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B'zの『自由の代償』について-手に入れたもので前を向く

こんばんは🌱
本日はB'zの「自由の代償」の歌詞を読んでいきます。実はこの曲、CD化されていないのですが、「B'z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-」のライブBlu-ray・DVDに収録されていて、ファンの間では隠れ名曲として知られています。このライブの公演終了後、規制退場の時間にこの曲が会場で流れていたみたいです。わたしはこのライブに行ったのですが、人生初のライブだった&ずっと曲を聴いてきたB'zを初めて生で見た直後で心臓がバクバクしていたため、エンディング曲のことはまっっっっったく覚えていません。それはもう大興奮しましたよ。人生で初めてのライブがEPIC NIGHTで良かったなーと思います。本当にEPICなNIGHTでした(え゛)。


1番Aメロ

幸せに生きていないと罰が当たるとはどういった状況なのでしょうか。幸せに生きていけるのはいいことだと思いますが、幸せで「いなければならない」となると義務感が生じていて、逆に息苦しいような感覚があります。

1番Bメロ

過去を忘れて前だけを見ていたいということは、苦しい過去に囚われているということですね。しかも、ただ過去を忘れたいのではなく、「ゴミ箱に葬り」たいのです。よほど辛い思いをしたのでしょう。

1番サビ

「自由」を手に入れるために「あなた」から離れた。他に愛する人ができたのでしょうか。叶えたい夢が見つかったのでしょうか。自分が今いる場所から離れたくなったのでしょうか。とにかく自分の希望を叶えるためには「自由」が必要で、そのためにはあなたのもとを去る必要があったのではないかと考えられます。自由を手に入れた先であなたがくれた愛の重みを実感したのでしょうか。愛してくれたあなたから逃げた過去を後悔しているようです。稲葉さんが離婚を経験されているから、それをもとに書いたのではないかと考えるファンもいらっしゃいます。でも離婚に限らず、いろんな立場に置き換えて読めそうな歌詞だと思いませんか?

2番Aメロ

色々迫られるものには囲まれているけど、なんてことないフリして、感情的に生きていくものです。周りの人からしたらただの涙だけど、自分にとっては人生に色を付けるものだということを「クレヨン」と表現しています。絵の具でも色鉛筆でもなくクレヨンを比喩に使ったのはなぜでしょうか。色鉛筆と比べると、一度描いたら消しにくい。絵の具より少ない道具で描ける。曖昧な書き味が人間の複雑な感情を描くのに適している。ということでクレヨンなのかなとわたしは思いました。

2番Bメロ

優しくされることが怖いのは、後ろめたい気持ちがありそうです。知られたくないことがあって、それをあなたに見透かされるのではないかという不安が伝わってきます。あなたから離れようとしていることを言えずにいる状態でしょうか。

2番サビ

1番のサビでは「あなたから逃げてしまった」、ここでは「あなたをひとりぼっちにしてしまった」と書かれています。あなたが側にいたいと言っているのに、それを半ば無視するような形で離れたのかもしれません。個人的には、「重苦しい虚しさ」って不思議な組み合わせだなと思いました。「空虚・空っぽ」に「重くて苦しい」を合わせると、軽いのか重いのか分からない感じがしますね。中身の伴わない重苦しさ、ということでしょうか。旅行に行くとき荷物が少ないのに重いと何だかやるせない感じがしますし、そんな感じでしょうか(いやどんな感じ)。

Cメロ

苦しみを背負うことで罪悪感が薄れるような気持ちにはなるかもしれませんが、それは本人の気持ちの問題であって、客観的に罪が償えるわけではありません。でも、自分が過去に犯した過ちを教訓に、誰かのためにできることがあるかもしれない。「勇気を出せる『かな』」と書くところが稲葉さんらしいなあと思います。自信は無いけど行動したいという気持ちで揺れている感じが人間らしくて、共感できます。今までは、罪悪感が薄れるかなという気持ちで苦しみを背負っていたけど、これからは誰かに良い影響を与えるためにこの苦しみと共存していこうという気持ちになったようです。後ろから前へ視点が変化しました。

ラストサビ

あなたからの愛情を切り捨てた過去の自分は変えられません。「刺すような胸の痛み」も「重苦しい虚しさ」も「心に被さる影」も、自由を手に入れた代償です。1番では「ああもう逃げられない」、2番では「ああ避けられない」と言っていました。逃げられない・避けられないことを嘆き、責任を転嫁したそうなニュアンスです。しかし最後は「ああもう逃げちゃいけない」となり、自由の代償に正面から向き合うと決意したことが伝わってきます。

まとめ

「自由を手に入れたはずなのに、この後ろめたいような気持ちの正体は何なんだろう」「どう言語化すればいいか分からないけれど、心がムズムズする」という人が、この歌詞で自分の中のモヤモヤが代弁されて救われるのではないでしょうか。歌詞やテーマの重さとは裏腹に、メロディーが軽やかでポップなところがこの曲の魅力のひとつです。ぜひCD化されて、たくさんの人が聴けるようになるといいなーと思っています。
ちなみに、2017年から2018年にかけて開催されたライブ「B'z LIVE-GYM 2017-2018 LIVE DINOSAUR」のエンディング曲「不思議な力(仮)」は「You Are My Best」という曲に生まれ変わって2022年にリリースされました。聴き比べると、歌詞や曲の雰囲気がガラッと変わっています。ちなみにそのライブも行ったのですが、同じくエンディング曲のことはまっっっっったく覚えてないです。ライブBlu-rayで初めてちゃんと聴きました。
そうなると、もしかしたら自由の代償もいずれは?なんて期待してしまいますよね。メロディーはそのままで歌詞が書き換えられる・歌詞はそのままでメロディーが変わる、という場合もあるかもしれません。でももしリリースされるなら、この歌詞とあのメロディーの組み合わせがいいなーと思います。ただし、CD化されずに幻のような存在のままでいるのも、この曲の魅力のひとつなのかもしれませんね。
今後はライブに行ったらエンディング曲もきちんと聴くようにしたいとは思うのですが、B'zのライブは余韻にすら圧倒されるほど迫力がとんでもないんですよね。その迫力に耐性がつくのにあと何年かかるかなー。B'zのかっこよさにはいつまで経っても慣れない気がしています。

最後まで読んでくださってありがとうございました。明日もいい日になりますように🌛