装丁について
本の装丁やテーマについてまとめになります。
意匠や細かいところや作り手の意図ってなかなか伝わらないと思い
ざっくりとですが記載します。
shimmering water
2023/5/14 発行
A5横 平綴じ
表紙:ねずみ
本文:ハトロン紙、他
遊び紙:ベール
加工:ツヤプリ
印刷:レトロ印刷(株式会社JAM)
写真集
タイトルの「shimmering」は輝く、キラキラという意味。
水面の輝きや反射を写真にひたすら収めた写真集です。
本文の紙は殆どハトロン紙にしようと考えておりました。
絶妙な紙の薄さとページが重なったとき
あえて次のページに響く紙を選びました。
次の写真がうっすら見えたり
単体で見えるものと、重ねた時に見える
シアー感が浜辺の砂が重なっていくような
薄布が重なっていくような雰囲気を目指しました。
表紙はグレー厚紙に白インク、さらに濃いグレーインクで印刷しています。
一番上部に透明ツヤプリ加工を施しています。タイトルはグレーツヤプリ。
割とイメージ通りにできあがったのでお気に入りです。
触るとボコボコ・ツヤツヤしています。
平綴じに使用した糸は青系。表紙はモノクロ系なのでここで差し色として
青を使いました。
この本は試してみたいことが何点かあり、実験的な本になりました。
レトロ印刷さんは何度か利用させていただいています。
紙もインクも種類が豊富なので、これからも試してみたいです。
nami nami
2023/9/3 発行
A5横 無線綴じ
表紙:五感紙
本文:モンテルキア
遊び紙:ヴィンテージ ブルーグレー
印刷:大阪印刷株式会社
海にまつわるイラストを集めた本です。
表紙のデザインは「shimmering water」と対になるように
似た配置にしました。
「shimmering water」同様、ロゴは手書きです。
ロゴの下、2行のところ
読ませる必要のない装飾的な文字ですが
少し気になったので修正。
2版目ではっきりでました。よかった。(初版の方はすみません…)
表紙の五感紙はポストカードで使ったことがあり
水彩風の絵を印刷したときのアナログ感がお気に入りで選びました。
反省点は、細すぎる文字は印刷が難しいことです。
(紙がぼこぼこしているからかも)
青すぎない藻みたいな感じ?がかなり海っぽい。2版目から遊び紙変えてみようと、色々吟味しましたがやはりこれが一番しっくりきました。
奥付と目録の配置もページをめくったときに
同じ高さになるように調整しています。こういう微妙なこだわりが
楽しくって……
非常に地味な作業ですが、奥付や文字のカーニングしているときも
本を作る楽しい時間のひとつです。
ここちよい夜
2024/2/25 発行
A5縦 無線綴じ
表紙:銀箔紙+白印刷+マットPP
本文:モンテルキア
遊び紙:タブロ(2版目:銀鼠)
口絵:トレーシングペーパー
印刷:大阪印刷株式会社
イラスト集2作目 テーマは「夜が明けるまで」
横文字タイトルが続いたので今回はやめました。
元のフォントからロゴもやや調整して作っています。
表紙は今回やってみたかった銀箔紙です。
銀箔紙の上に白印刷、フルカラー、マットPPを施しています。
白印刷をしていない箇所は地の銀が良く出ています。
手触りもいい感じです。爪などで傷つきやすくなっている点は注意。手渡しするときもできるだけ触らないように気を付けました。白版によって箔押しのような表現もできました。
遊び紙、初版はタブロ紙、2版目は銀鼠です。
夜がテーマなのでグレー系にしようと決めていました。
表紙が白、遊び紙はグレーと徐々に夜への没入感がでたらいいなと思い。
タブロも素敵な紙ですが、もっとグレー感が欲しかったので
2版目は銀鼠です。
口絵の紙はトレーシングペーパーです。
トレペを挟むのは波打つ原因にもなるのでどうなるかハラハラしましたが
どうしてもやってみたいことがあったので差し込みました。
こういう本が好きなんです。頼む波打たないで…と確認しましたが最初は大丈夫そうです。のちに波打ってくるかもですが紙の性質上、湿気を吸いやすく吸うと波打つので仕方ないのかもしれません。
各種 本はBOOTHに揃えています。
3/30 20:00~ 通販ページをご確認できます。
よければ実物を見ていただけると嬉しいです。
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