画を観てて何度も思ったのは「いやこれ『キャラクター』やん」でした。菅田将暉さん主演映画のキャラクター観られた方、この映画を観ながら、同じ監督さんかなって思われませんでしたか?(調べてみたら別の方でした)殺人現場でクラシック音楽が流れてるのとか、殺害方法に残忍なルーティーンがあるとことか、吐夢と両角の雰囲気とか、山中を走る車の描写とかその他諸々。そういうジャンル苦手だと最初に書いてるのにキャラクターも観たんかいと思われるかもしれません。Fukaseさんが出演されたので、セカオワファンとして勇気を振り絞って観ました。案の定めちゃくちゃこわかったです。でもFukaseさんの演技が不気味ですっごくよかった、、。こういうジャンルの映画やっぱり苦手ですが、考察するのはとんでもなく楽しいんですよね。小説も読んだらもっと面白い考察ができるのかも。
ピンクのシャツを吐夢にプレゼントしたのは、、輪花さん、あなた実はスノ担ですね?

最後まで読んでくださってありがとうございました。明日もいい日になりますように🌛