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ふもとっぱらとキャンプの魔力。|ASAGIRI JAM '23

今年初めて行った、念願の朝霧JAM!めちゃくちゃ寒かった思い出もありながら、自然の美しさに感動し、一緒に行ったメンバーのおかげで朝霧の醍醐味である「音楽とキャンプ」を存分に楽しむことができました。もう気持ちはすっかりリピーターって感じなのですが、本当に楽しかったので記録です。

毎年、静岡のキャンプの聖地である"ふもとっぱら"で開催されている朝霧JAMSは、2001年に地元の人々と有志のボランティア団体によって結成された朝霧JAMS'とスマッシュがタッグを組んでスタート。毎年2日間で延べ24000人が集まる、今年記念すべき20周年を迎えた、歴史のあるキャンプ・イン・フェスです。
2019年は台風の影響で中止、2020年と2021年はコロナ禍で中止となり、去年復活を遂げたものの2日目の天気予報は、午後から雨(すごく寒かったらしい)。今年はめちゃくちゃ晴天で、夜は獅子座流星群のピークも迎えるなど、ふもとっぱらの大自然も朝霧の20周年を祝福しているかのようでした。

やっぱり例年フジロックに行っている身としても、周りの評判を聞いていても朝霧はずっと気になっていたフェスで、ずっとずっと行きたいと思っていたのだけど、やっぱりキャンプがハードル高くてなかなか踏み込めなかったフェスでした。ただ今年のラインナップも20周年も魅力的すぎて、今年行かなかったら、このままずっと行かないんじゃないか!とまで思い、お友達のプロキャンパーさんにお願いしてようやく念願を叶えられたのでした。(その様子も後ほど紹介します。)マジで感謝しかない。

朝霧のメインステージ。この光景が目の前に広がった時、わ〜〜!!!来た〜〜〜!と心が高揚した。
子どもたちが遊べるKIDS LANDの他、会場にはちらほらキッズが楽しめるプチ遊具なんかもあってとてもいい感じ。
ステージ間に大きなシャボン玉、その下で走り回る子どもたち、平和すぎた。

みんなでキャンプという一体感

今年の朝霧JAMは、メインにRAINBOW STAGE、その奥にMOONSHINE STAGEがあってさらに山を登っていくとCARNIVAL STARの3つのステージがありました。さらに朝霧ランド&KIDS LANDやFUJIROCKでもお馴染みどん吉PARK(ドッグラン)などファミリーやお子さま連れ、ペット連れにも優しいエリアまで。そして朝霧の醍醐味であるキャンプは、会場内にCAMP SITE A、CAMP SITE Bが配備され、シャトルバスで行き来するオートキャンプエリアと広大な敷地で展開(わたしたちはオートキャンプエリアに泊まりました。)そして今年からCAMP SITE Bの奥地にはサウナサンセットというサウナエリアまで。ちょっと遠すぎて様子を見にいくことはなかったんですが、青空の下富士山を横目にととのう体験はかなり良かったんじゃないかと思われます。やっぱりエリアマップを眺めててもやっぱりキャンプだよな〜というのが伝わると思います。朝霧って、行って思ったけど、1泊2日だし基本多くの人が泊まってる=みんなキャンプしてるっていうのがいいですよね。2万人くらいの音楽が好きな人たちがみんなで空の下過ごしてるって、そう考えるとめちゃくちゃ感慨深い。

地元の人で結成された朝霧JAMSのキャッチコピーが好き!
オートキャンプから会場まではシャトルバスで10分くらい!
キャンプしながら音楽と自然を仰ぐ・・・この傾斜感もなんとも最高です。
奥に歩くとMOONSHINE STAGEを中心にショップやブースの並ぶ開けた風景が広がります。
夜のCARNIVAL STARはFUJIROCKのパレスみがあって大人たちの遊び場って感じでした。

あと思い出と言ってはなんだけど、今回は例年よりも開催時期が2週間遅くなったということで、夜になるにつれての寒さに凍えてたのも思い出です。ベテラン朝霧勢の方からも防寒を!と言われて望んだんだけど、標高900mの秋の朝霧は夜になると白い息がうっすら出るほど。わたしは特に寒がりな方なので、裏起毛のトレーナー、ヒートテック、ホッカイロ、帽子、マフラー、ダウンジャケット、、、と東京の真冬装備でしたが、全然寒かったです・・w RAINBOW STAGEの後ろの方には大きな焚き火が2箇所あったり、キャンプサイトBにもみんなで焚き火を囲う場所があって、夜はたくさんの人が暖をとっていました。寒さに対して自然のもので暖を取る、、というのもなんだか朝霧ぽくてよかった。

寒くて寒くて火のありがたみを思い知りました・・・

音にのって心が開放されていく

2日間で国内外あわせて28組のアーティストが出演。CHET FAKERやBADBADNOTGOOD、KASSA OVERALL、KITTY, DAISY & LEWISといった他のフェスでも見られない海外アーティストのブッキングは、わたしが今年参加を決めた理由でもありました。あと冥丁も今年実はSpotifyまとめに入るほどよく聴いていたアーティストだったので、朝霧のラインナップには発表時から心を鷲掴みにされてしまっていた。し、OGRE YOU ASSHOLEやくるりは台風で中止となった2019年越しの出演で、4年越しにというストーリーもとてもグッとくるところだった。

で実際はどうだったかというと、もう朝霧の空気だったりキャンプが楽しすぎて、見たいな〜と思っていたライブの3分の1くらいしか見てなかったという感じでした笑 とはいえ見たステージに関しては、最高の音楽がふもとっぱらに響き渡っていくのがめちゃくちゃ心地よくて、なんというか、深く呼吸をしながら大自然に抜けていく音の開放感、みたいなものに身体中が満たされたって感じでした。

思い出深かかった2組を残しておきます。1組めはKASSA OVERALL。まじでかっこよかった。朝霧終わってもしばらくリピートしてました。音源も聴いていいなとは思ってたんだけどステージの素晴らしさといったらなかった!!会場を一体感で包む圧巻のパフォーマンスだった。ドラムをバッキバキに決めたかと思えば、マイクを手にとにかくステージを行ったり来たり、飛んで跳ねて本当に軽快によく動くのがすごかった。メインステージなのに、ステージ狭そうに感じたくらいだった。パフォーマンスすごいのに安定感があって演奏も歌もめちゃくちゃかっこよかったし、JAZZのライブって全く見たことないけど、なんか心を高揚させるというかわくわくさせるというか、すごく新鮮だった。しっかり彼らに煽られてしまって、会場もすっかり彼らのグルーヴに巻き込まれてました。お客さんもすごく盛り上がってた。

2組めはOGRE YOU ASSHOLE。今年実は一番見たアーティストだったかもしれないんですが、個人的ベストパフォーマンスは朝霧でした!めっちゃくちゃ最高でした。ほぼ周りに明かりのない広々とした草原と大自然の夜空の下で、タコ?の足が風に揺れて動いて、照明もゆらゆらと色がうつろいでいて、それにオーガの良音のループループループ・・・。MOONSHINE STAGEの独特の怪しさというか、その空気感にオーガの音楽とお客さんのグルーヴがとてもマッチしていて、最高のダンスホールだったと思います。気持ち悪いくらい心地よかった。最後に沸き起こった歓声、わたしもだったけど、お客さんの気持ちの高揚がわかりやすすぎるくらい熱を帯びていたなと思います。日が暮れてから極寒に震えていたけれど、この時ばかりは寒ささえ頭から吹っ飛んでいました。

地球生命体としての感動を味わう

地球に生きていることに心から感動したふもとっぱらの大自然。いろんな人から朝霧の朝日は最高だと聞いていたんだけど、さらに今年の朝霧は、1日目の夜にオリオン座流星群がピークを迎えるというすごいタイミングで、夜もめちゃくちゃ星が綺麗だった。月明かりもなく雲ひとつない晴天。トイレに並びながら星空を眺めて、前後の人と流れないねえと話すなどもすごくあったかい時間だった。1時間あたりの流星数は5~10個程度ということで夜中テントで話しながらも探したりしていたんだけど、結局流れ星を目撃はできずだった。どうやら望遠鏡で天体観測できるアクティビティもあったらしく、そういうのもアリだったなあと思った。けど実家の田舎(北海道石狩)以外であんなに空気の澄んだどこまでも続く夜の星空を見るのは久しぶりだったし、とても幻想的だった。

そして絶対に朝晴れたら朝日のご来光を拝もうと心に決めてきた初めての朝霧。テントを建てるときもこの辺はよく見えそうだねなど言いながらスポットを決めました。夜もテントで焚き火をしてお酒飲んだり肉を焼いたりしながらメンバーと話して過ごしていてたらわりと遅くまで時間が経ってしまっていたんだけど、朝のこの一瞬を心待ちにしすぎてアラームなる前に起きました。周りのテントからもそわそわと起きてくる人々。「みなさーんもうすぐご来光ですよ〜〜」と小声で周囲に声をかけるベテランそうな方も。正月の日の出よりも、この朝日は特別で、人生で一番朝の日の出を楽しみにしていたと思う。他のメンバーがなかなか起きてこないので一人でそわそわ待っていたけど、少しずつ明るくなる空に、少し緊張しながら祝福の瞬間を待ちました。

まだ薄暗い富士山と、ふもとっぱらを覆う朝霧。
ぴっかーん!

美しすぎるご来光。地球生命体として生きていることに感動した瞬間でした。やっと他のメンバーも起きてきて、みんなで朝日を拝んで、すっかり朝霧2日目の始まりを告げた太陽を浴びながらコーヒーを淹れて飲みました。今思い出してももうとびっきりの朝だったなと思います。
毎日毎日朝はやってくるものだけど、こんなに待ち望んだ朝はなかったし、朝がやってくるという当たり前のことに尊さを感じました。それからというもの朝に少し憂鬱を感じる日があっても、今日の始まりにだってふもとっぱらではあの美しい朝日が登ってこの1日が始まっているんだと思って、まあがんばるかというような気持ちになったりもします。朝霧にはなんというか、忘れられない、もう一度これがしたい、っていう体験の瞬間がたくさんあるなと感じました。(それがリピート多い理由なんだろうなあ)

ふもとっぱらから動けないは説だった

初めての朝霧JAM、よく「ライブが始まっても、ずっとふもとっぱらで過ごすお客さんもいる」というのを耳にしていて、それほどにキャンプが最高ということなんだろうなと思いながら「いやでもライブ見るでしょう」と思っていました。当日までの私は「これもこれも見たいし」とタイムテーブルを見てソワソワしていましたし。

でも取り消します。「朝霧ではふもとっぱらから動けなくなる」は完全に”説"でした!

実は1日目も2日目も2組くらいしか見てなくて笑 1日目は朝からテントを立てて昼にはまったりし始めていたんだけど、開放感の中色々話ししてたら夕方前くらいになって、朝早かったのでお昼寝までしちゃって「まあ行きますかね!」とそんな感じだった。2日目もご来光を眺めて軽食を食べ、片付けをしたあと昼過ぎに会場入り、日が落ちる頃には帰路につきました。会場では色々と知り合いと会って会話に勤しんでいたりして、振り返るとほとんどステージの思い出よりもふもとっぱらに居たな〜というのがあります。広々としたあの草原、目の前の見事な富士山、夜には焚き火を見ながらぽつぽつと深い話をしたりして。晴れていたからこそではあるけれど、あのロケーションと体験には心が沈み込んでしまうというか、ふもとっぱらにはなにか魔力みたいなものがあると思いました。家族や仲間内でキャンプをしている時間、とても尊いなあと思ったし、キャンプが好きな人たちがなんでキャンプ好きなのか少しだけわかった気がします。ライブももちろんよかったんだけど、ふもとっぱらはいつも雄大で平和でのんびりしていて、ここにはここの時間が流れているというか、同じ朝霧なんだけど、全然別物って感じでした。

飛び道具満載のキャンピングカーと薪ストーブ付きテント。このストーブのおかげで生き延びれました。
ストーブと焚き火用に薪割り。わたしもトライしたんだけど中心に当てるのめちゃくちゃ難しかった・・
基地ができて、椅子に座って雄大な青空を仰いでるともうそれだけで満ち足りた。。。

こんなに最高の思い出になった理由はなんといっても一緒に行ったメンバーと、即興では到底揃えられないキャンプギアとプロキャンパーの方ならではのキャンプホスピタリティが最高だったからに他ならなくて、多大なる多大なる感謝です🙏 朝早くの準備、移動、設営から、最後の片付けやその後の運転まで本当に頭が上がらない。周りのお客さんもあのスペースすげえなって見られるくらい群を抜いてたキャンプギアに囲まれて最高のキャンプを体験させてもらえて、本当に"キャンプが"楽しかった。
それもこれもあの酷かった寒さの中で快適なキャンプをさせてもらえたのがとにかく大きくて、キャンプ初心者で初めての朝霧で過酷なキャンプをしていたらもう二度と行きたくないとおもっていたと思うので、朝霧には絶対にキャンプ慣れしている方と一緒に行くことを強く強くお勧めしたいところです。Tさん、Hさん、Yさん、本当にありがとうございました!また別キャンプも行きたいです!!

着いたときにお迎えしてくれた富士山。

最後に

最高の音楽と絶景のロケーション。これがずっと来たかった念願の朝霧でした。朝霧のように、音楽よりもあの場所の方に虜になってしまうフェスティバルはそうそうないなと感じました。(もちろん音楽はめちゃくちゃ素晴らしいです。)初回にしてすっかり音楽よりもキャンプの良さを感じれてしまったのは本当にメンバーのおかげさまでしかないのだけど、またあの絶景を体験しに行きたいし、泊まる場所は絶対にふもとっぱらがいいな(晴れている前提だけど)。20周年を越えての来年以降も、さらに唯一無二なフェスティバルとしての継続と進化がめちゃくちゃ楽しみです!ありがとう朝霧JAM!!

ASAGIRI JAM 2023 概要

開催日時:2023年10月21日(土)、 22日(日)
会場:富士山麓 朝霧アリーナ · ふもとっぱら
料金:2日通し券 ¥19,800 (お1人様/税込) / 1日券 ¥13,000 (お1人様/税込) / ふもとっぱらオートキャンプ駐車券 ¥12,000 (1台/税込) / 場内駐車券 ¥10,000 (1台/税込)
出演:
10月21日
THE ALBUM LEAF / 青葉市子 / BADBADNOTGOOD / CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN / HIROKO YAMAMURA / HOVVDY / KASSA OVERALL / MAIKA LOUBTÉ / 冥丁 / OGRE YOU ASSHOLE / OOIOO / 折坂悠太(band) / toe with 原田郁子(clammbon)、皆川真人 / CARNIVAL STAR / 浅草ジンタ / CHANT DOWN BABYLON / CUMBIA KID / Dr.IHARA / 藤井悟(Caribbean Dandy) / IKEDA / NAOKI IENAGA(Dubstore Records) / SAKU YANAGAWA(stand up comedy) / TXAKO
10月22日
CHET FAKER / DENIMS / DJ NATURE / Helsinki Lambda Club / 本門寺重須孝行太鼓保存会 / KITTY, DAISY & LEWIS / Night Tempo / OMSB / くるり / さらさ / sunking / TENDRE / toconoma / TOMMY GUERRERO / WAAJEED / CARNIVAL STAR / CARNIVAL STAR ALL STARS / チャッキーズ / TOP DOCA(こだまレコード) / DJ HADI / KOICHI HANAFUSA / NOZOMU / SAKU YANAGAWA(stand up comedy) / TXAKO / YOSUKE BAOBAB
主催:朝霧JAM実行委員会
特別協力:朝霧高原地域の皆様 / 笑顔と元気のおもてなし・朝霧JAMS' / 朝霧JAM連絡会議
後援:静岡県 / 富士宮市 / 静岡県観光協会 / 富士宮市観光協会 / 富士地域観光振興協議会 / 富士宮商工会議所 / 富士開拓農業協同組合 / 日本富士山協会 / テレビ朝日 / スペースシャワーTV / J-WAVE / FM802 / ZIP-FM / K-MIX / 静岡新聞 / 岳南朝日新聞社 / 富士ニュース
協賛:Columbia / KEEN / Fever Tree
協力:CHUMS / LOGOS / NEXCO 中日本
企画・制作:SMASH / HOT STUFF PROMOTION
公式サイト:https://asagirijam.jp/
X:https://twitter.com/asagirijam
Instagram:https://www.instagram.com/asagirijam/

美しい朝のご来光とtoeのレイテストナンバーが流れる
最高なアフタームービーもぜひチェックください!


おしまい

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