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学部3年生でJAXAの研究室に入った話(学生受入制度について)

いろいろなところで言っていますが,私は,学部3年の時から学生受入制度を使ってISAS(JAXA/宇宙科学研究所)の研究室に所属しています.JAXAでの研究,学部生での研究などについて,少しでも興味がある人に届けばと思います.

学生受入制度とは?

まず,学生受入制度とはなんなのか簡単に書いておこうと思います.ISASとJAXAの他のキャンパスの違いについてはわからないですが、JAXAは東大や総研大(総合研究大学院大学)のようにISASの研究室に所属する大学でなくても、研究室に入れる受入制度があります.JAXAが有する学生受入制度は主に以下の二つに分けられます.
1. 大学院生のみ対象の制度
・連携大学院方式
・受託指導学生方式
2.高専,短大,学部生,大学院生対象の制度
・インターンシップ
・技術習得

具体的な受入方法,書類上の手続きは異なりますが,大学とJAXA間の手続きを通じて,JAXAの研究室に所属することができる制度のことです.この制度を利用して,私は学部3年生の時に技術習得制度で研究室配属をさせて頂きました.(現在も所属中)

研究室配属の経緯

研究室にどのように配属が決まったのか,私が配属を希望した経緯も含めて書こうと思います.

学部2年生の頃

今度また記事に書こうと思いますが,2年生の夏にJAXAのインターンシップに参加しました.その時に仲良くなった学生と旅行がてらその年に熊本で開催された国内宇宙業界で一番大きい学会(宇宙科学連合講演会)に足を運びました.私は本当に旅行気分で前日に福岡前乗りしたり,学会中のお昼も熊本の名産の馬刺しを食べたり半分遊びに行っていました.私は学会の「が」の字も知らないペーペーでしたが,同い年の知り合いでそこで学会発表をしている人が何人かいました.私はヘラヘラみているだけなのに,名刺を持って大人たちと話し合ってる人,こういうことしたいんですよどうですか!とか言っている学生,すごい!こんな人がいるのか!と思いました.そしてそれと同時に大人に名刺をもらっても何も話すことができない自分がすごく悔しかったです.その時に,自分を語るもの(「今こういう研究をしています」「これに興味があります」)が欲しいと強く思い,研究がしたいというように思いました.

学部3年生の頃

学部2年と3年の間の春休みにアメリカに行き,アメリカの大学院に行きたいと思いました.アメリカの大学院は出願時の研究実績が大事だと言うことを知り,より一層研究室に早く入りたい,研究がしたいと思うようになりました.そこで,今思えばいきなりですが,JAXAの研究室の先生に技術習得がしたい,研究室見学をさせて欲しいとメールをしました.
そこで見学に行き,受入について話を聞いたところ,大学の研究室に所属していないと厳しいと言われました.これは,指導教員がいないと,実験などで事故などがあった時に責任が取れないことが原因だと言われ,「早期配属って無理なんだぁ...」とすごく残念な気持ちになりました.

アメリカの大学院進学を希望した理由,詳しくはこちら↓

それとは別に,その頃にKeio Astrobiology Campに参加しました.(すごく楽しいイベントだったので興味ある方はぜひ,またその記事も余裕があれば書きます)これは,学生と講師が集まって3日間アストロバイオロジーについて山形の研究所で勉強するイベントなのですが,このイベントの申し込みが始まった段階で目をつけていた,と言ったら言い過ぎですが,会いたいと思っていたJAXAの先生(研究室見学に行った先生とは別の方)が偶然講師として参加する予定だと発表され,8割方その先生に会うこと目的で申し込みました.
ここからの出来事はほぼ運命というか,本当に運と縁に恵まれたと思っています.その先生と無事にイベントでお話しすることができ,私は,はっぴーはっぴー,あとはお土産に山形の美味しい日本酒,桃とぶどうのゼリーを買って帰ろうという気持ちでいました.このイベントは山形で開催されていることもあり,関東圏の人は先生も学生も含めて羽田まで同じ飛行機で帰ります.なので,みんなで空港で待つというような感じなんですが,偶然その先生と話す機会があって,学生受入で研究がしたいけど,無理だと言われたことについて半分愚痴,どうにかなりませんかねぇという感じで雑談をしました.
その時は,そこで話は終わりなんですが,後日,1ヶ月後くらいに,先生から「他の大学の院生で受入をしようとしているけど,もし興味があれば連絡ください」という趣旨の連絡が来ました.めちゃくちゃうれしくて,その時授業中だったんですけど,叫びそうになりました.
私的には,行くの一択でした.入ります!!!という感じでお願いをして,配属が決まりました.本当に縁と運に恵まれているなと思いました.
そこから,指導教員がいない問題に関しては,大学に相談して,「担任」の先生にサインをお願いしたりと色々と手続きを手伝ってもらい,無事に配属することができました.

受入制度に興味のある方へ

受入制度はすごくいい制度だと私は思います.ISASは良い意味で研究者との距離が近い空間だと思います.間近でミッションが運用されているところ,日本を代表するような有名な研究者らがいる場所です.そこに入れること,研究ができることは,研究に関する知識を得るだけではなく,自分の宇宙業界への関わり方も考えることができる場所だと思います.

ISASの交流棟(一般公開されている展示がある建物)には毎日のようにお子さんを連れた家族が来ていたり,学校の校外学習?で小学生が来ていたり,宇宙への憧れの場所なんだなと感じます.そんな場所に入れることに誇りを感じながら過ごしています.

この自分の特殊な経験を,自分だけのものにせず,少しでもどこかに還元できたらなと思います.興味のある方はX/Twitterまでご連絡ください.


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