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最新のトラウマ療法「ブレインスポッティング」を受けてきた話

これホヤホヤの、今日の午前中の話なので、あまり自分の中で練れておらず、うまく書けるかなーという感じなのですが記憶が新鮮なうちに書き残したいと思ったので書いてみます。

幼少期から父とのかかわりの中で受けてきた心の傷と向き合い始めて現在7ヶ月。
4ヶ月間のメールカウンセリングや情報収集を経てある程度内面を整理した末に、トラウマ治療ができる対面カウンセリングに通い始めて今3ヶ月です。

「トラウマ」って、なんだか私などが軽々しく用いちゃいけない言葉のような気がずっとしてたんですけど、例えば大変な性被害を受けたとか、大事故を目の前で目撃してしまったとか、そういう強烈なものばかりを指すわけではないようです。

要はシンプルに「心の傷」って意味なので、私のように両親の揉め事を日常的に見て育ったとか、父親が飲酒して暴れるので困ってたとか、父親の暴言に苦しめられてきたとか、そういうのもトラウマとして残ることが多いんですね。

つまり心理的・精神的に何らかの大きな打撃を受けて、その後、その影響が心や身体にいつまでも残るような体験のことを指すので、最新のトラウマの理解としては「トラウマは日常にあふれている」「誰でも日常的にトラウマを抱える可能性がある」ということなんだそうです。

それで昨年11月からカウンセラーのI先生のところへ通うようになったのですが、今日までに5回のカウンセリングを受けて、その5回は全部、自分の生育歴や親子関係、トラウマの内容、いま困っていること、夫婦関係や仕事はどんな感じか、人生の主なトピックスなどなどを語り、泣き、笑い、先生と解きほぐしていくことに費やしました。これは毎回学びがあってとても楽しかったし、「話す」ということから得られる浄化作用は思ってたより凄くて、回を追うごとに心が軽く、身体的にも活力が出てきたのが不思議でした。

私の場合は「複雑性PTSD」と呼ばれる状態で、育つ過程で受けた心の傷が多すぎて、現在まで強く影響するエピソードが『あの時』として特定できる状態になかったので、カウンセリングを重ねて「いまの困りごとは何か」「その困りごとに濃厚に結びついているトラウマはどれか」を特定してから、トラウマを処理する心理療法に入っていこうねという流れとなっていました。
(それらをもっと手っ取り早く進める心理療法もあるらしいのですが、私の場合は話したいことも多くて5回かかってしまった)

それでようやくEMDR(戦争帰還兵や虐待サバイバーが受けるトラウマ療法)を受ける下準備が整い、今日それをやっと受けられることになっていたので私はめちゃくちゃわくわくしていました。

EMDRを受けたいろんな方の体験記を読むと、「トラウマの記憶が消えるわけじゃないけど、思い出しても苦しくならなくなった。セピア色で無害な記憶に変わる。そんなこともあったなぁ…みたいな感じ」という感想が多かったので、その変容を自分の体で体感できるのが楽しみだったのです。

カウンセリング前に
近くのカフェで飲んだホットミルク

それで今日うきうきとカウンセリング室に行ったんですが、その心理療法を受けるために先生とトラウマの思い起こしをするステップを踏んでいる最中、感情が昂って泣きじゃくりが止まらなくなってしまって。完全にその頃の、小学校高学年くらいの自分に退行している感覚があって驚きました。

先生がすぐ「今日は無理せず、心の安定感を作りながらできる心理療法をしましょう。『ブレインスポッティング』でいかがですか」と提案してくれて、最新のトラウマ療法と言われるブレインスポッティング(※)を試すことになりました。


ブレインスポッティング(BSP)は、脳と身体に根差した新しい心理療法です。EMDRのエキスパートであったDavid Grand博士によって精神分析、ソマティックエクスペリエンシング、そしてEMDR等の影響を受けて2003年に米国で開発されました。

その素早く高い効果から、BSPは南米・欧州・豪州を含め、瞬く間に世界に広がり、そして今日本含むアジアにも広がりつつあります。現在、世界中で10000人以上の臨床家がBSPを学んでいます。

BTI-Jサイトより
トレインスポッティングではないんです、ええ

時間にして40分間くらいだったのかなぁ…
先生と一緒にトラウマの振り返りをして、それを思い起こしている時の身体の感覚や心情を観察し、反対にそれを手放した時の感覚をイメージし、心が安定する身体感覚を確認し、視点の位置を特定し……と何やらいろいろやって、視点をある一点に固定したままトラウマの思い起こしをしました。

3回に分けてやったんですけど、1回目は父に言われたことされたことで辛かったこと悲しかったことが無数に出てきました。これまでの人生で何度も何度も思い返した忘れられない記憶。でも実はこれが、いまここに書きながらほとんど思い出せません笑 何これこわい。トラウマがほんとに思い出せなくなってるの笑
記憶の再生ボタンを押しても、脳内のテレビがザーッと混線してちゃんと映し出してくれない感じ。隙間からチラッと何か見えるような気がしてもぐっとロックがかかって保護されてアクセスできなくなってる。今これめっちゃ不思議だしこわいです笑笑

それで、2回目のワークでも何かたぶん父親のことを思い出してたんですけど、その時のことも全く思い出せません。めちゃくちゃ不思議。。。

3回目のワークでは、祖父母の家が出てきました。私の思い出の中の聖域のような場所です。心からの安心があって、私の幼少期の砦だった場所。そこで過ごした尊い時間が、家具の細部や縁側の光、じゅうたんの手触りまでものすごい再現度を持って脳内再生されて、温かい気持ちになって終わりました。

全部を終えてから先生に感想を聞かれたんですけど、疲れすぎていたのと、心の中にまだザラザラと不快な感じが残っていて、「よくわからない…疲れました。父の記憶から祖父母の家の記憶に飛んで、そこに行くんだー?って思いました」とかなんとか答えた気がします。

それでカウンセリング室を出たあたりから悪寒が止まらなくなって、帰りに仕事の材料の仕入れに行こうと思っていたのにとても行けず、まっすぐ帰宅してぶあつい布団を2枚かぶって昼間っから爆睡しました。食いしん坊の私が昼ごはんも食べずに。

起きてもまだぼんやりふわんふわんしていますけど、この父の記憶へのアクセスできなさが、、面白こわすぎる笑
これまで折に触れいやというほど何百回、何千回もフラッシュバックしていた数々の記憶たちにブロックがかかってる感じで、あれ?この部屋もう入れないな?あれ?みたいな感じなんです。え、ほんとにこんなことあるん…?

今はとりあえずこんな感じでとても穏やかな感情ですが、これが明日以降どうなっていくのか楽しみなようなこわいような。記憶処理の影響か、人によっては今夜悪夢を見たりもするみたいです。

来週は今日泣きじゃくってできなかったEMDRを受けることになっているので、すでにこんなに効果が出ているのにどうなっちゃうんだい?という感じですが、それについてもまた書きたいと思います。

⚫︎ 私が現在かかっている心理士さんは、こちらのトラウマ治療者リスト一覧から探しました。ご参考まで。

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