旅の中、大切な友達ができた話(ラ・リオハ/アルゼンチン)
旅はたくさんの出会いがある。
宿泊施設やバスやツアーでのちょっとした挨拶や軽い情報交換。
もう少し仲良くなれば一緒にご飯食べに行ったり、その人の国を訪れた時に連絡して再会することもある。
アルゼンチンのラ•リオハでの出会いはそれ以上で、人生で何度でも会いたいし、会いに行くし!と思った。
大切な友達ができた話。
旅を共にするパートナーは幼い頃から大学一年生までの10年間、柔道をしていた。
就職してから練習する機会は減ったみたいだけど旅行中も訪れた街に柔道クラブがあるか確認していたらしい。
そして柔道クラブがあった時には必ず参加したいというメールを送っている。
返信はないことがしばしば。柔道着の貸し出しをしていないからごめんなさいということもあった。
ここラ・リオハでもメールを送ったらしい。
すると是非一緒に柔道しよう!という返信があったらしく、夜に高校の体育館に行ったそうだ。
わたしはお留守番していた。パートナーは柔道を楽しんだあと柔道クラブの人とディナーをして真夜中に帰ってきた。
そして半分寝ていた私に一言。
「楽しかった!明日もみんなで遊ぶ約束したよ!」
次の日、宿に優しそうな男性が訪ねてきた。
アルフレッド、そしてパートナーのフローレンシア。
このラリオハ滞在中何度が遊んだり食事をしてすっかり仲良くなった2人だ。
アルフレッドは過去に柔道のアルゼンチン代表選手を務めていたという。
現在は会社を経営しており、大の旅好き。
フローレンシアは美術の教師をする傍ら自身の絵の個展を開いたりとアーティストとしても活動している。
この日は同じ柔道仲間のお友達も来ていて5人で遊びに出かけた。
今まで街は徒歩で楽しむか、もしくはその近くの観光名所にバスで行くかの二択だったので地元の人のみが知る素敵なスポットに連れて行ってもらったのは新鮮だった。
地元民しか通らないような道の中、壮大な景色を見せてもらった。
ランチをご馳走になり、アイスも奢ってもらった。
一日遊んだ後もありがたさは止まらない。
わたし達の次の目的地はサルタだった。
ラ・リオハからは夜行バスで向かう。
旅人ならわかると思う。夜行バスの問題といえば宿チェックアウト後、夜までどこで何をするか。
午前中にチェックアウトして23時ごろのバスとなるとかなりの時間、外で暇を持て余すことになる。何が嫌って、重いバックパックと共に。
基本的にシャワーを浴びたりすることもできないので極力汗もかきたくない。
カフェに居座るのが無難だったりするが、ラリオハではアルフレッドのお家に居座らせてもらった。
みんなでランチをしたあと、アイスを食べながらお家でお喋りした。
またもやランチもアイスも奢ってもらってもう頭が上がらない。
食後お茶を淹れてくれて、ネトフリをつけてくれた。
そして出発前には夜ご飯まで作ってもらった。シャワーも入ってきなよと言われ遠慮なく借りた。
すごい、これでもかというほどの「お・も・て・な・し」
優しさを受け取るたび、滝川クリステルのアルカイックスマイルが脳裏をよぎる。
これ流行ったのは2013年らしい。私の中ではいまだ現役。
そして23時ごろ、バス停まで車で送ってもらい、荷物をバスのトランクまで運んでくれた。
あまりの優しさに申し訳なくなったので荷物は自分で持つよ!と言ったが流石は元柔道選手、ヒョイだった。
わたしが必死で背負っているバックパック、それはそれは小さく見えた。
別れ際、フローレンシアはアルゼンチンの国民的ドリンクのマテ茶のカップをプレゼントしてくれた。
泣いちゃうよ。優しすぎるよ。
夜行バスに乗り込むとき、渾身のthank youを伝え、ハグ。
愛に満ちた二人だった。溢れた愛をこれでもかというぐらい受けっとた。
また世界のどこかで会いたい。できれば日本に来てほしい。
その時はこれでもかというぐらいの「お・も・て・な・し」を施したい。
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