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お隣のA子さん Part4≪散文詩≫

結局
いつもつまらないの
乾いた感じ
なのに最近ちょっと
なにかが違う予感がしている
なんだろう
わたし、私のことが好きじゃなかったのに
あの冴えない人と一緒にいるときの自分が
結構好きなのよ
なにがどうこうってことではないの
ただあったかいの
あの人の子どもを産んだらどうなるんだろう
なんて
想像してしまったの
笑えるでしょ
わたしどうかしてしまったんだわ
あの千円のTシャツと短パンなんて
ほんとダサいのに
どうしてそこから覗く腕が
たくましく見えてしまうのかしら
飾り立てた自分の爪がバカらしく見えてくるじゃない
こんど一緒にピザを作ろうだなんて
そんな子どもじみた約束が
なんだかこそばかゆくって
これじゃあ
こじゃれたイタリアンの予約をして
着飾って いいワインを飲んで
少し酔ったフリして
嘘を並べ立てることができなくなるじゃない
そうやって簡単に笑いかけてきて
生地を一緒に練って 
オーブンの前で
安いワインボトルを開けて
チーズをつまみながら
ピザが焼ける合間に
目でも見つめあっちゃったら
不意打ちすぎて
赤面しちゃうじゃない
なに俯いちゃってるの、わたし
どうしよう
うっかり、自分のことを受け入れてしまいそうよ
だって楽しいの 嬉しいの
あなたがわたしに当たり前のようにしてくれることに
いちいち感動しちゃってるわよ
馬鹿でしょ


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イギリスに行く前に書いていたこと忘れてました。
A子さんって何歳くらいの女性なんだろう。
いま50歳くらいの年代の人の30代くらいの頃の感覚かな。
ちょっとしゃべり方がお姉っぽくもあるような、、、笑


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