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2024年の抱負。駄菓子屋をつくる。

はじめに

相変わらず、STORES 株式会社にてお店の業務支援プロダクトのプロダクトマネジメントをやりつつ、株式会社 Cultivate で子どもの興味を広げる「ホルーペ」の活動を両方やってます。

2023年11月。そんな「/(スラッシュ)な働き方をやってますよー」という話を pmconf2023 という場でお話しさせていただきました。改めて、運営の方や、参加者の方にはお礼を申し上げます。百戦錬磨の PM の皆様の登壇に混ざって、変化球感満載の内容でしたが、非常に楽しくやらせていただきました。

さて、2024年第一弾の note ということで、今年の抱負的な話をしたいと思います。

「駄菓子屋をつくる。」

です。

今日はそんな話です。前置き長めです。

ずっと言ってたよね?なぜ今?

以前から私を知っている人だと「ホルーペ」というクイズアプリの延長上に「興味のOMO構想」というものがあり「テクノロジーを駆使してオンラインとオフラインの興味のハブとなる駄菓子屋」を作ろうとしてる話を聞いたことがあるかもしれません。

ホルーペ for 駄菓子屋(イメージ)

いや、、、、?

そんなに多くの人には話していなかったかもしれません。まぁでも、ずっと考えてはいたんです。ホルーペが伸びたらいつかやるぞ、と。

つまりホルーペが伸びまくっているってこと?

もちろん「伸びまくっている・・・!」と言いたいところですが、現状、残念ながらそんなこともありません。

2023年2月に Android 版をリリース、同年9月に念願の iOS 版をリリースしまして、毎週一定のユーザは新規で始めてくれるのですが、ゲームというインタフェースであり、普段使いのツールという形でもなく、それ以外にもいろいろ課題は多く、まだまだ多くの人に長く使っていただける状況にはなっていません。これは私の力不足を痛感します。

じゃあなぜ今?となりますね。

その前に、昨年のホルーペのふりかえりをしたいと思います。

2023年、ホルーペの振り返り

Android アプリ リリース(2月)

前回のこの note の時です。長いこと出す出す言ってたホルーペのアプリが、ようやく公開できました。

このアプリをリリースする前にも、 WEB 版があったり、全然違う UX の iOS 版があったり(一緒に遊んでくれた方々ありがとうございました)、長らくクローズβ版があったり、、、でしたが、なんとか世に出すことができました。

なお、子ども向けのアプリ、アプリストアに出そうと思うと、かなり落とし穴あります。規約もそう、アイコンもそう、カテゴリーもそう、開始導線もそう。リジェクト祭。非常に勉強になりました。

企業からの引き合い&提案(春〜夏ごろ)

以前からも、ときどき企業の方とお話しすることはあったのですが、コンセプトレベルだと「いいね」で終わってしまうことが多い、という課題がありました。いよいよ Android 版が世に出たことで、企画書レベルではなく動くものを持ってあちこち回ることができるようになりました。幸いなことに、この Android 版のリリースをキッカケに企業や行政の方にも興味を持っていただきご提案の機会をいただくことも何度かありました。

(宣伝:これを読んでる方!あなたの会社とホルーペを組み合わせて新しいことしませんか?)

ここはいろんな学びがありました。シナジーが生み出せそうなもの、逆にお互いにメリットを潰しあってしまうもの、企業としての期待、担当者の想い、など。普段プロダクトマネージャとして向き合う顧客と全く別の性質のお仕事になるので、一つ一つが刺激になりました。そして、自分の実力不足やプロダクトとしての質の課題にも直面することになります。

なによりも「まずは iOS 版をお待ちしています」という声。そりゃそうですよね。私もそう思います。

iOS アプリ リリース(9月)

Android から遅れること6ヶ月。いよいよ iOS 版をリリースしました。

非常に時間がかかりました。ホルーペは Unity で作っているので、2月の時点で手元で完全に動く iOS 版がすでに存在していました。なのに、なぜここまで時間がかかってしまったのか。それは上でも書いた、アプリストアのリジェクト対応です。本当に大変でした。子ども向けアプリで気を付けるべきポイントってなかなかネット上にナレッジが公開されていなくて、大変なんですよね。審査担当の方と、毎晩のように レスバ やりとりさせていただきましたが、なかなか「これ」といった正解に辿り着くことができず、試行錯誤の日々でした。

結局、この iOS のリジェクト対応のために、大幅にアプリ UX を作り替えています。Android 版も、同じように作りを合わせる、みたいなことも地味にやっています。

伸びる初速。低い継続率(秋)

ある程度予想はついていた部分です。リリース前からも色んな人に遊んでもらったり、リリース後も SNS などでお知らせさせていただくと「楽しそう!」「遊んでみる!」とありがたいお声をいただけます。実際にダウンロードし、しばらく遊んでいる形跡もあります。ただ、みんなが長く遊び続けてくれるわけではありません。子供は正直。数字は残酷です。

この辺りは、やる前から仮説の一つしてはあった部分で、それを補うソリューションもあるのですが、まだ自分たちがその状況になく、なかなか手を打つことができませんでした。悔しい日々です。

クイズ大会の開催(11月)

そして地域の小学生を対象にクイズ大会を開催します。え、唐突?

自分の子供が通っている小学校で、PTA主催のお祭を4年ぶりに開催したのですが、そこでブースの一つとしてクイズ大会を出展しました。

コロナ禍以前はやっていた祭のようでしたが、もう4年も経っているので、PTA役員の中でも、私を含め、前回を知っている人はほとんどいません。改めて、子ども達を集め、どのような体験をして楽しんでもらうか、お祭のコンセプトや運営をゼロから考えました。

はじめはホルーペをそのまま出しても良いかなと思ったのですが、せっかく多くの子どもたちが一同に集まる機会ですので、ホルーペもコンセプト以外は完全にゼロから設計し直し、このイベントのための専用のホルーペを作りました。

クイズ大会用ホルーペ

普段の1人用ホルーペと違い、5対5のチーム戦のための特別版!
のべ参加約180人の子供たちと一緒に大いに盛り上がりました!

「子どもたちが、身の回りから興味のキッカケを拾って、それをクイズを通じて広げる」という体験を実現するために今のホルーペに不足しているものはいくつかありますが、その一つとして「対話」と「競争」を付与してみるトライをしました。

つまり、バトル。それも、チームバトル。そして、人が介在する司会進行。

私自身がクイズマスターとして、その場その場の状況に合わせて子どもたちと対話をしながら、「テーマ」→「クイズ」→「解説」そして次の「クイズ」というループをぐるぐる回す。

結果としては大成功と言ってもよいのではと思っています。

本当は 10人 × 8回し くらいで考えていたのですが、あまりに盛況なので結局ほぼぶっつづけで 18回転。1日でのべ180人の子どもたちに遊んでもらうことができ、また、親子参加のイベントだったので、何名かの親御さんから「おもしろかった」「このゲームは家でも遊べるの?」と声をかけてもらったり「興味を広げるクイズというのはとてもよい」というコメントをいただくことができました。

子どもたちにとったアンケートでも、他の企画などへの感想に混ざって「クイズがおもしろかった」という声が多くの子から寄せられていました。なによりもうれしい。

学校という場で、多くの子どもたちに対話の中から生まれる興味というものを届けられたのではないかと自負しています。

2023年のまとめと今後の確信

私は

「最高のユーザ体験は、自然な行為の中に価値が付与される状態」

だと考えています。

もともとホルーペには最大の弱点があります。それは、

「親がわざわざ介在しない限り、不自然なインタフェースであること」

です。アプリである以上仕方がない部分でもあります。「オンラインで親がアプリを知り、コンセプトに共感し、ダウンロードし、スマホを子どもに渡し、遊ばせる」実に不自然です。

ちょっと例が古いのですが、スマホをかざすと世界のメタ情報が覗けるアプリがありました。現在だと、ヘッドセットをつけると似たようなことができますが、これも超絶不自然です。実際に体験してみると、おもしろいのはおもしろいのですが、当たり前の生活に溶け込むには、まだかなり高いハードルがあるでしょう。

子どもの興味を広げる体験の話に戻ります。

子どもが興味のキッカケに気づくシーンは、日常のどこにでもあります。そんなとき、必ずしもそこに親やスマホがあるわけではありません。これは勿体無い。

そのチャンスを確実に拾い、広げていくためには「当たり前の生活の一部」にその仕組みが装着されている必要があります。

日常の導線上にあるもの → 子どもたちが集まる場所

そんな場所をいつか作りたい、ではなく、その場所が先にあるべきではないか。つまり順序が逆。それが1年近くアプリをやってきて(薄々分かってはいたけど)改めて確信に変わりました。

ちなみに、今回「場所か、アプリか」みたいな話をしましたが、それ以外にもいくつかキーワードがあります。それは「グローバルよりローカル」「多くのターゲットより少ないターゲット」「汎用ではなく専用」「浅い課題より深い課題」などですが、話が逸れてしまうのでここでは割愛します(また別の機会に)

いろいろ課題はあります

いざ、アプリじゃなくて場所を作ろうね、となっても、問題は山積しています(だから理由をつけて後回しにしていました)

物件について

昨年の夏くらいから絶賛探し中です。すごく時間がかかります。地域の商店街の知人をあたったり、町内の人に相談したり、不動産屋を巡ったり。いま、よさそうな物件が見つかりつつあり、大家さんにコンセプトを共感いただけて、「もしかすると・・・!」という状況ではありますが、当たり前ですが、物件を借りるということで発生する責任と覚悟は、クラウドですぐ借りたり壊したりできるサーバリソースとはわけが違います。どうやって覚悟決めるのこれ。

お金が

ふつうにこれ。物件を借りると、固定費が跳ね上がります。しかも東京。はんぱないです。また、ただの駄菓子屋では、当然ですが、利益は出ません。仕組みを考えないといけません。ここについても、いろいろ考えていますが、もし形になりそうになったら、また note をしたためたいと考えています。でも、ほんと頭を悩ませる問題です。

飲食業にするかどうか

保健所に相談に行きましたが、悩ましいです。物件選びから大きく変わってきますし、普通に工事等の初期費用にも大きく跳ねます。一つ一つがなにもわからないのですが、全部が学びです。

その他

いろいろ課題はあります。資格とか、接客とか。資格はどうにかなりそう(すぐに取れるのですが、決められた時期で行わないと補助金の対象とならなかったりするので、その辺も考えつつ)ですが、営業時間や接客も考えないといけません。ありがたいことに、何人か、協力してくれそうな方が見つかりそうです。ありがたいことです。

できるかな?

わかりません笑 やったことがないので。

いろんな生き方がある中で、わざわざ自分の時間とお金を費やして「やってて楽しい」と思える活動なので、リスクをとってみるのも、楽しいだろうな、と思っています。

完璧なものではなく、とにかく世に出して、あとからどんどん変えていけばいい。できるまでやればできる。

もうここで表明してしまったのでやるしかありません。やるぞ

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